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速報 | 中国経済

中国GDP、7〜9月期は4.5%増に加速 予想を上回る 不動産投資は20%減

中国国家統計局が19日11時(日本時間)に発表した7〜9月期の実質GDPは前年同期比4.5%増で、4〜6月期の4.3%から加速し、ロイターの事前調査の予想(4.4%)を上回った。前期比は1.2%増。9月の輸出は29.6%増、鉱工業生産は5.5%増と外需と製造業が引っ張った一方、1〜9月の固定資産投資は7.2%減、不動産開発投資は20.6%減と内需の弱さは続いている。中国向けの売上が大きい日本の機械・FA・化粧品株にとって、今日の数字は「輸出と工場は強く、家計と不動産は弱い」という構図の確認になった。

御堂聡一 ・ 特集 11:06 ・ 2026年10月19日
中国GDP、7〜9月期は4.5%増に加速 予想を上回る 不動産投資は20%減
画像:ヨリビケ(AI生成)

国家統計局の発表によると、1〜9月の国内総生産(GDP)は107兆1071億元で、実質で前年同期比4.6%増。四半期ごとには1〜3月期5.0%、4〜6月期4.3%、7〜9月期4.5%で、7〜9月期は2四半期ぶりに伸びが戻った。季節調整済みの前期比は1.2%増(4〜6月期は0.9%増)。ロイターが50人のエコノミストに聞いた事前の予想は前年比4.4%・前期比1.1%で、どちらも上回った(Trading Economics のまとめでも予想4.4%)。政府の今年の成長率目標は4.5〜5%で、7〜9月期の4.5%は目標の下限にちょうど届いた水準だ。産業別には第3次産業(サービス)が5.2%増、第2次産業が3.8%増、第1次産業が3.7%増だった。

けん引したのは輸出と製造業だ。9月の輸出は3兆344億元で前年同月比29.6%増、輸入は24.6%増、輸出入の合計は27.5%増と8月から7.7ポイント加速した。1〜9月の輸出は16.4%増で、機械・電気製品が輸出全体の64.3%を占めて23.7%伸びている。9月の鉱工業生産は5.5%増(8月は5.2%増)で、1〜9月では装備製造業が10.2%増、ハイテク製造業が14.3%増。製品別には3Dプリンターが62.5%増、リチウムイオン電池が39.5%増、産業用ロボットが29.1%増だった。一方で7〜9月期の工業(一定規模以上)の設備稼働率は73.1%にとどまり、作る力に対して国内で売る力が追いついていない。9月の生産者物価(出荷価格)は5.0%上昇、消費者物価は0.9%上昇で、食品を除くコア CPI は1.0%。統計局は「国内需要の不足という問題はなお目立つ」と総括に書いている。

内需の弱さは数字にはっきり出ている。9月の小売売上高は4兆2433億元で前年同月比1.1%増と、8月の0.4%増から持ち直したが、1〜9月でも1.1%増にとどまる。中身はサービス消費が5.0%増、モノの消費が1.0%増だ。1〜9月の固定資産投資(農家を除く)は33兆4115億元で7.2%減と1〜8月と同じ落ち込みで、不動産開発を除いても4.2%減。不動産開発投資は20.6%減、新築住宅の販売面積は13.2%減、販売額は13.9%減だった。一方で中古住宅の成約面積は10.7%増えており、新築から中古へ需要が移っている。同じ日の朝に出た9月の70都市の新築住宅価格は、前月比で下がった都市が49、横ばい4、上がった都市が17(ヨリビケ集計)。前年比では64都市が下落している。上海(前年比2.8%上昇)、杭州、瀋陽、大連、合肥を除くほぼすべての都市で、新築の値段は1年前より安い。9月の都市部の調査失業率は5.2%で8月から0.1ポイント下がった。

日本株への波及は、中国向けの売上が大きい業種に出る。ファナックは7月の2026年4〜6月期決算の質疑応答で、FA の受注が2025年度の第4四半期から大きく増え、中国市場ではデータセンターや AI サーバー向け半導体、スマホなど 3C、新エネルギー車、人型ロボット向けの機械の需要が強く、旺盛な注文に供給の納期が追いつかないほどだと説明している(同社 IR の質疑応答要旨)。今日の産業用ロボット生産29.1%増・装備製造業10.2%増はこの流れと合う。建設機械のコマツや、空気圧機器の SMC、化粧品の資生堂も中国の景気に売上が左右されやすい。ただし今日の東京市場は先週の米ハイテク株安の影響が大きく、発表直後の11時3分時点でファナックは1.49%安、SMC は2.41%安、コマツは0.15%安、資生堂は0.11%安と、GDP の数字で個別に大きく動いた様子はない(Yahoo!ファイナンス)。日経平均は10時49分時点で806円(1.23%)安の6万4518円。上海総合指数は発表前の10時49分(現地9時49分)時点で0.30%安の3705だった(15分遅れの値)。原油を輸入する中国の輸入が24.6%増えていることは、ホルムズ海峡の緊張で110ドル近い原油(18日の記事)の需要側の材料でもある。

