コーエーテクモ、上期を一転増益に上方修正 営業外の稼ぎが本業を上回る
コーエーテクモホールディングス(3635)は19日16時、4〜9月期(上期)の業績予想を引き上げた。経常利益は従来の120億円から250億円へ2.1倍、純利益は90億円から180億円へ倍増し、減益の計画が前年同期比で一転して増益になる。上方修正分の大半は、ゲームの本業ではなく資産運用などの「営業外」の収支が生んだ。
白石ひかり ・ 特集 18:58 ・ 2026年10月19日
会社の発表(TDnet)によると、上期の売上高は340億円→370億円、営業利益は70億円→115億円、経常利益は120億円→250億円、純利益は90億円→180億円に修正した。前年同期と比べると、売上高は18%増、営業利益は44%増、経常利益は40%増、純利益は34%増になる(株探・日経も同じ数字を報じた)。4月の時点では、純利益は前年同期比33%減の見通しだった。一方、通期(2027年3月期)の予想は売上高900億円、営業利益320億円、経常利益420億円、純利益310億円のまま据え置いた。
修正の理由として会社は2つを挙げた。1つは、前年度に発売した大型タイトルと過去作(バックカタログ)の販売が好調だったこと。日経によると、3月に Nintendo Switch 2 向けに発売した『ぽこ あ ポケモン』が主な牽引役になった。もう1つは、金融市場を見ながらの資金の運用で、営業外の収支が計画を上回る見込みになったこと。日経は、有価証券の売却益や受取利息の増加に加え、円安も利益を押し上げたと伝えている(同社の7月時点の想定は1ドル=142円、19日夕方の東京市場は158円台=時事通信)。
コーエーテクモは、本業とは別に大きな金融資産を運用していることで知られる。7月に発表した4〜6月期でも、営業利益54億円に対して利息・有価証券・為替・デリバティブを含む営業外の収支が103億円あり、経常利益は157億円と前年同期の1.8倍だった。このため同社の経常利益と純利益は、ゲームの売れ行きだけでなく、株式や債券の相場、円相場にも左右される。ゲーム株でありながら、市場全体や為替の動きの影響を受けやすい銘柄という見方もできる。
19日の東証プライムでの終値は1,678円50銭(前日比3円50銭安)で、時価総額は約5,641億円。発表は取引終了後の16時で、夜間の私設取引(PTS)では18時39分時点で1,740円と、東証の終値を61円50銭(3.66%)上回った(Yahoo!ファイナンス、株探も同じ値)。翌日の東証での値動きとは一致しないことがある。
この先は、10月26日に予定されている上期の決算発表が最初の節目になる。上期の数字が出そろうほか、据え置いた通期予想を見直すかどうかが焦点。日経によると、会社は下期の主力タイトルの売れ行きと金融市場の状況を見極めてから判断する方針で、下期には『進撃の巨人3』(日経によると12月)、『Wo Long 2』(同3月)などの発売が控える。上期の数字は9月末までのもので、日経平均が週間で5%超下げた10月中旬の株安は含まれていない。
数字で見る
| 上期の経常利益(会社発表、10/19) | 120億円 → 250億円(+108%)。前年同期 177億9,500万円 |
|---|---|
| 上期の営業利益(同) | 70億円 → 115億円(+64%)。前年同期 79億6,400万円 |
| 上期の純利益(同) | 90億円 → 180億円(+100%)。1株利益 53円87銭 |
| 4〜6月期の実績(7/27発表の決算短信) | 営業利益 54億700万円、営業外の収支 103億1,100万円、経常利益 157億1,900万円 |
| 通期予想(4/27発表、据え置き) | 売上高 900億円、営業利益 320億円、経常利益 420億円、純利益 310億円。前期の経常利益は570億円 |
| 株価(10/19、Yahoo!ファイナンス・株探) | 東証終値 1,678円50銭(−3円50銭)。PTS 1,740円(18:39時点、+3.66%)。時価総額 約5,641億円(15:30時点) |
| 次の発表 | 10/26 上期(4〜9月期)の決算発表予定 |
次に見るポイント
- 10/26 上期の決算発表:営業外の収支の中身(有価証券の売却益・評価損益・為替差益)と、通期予想を見直すか
- 下期の新作:『進撃の巨人3』(日経によると12月)、『Wo Long 2』(同2027年3月)の発売と販売
- 10月の株安と円相場(19日夕方 1ドル=158円台)が、10〜12月期の営業外の収支にどう表れるか
出典
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