ファナック、今期の売上高予想を1兆137億円に上方修正 過去最高で初の1兆円台へ 中国を中心にAI・半導体向けの工作機械が好調、自社株買い500億円
ファナック(6954)は23日(金)の取引終了後、2027年3月期の売上高予想を従来の9481億円から1兆137億円に、純利益予想を1980億円から2283億円に引き上げた。これまでの最高だった前期の売上高(8579億円)を上回り、初めて1兆円を超える見込みだ。上限500億円の自社株買いも発表し、東証での最初の反応は26日(月)になる。
日向かなえ ・ 朝刊 05:33 ・ 2026年10月26日決算短信によると、4〜9月期の売上高は4737億円(前年同期比16.2%増)、営業利益は1167億円(35.7%増)、純利益は1126億円(41.0%増)だった。通期の予想は、売上高を6.9%、営業利益を2180億円から2407億円へ10.4%、純利益を15.3%引き上げた。ロイターによると、新しい純利益予想は、IBES がまとめたアナリスト19人の予想平均2063億円を上回る。中間配当は1株72円54銭(前年は51円33銭)とした(決算短信・ロイター)。
伸びの中心は中国だ。会社の説明資料は、中国で AI データセンター、半導体関連、人型ロボットの部品加工、新エネルギー車(NEV)向けの工作機械の需要が好調だとしている。工作機械の頭脳にあたる CNC 装置の FA 部門は売上高が15.4%増、小型の切削加工機などのロボマシン部門は中国を中心に31.2%増、ロボット部門は米州・国内・中国で12.6%増えた。ただし中国のロボットは、一般産業向けが好調な一方で、自動車産業向けは停滞したという(決算短信)。
7〜9月の受注は3060億円で、前年同期より49.0%多く、FA 部門は2.3倍(+130.1%)になった。地域別では中国が +79.8%、中国以外のアジアが +111.9%、国内が +54.3%(決算説明会資料)。AI への投資が、データセンターの建物や半導体だけでなく、部品を削る工作機械とその制御装置にまで広がっていることを示す数字だ。ファナックの CNC の主な顧客は工作機械メーカーで、短信は国内の工作機械メーカーの好調な外需も売上を押し上げたとしている。
株価は、23日の東証では5587円(−0.66%)で取引を終えた(株探・Yahoo!ファイナンス)。同じ日の東証33業種で機械は −1.42%と、下から5番目だった(株探・財経新聞)。発表後、株探によると私設取引システム(PTS)で急伸した。自社株買いは上限1000万株(自社株を除く発行済み株式の1.08%)・500億円で、26日から2027年4月30日まで東証で買う。下期の為替は1ドル150円、1ユーロ175円を前提にしており、期末配当は「公表が可能になった時点で」開示するとしている。
数字で見る
| 今期の売上高予想(10/23 修正) | 1兆137億円(従来 9481億円、+6.9%。決算短信・ロイター・株探) |
|---|---|
| 今期の純利益予想 | 2283億円(従来 1980億円、+15.3%、前期比+37.1%。決算短信・ロイター・株探) |
| 市場予想(純利益) | 2063億円(アナリスト19人の平均。ロイターが伝えた IBES の集計) |
| 4〜9月期の実績 | 売上高 4737億円(+16.2%)/純利益 1126億円(+41.0%)(決算短信・ビジネス+IT) |
| 7〜9月の受注(会社資料) | 3060億円(前年同期比 +49.0%、FA +130.1%、中国 +79.8%) |
| 自社株買い | 上限1000万株・500億円(10/26〜2027/4/30、市場買付。会社発表・ロイター・株探) |
| 23日の終値 | 5,587円(−37円、−0.66%。株探・Yahoo!ファイナンス) |
次に見るポイント
- 10/26(月)9:00 決算発表後、最初の東証の取引(23日終値 5,587円)
- 10/26(月)から 自社株買いの開始(上限500億円・1000万株、2027年4月30日まで)
- 下期の為替の前提(1ドル150円)と、実際のドル円(23日時点で156円台後半)の差
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