この先に見るのは四つ。第一に20日の中国の貸出基準金利(LPR)の月例の発表で、1年物3.0%・5年超3.5%が据え置かれるか。第二に21日の日本の9月の貿易統計で、対中輸出がどう動いたか。第三に決算で、ファナックが23日(Yahoo!ファイナンスの予定)、コマツが29日(コマツ IR カレンダー)に4〜9月期の決算を発表し、中国の受注の説明が聞ける。第四に、7〜9月期が目標下限の4.5%に届いたことで、追加の景気対策がどの程度出るか。ゴールドマン・サックスは事前に「4.5%を下回る四半期が2回続けば政策当局への圧力が高まる」としていたが(ロイターの事前調査)、結果はぎりぎり届いた。年間目標の達成に必要な10〜12月期の数字は下の「ヨリビケの見方」に整理した。

数字で見る

実質GDP 7〜9月期前年同期比 +4.5%(4〜6月期 +4.3%、1〜3月期 +5.0%)、前期比 +1.2%(前期 +0.9%)。予想 +4.4%/+1.1%(ロイター調査、Trading Economics)
1〜9月の GDP107兆1071億元、+4.6%。政府目標 4.5〜5%(国家統計局)
9月 鉱工業生産・輸出鉱工業生産 +5.5%(8月 +5.2%)、輸出 3兆344億元 +29.6%、輸入 +24.6%(国家統計局)
9月 小売売上高4兆2433億元 +1.1%(8月 +0.4%)、1〜9月 +1.1%。サービス消費 +5.0%、モノ +1.0%(国家統計局)
1〜9月 固定資産投資33兆4115億元 −7.2%(1〜8月と同じ)、不動産開発を除くと −4.2%、不動産開発投資 −20.6%、新築販売面積 −13.2%、中古成約面積 +10.7%(国家統計局)
9月 70都市 新築住宅価格前月比 下落49都市・横ばい4・上昇17、前年比 下落64都市(国家統計局、ヨリビケ集計)。北京 前月比 −0.2%、上海 +0.2%(前年比 +2.8%)
9月 物価・雇用CPI +0.9%(コア +1.0%)、PPI(出荷価格)+5.0%、都市部調査失業率 5.2%(−0.1pt)、7〜9月期の工業の設備稼働率 73.1%(国家統計局)
発表直後の市場(10/19)日経平均 10:49 −1.23%、上海総合 発表前10:49(現地9:49)−0.30%、ファナック 11:03 −1.49%、SMC 11:01 −2.41%、コマツ 11:03 −0.15%、資生堂 11:03 −0.11%(Yahoo!ファイナンス)
ヨリビケの見方1〜9月の成長率は4.6%なので、四半期の伸び率の単純平均でみると、10〜12月期が4.2%以上なら年間の平均が目標下限の4.5%に乗る(四半期の GDP の大きさが違うため厳密な計算ではない、ヨリビケの試算)。一方、固定資産投資は不動産開発を除くと4.2%減だが、不動産開発を含めると7.2%減で、落ち込みの3ポイント分は不動産が作っている。輸出の29.6%増と小売の1.1%増の差は28ポイント以上あり、外で売って内で売れない構図が、今回もそのまま数字に出た。

次に見るポイント

  • 20日(火)中国の貸出基準金利(LPR)の月例発表:1年物3.0%・5年超3.5%が据え置かれるか
  • 21日(水)日本の9月の貿易統計:対中輸出の動き
  • 23日(金)ファナック(Yahoo!ファイナンスの予定)、29日(木)コマツ(IR カレンダー)の4〜9月期決算:中国の受注の説明
  • 中国の追加の景気対策の有無:7〜9月期が目標下限4.5%に届いたあとの政策の動き
  • 10月31日(土)中国の10月の製造業 PMI:9月は50.1

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。