コアウィーブ株、1週間で25%安 借金約520億ドルに不安、日本の電線株にも波及
AI向けの計算設備を貸す米コアウィーブの株と社債が、先週大きく売られた。借入とリースを合わせて約520億ドルの借金に対し、金利の上昇や大口顧客への依存を心配する声が強まった。日本では15日、日経平均が歴代3番目の下げ幅を記録し、データセンター向けの電線株まで1割を超えて下げた。
神崎玲子 ・ 特集 07:05 ・ 2026年10月20日コアウィーブの株は米国時間14日、15.46%安の65.78ドルで終えた。きっかけは13日夜、ベンチャー投資家のチャマス・パリハピティヤ氏が、同社の2032年償還の社債の利回りが15%に触れたことを示す図をXに投稿し、イーロン・マスク氏が「yikes(うわっ)」と返したことだった。14日朝に発表された米国の9月の消費者物価は前年比3.7%上昇と、市場予想の3.6%を上回り、追加の利上げへの警戒も重なった。16日は11.91%安の61.39ドルで、前の週末からの1週間の下げは25.2%。ロイターは11か月余りで最悪の週と伝えた。19日はゴールドマン・サックスの格上げで高く始まったものの、61.12ドル(0.44%安)で終え、取引時間中には59.25ドルと52週の安値を更新した。
売られたのは株だけではない。4月に出した2031年10月償還・利率9.75%の社債は、米国時間15日に額面の80セントを割り込み、利回りは15.8〜16.2%(媒体で差)に上がった。額面の8割を下回ると、一般に「経営難の水準」とみなされる。社債が返せなくなるときに備える保険料(5年物CDS)は1000bp、つまり借りたお金の年10%を超えて過去最高となり、CNBCによると一時1140bpを上回った。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの担当者は、1000bp以上は一般に信用の悪化を示すと説明している。S&Pによる同社の格付けはB+で、投資適格に届かない水準だ。
不安の中身は3つある。1つ目は借金の大きさで、6月末の借入の元本は約356億ドル、データセンターのリース債務が163億ドル、合わせて約519億ドル(10-Q)。4〜6月期の純支払利息は6.40億ドルと、前年同期の2.4倍に増えた。今年の設備投資の計画は350〜390億ドルで、売上の計画124〜132億ドルの約3倍にあたる。2つ目は金利で、FRBは9月に利上げし、政策金利は3.75〜4.00%。物価が強いままなら、これからの借り換えや新しい借金が高くつく。3つ目は顧客の偏りで、4〜6月期の売上は上位3社で72%を占め、10-Qは重要な顧客としてマイクロソフトとOpenAIの名前を挙げる。一方で、受注残は約1040億ドルと前年の3倍を超え、売上の98%は使わなくても料金を払う契約だ。
影響は広がった。米国時間14日には、同じ「ネオクラウド」のネビウスが10.08%安、AI向けのデータセンターを広げるオラクルが8.83%安。電源・冷却装置のバーティブは週間で15.0%下げ、ナスダック総合も週間で4.5%安となった。日本時間15日の東京市場では、日経平均が3318円34銭安(4.90%安)の6万4425円95銭と、下げ幅は歴代3位。アドバンテストが14.96%安、キオクシアHDが12.32%安、ソフトバンクグループが9.33%安となった。目を引いたのは電線株で、古河電気工業が13.10%安、フジクラが12.69%安、住友電気工業が9.08%安。借金をする側ではなく、データセンターに電線や光ファイバーを納める側まで売られ、業種別では非鉄金属の下げが大きかった。
見方は割れている。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは米国時間15日、コアウィーブの財務は「日々強くなっている」と話し、この日の株価は5.94%高と4日ぶりに上げた。ゴールドマン・サックスは同19日、投資判断を「中立」から「買い」に引き上げる一方、目標株価は139ドルから106ドルに下げた。CNBCによると、ドイツ銀行は受注残の約3分の2が投資適格の相手との契約だとしている。逆に、D.A.デビッドソンのギル・ルリア氏は、AIへの投資の流れが変われば株式の価値はゼロもありうると、条件つきの厳しいシナリオを示した。この先は、大口顧客の決算でAIの設備への支出が続くかどうかと、FRBの判断が焦点になる。コアウィーブ自身の7〜9月期決算の日付は、まだ発表されていない。
数字で見る
| 10/14(米国時間)の株価 | 65.78ドル(−15.46%) |
|---|---|
| 1週間(10/9→10/16、米国時間) | 82.08→61.39ドル(−25.2%、ヨリビケ計算) |
| 10/19(米国時間)の終値 | 61.12ドル(取引時間中に52週安値59.25ドル) |
| 2031年10月償還・利率9.75%の社債(10/15、米国時間) | 利回り15.8〜16.2%(CNBC・ブルームバーグの価格で差)、額面の80セント割れ |
| 借入とリース(6月末、10-Q) | 借入元本 約356億ドル+リース債務 163億ドル=約519億ドル |
| 純支払利息(4〜6月期) | 6.40億ドル(前年同期 2.67億ドルの2.4倍) |
| 日経平均 10/15(日本時間) | 6万4425円95銭(−3318円34銭、−4.90%、下げ幅は歴代3位) |
次に見るポイント
- 10/21(米国時間)取引終了後、日本時間22日朝のメタの決算:AIの設備投資の計画
- 10/27〜28(米国時間)のFOMC、日本時間29日3時に決定:9月に続く利上げがあるか
- 10/28(米国時間)取引終了後のマイクロソフトの決算:コアウィーブの大口顧客の、AIの設備への支出
- 11月(日付は未発表、前年は11月10日)のコアウィーブの7〜9月期決算:受注残・利払い・資金の集め方
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出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



