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速報 | 米国株

「AIクラウドの生き残りは7〜10社」と米報道 エヌビディアの支えを開示で読む

米メディアのThe Informationは18日、業界幹部の見方として、数百社ある「ネオクラウド」(借金でエヌビディアのGPUを買い、AI向けに貸す新興クラウド)のうち生き残るのは7〜10社で、エヌビディアが融資条件の緩和・用地探し・約200億ドルのデータセンターのリースで支えていると報じた。エヌビディア自身の四半期報告書(10-Q)にも、第三者に引き渡す予定の200億ドルのリースと、AIクラウド向けの360億ドルの契約が載っている。18日の記事で伝えたコアウィーブの社債の問題は、エヌビディアがどこまで支えるかの問題でもある。

桐生レオン ・ 特集 12:58 ・ 2026年10月19日
動画:Bloomberg Television「Nvidia CEO Downplays CoreWeave Concerns After Risk Gauge Soars」(英語) YouTube で見る

The Information(フィービー・リュー記者)は18日、関係者の話として、業界の幹部は数百社あるネオクラウドのうち生き残るのは7〜10社とみていると報じた。同記事の見出しによると、エヌビディアはこれらの会社を、融資条件の緩和、用地探しの手伝い、約200億ドルのデータセンターのリースで支えている(本文は有料で、ヨリビケはニュース集約サイトTechmemeに載った見出しと冒頭で確認した)。先週の市場では、18日の記事のとおりコアウィーブの社債の利回りが15%前後に上がり、株価は16日に11.91%安の61.39ドルで終えた。エヌビディアも16日は1.43%安の214.13ドルで、10月9日の229.28ドルから1週間で6.6%下げた(stockanalysisの時系列)。

「支え」の中身は、エヌビディアが8月に出した四半期報告書(7月26日締めの四半期、SEC提出)で確かめられる。まずデータセンターのリース。自社の開発・検証に使う分が250億ドル(2027年度第3四半期〜2033年度に開始、最長20年)とは別に、約15年・2028〜29年度に始まる200億ドルのリースがあり、エヌビディアは「これらのデータセンターのリースを第三者に引き渡す予定」と書いている。The Informationの200億ドルはこの数字と一致する。次にAIクラウドとの契約が360億ドル(2028年60億、29年80億、30年70億、31年60億、32年以降90億ドル)。AIクラウドがエヌビディアの設備を買い、エヌビディアがそのクラウドを使う約束をする仕組みで、クラウド側は容量を第三者に売ってもよく、その分だけエヌビディアの約束は減る。ほかに、AIモデル開発会社や設備の資金を出す会社への株式投資の約束が250億ドル、一部のAIクラウドのデータセンターの土地・電力・建屋に対する保証が最大35億ドル、8月にはソフトバンクグループ系のSBエナジーがOpenAI関連の顧客向けに進める建設への保証(上限1050億ドル)も加わった。

個別の案件では、英フィナンシャル・タイムズが7月、米テキサス州でHut 8が建てる1ギガワットのデータセンター「ビーコンポイント」の借り手はエヌビディアで、ネオクラウドに転貸する可能性があると報じた。Hut 8の開示では15年の基本契約で196億ドル、更新すれば最大502億ドルになる(ロイター)。エヌビディアは肯定も否定もしなかった。つまりエヌビディアは、GPUを売るだけでなく、建物を借り、容量を買う約束をし、株を持ち、保証を出すことで、借り手の信用を補っている。

波及は3方向にある。第一に、ネオクラウドが減っても、エヌビディアが約束したリースと容量の契約はエヌビディアに残る。コアウィーブは4〜6月期の開示で負債356億ドル、リース債務163億ドル、受注残1037億ドルで、売上の72%を上位3社(マイクロソフト、OpenAIなど)が占める(Fortune)。調査会社ガートナーは、2030年までにネオクラウドの約8割が独立した会社として消えるおそれがあるとしている(Finimize)。第二に、データセンターの建物と電力。Hut 8のようにビットコインの採掘からデータセンターに転じた会社や、土地・電力の保証を受ける側には、エヌビディアの信用が頼りになっている。第三に日本。SBエナジーの親会社であるソフトバンクグループ(9984)は19日午前、一時6.5%安の4622円まで下げ、11時30分時点で4.92%安の4701円だった(Yahoo!ファイナンス、フィスコ)。

この先見るのは、支えの数字が増えるか減るかだ。エヌビディアの次の四半期報告(例年11月下旬)で、AIクラウド向けの契約・リース・保証の額がどう変わるかが、ネオクラウドへの関与の度合いを示す。手前では、米国時間21日(日本時間22日朝)のテスラ、ラムリサーチ、テキサス・インスツルメンツの決算で、AI投資の勢いと資金繰りについて各社がどう語るか。コアウィーブの社債の利回りが15%前後から落ち着くかどうかも、18日の記事に続いて確かめたい。

数字で見る

The Information(10/18)生き残りは7〜10社(業界幹部の見方)。支援=融資条件の緩和・用地探し・約200億ドルのリース
エヌビディア 10-Q(7/26締め四半期)第三者に引き渡す予定のデータセンターのリース 200億ドル(約15年、2028〜29年度開始)。自社用のリースは別に250億ドル
同AIクラウドとの契約 360億ドル(2028年60億、29年80億、30年70億、31年60億、32年以降90億ドル)
同株式投資の約束 250億ドル、土地・電力・建屋の保証 最大35億ドル、SBエナジーへの保証 上限1050億ドル(8月)
Hut 8 テキサス 1GW(FT 7月報道、ロイター)15年で196億ドル、更新で最大502億ドル。エヌビディアは肯定も否定もせず
株価 10/16 終値(stockanalysis)エヌビディア 214.13ドル(−1.43%)、コアウィーブ 61.39ドル(−11.91%)
コアウィーブ 4〜6月期(Fortune)負債 356億ドル、リース債務 163億ドル、受注残 1037億ドル、上位3社で売上の72%
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、10-Qに載る第三者向けリース200億ドル、AIクラウド契約360億ドル、株式投資の約束250億ドル、土地・電力・建屋の保証35億ドルを足すと845億ドルで(SBエナジーの1050億ドルの保証は別)、エヌビディアの7月締め四半期の売上高962億ドルの約9割にあたる。先週1週間(10/9→10/16)の下げ幅は、エヌビディアが6.6%、コアウィーブが25.2%(82.08→61.39ドル)で、売りはGPUを売る側より借りて使う側に集中している。

次に見るポイント

  • 10/21(米国時間、日本時間22日朝) テスラ、ラムリサーチ、テキサス・インスツルメンツの決算。AI投資と資金繰りについての発言
  • コアウィーブの社債の利回り(15%前後)と株価が落ち着くか(18日の記事の続き)
  • エヌビディアの次の四半期報告(例年11月下旬)で、AIクラウド向けの契約・リース・保証の額がどう変わるか
  • ソフトバンクグループ(9984)の値動き(19日午前 −4.92%)と、SBエナジーへの保証の続報
  • 10/22 東証の投資部門別売買状況(10/12〜16の週)で、海外勢が日本株を売ったか

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動画:CNBC International「CoreWeaveの社債が急落。AI資金調達への影響とは?」 YouTube で見る
動画:CNBC Television「AI関連の負債懸念が拡大」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。