ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 10/20 更新
ヨリビケ
速報 | 為替・金利

高市首相、消費減税の財源に「国債否定せず」 法案は20日審議入り

高市首相は19日の参院予算委員会で、食料品の消費税を2年間下げる法案の財源について「国債の発行を否定するものではない」と答えた。これまでの「赤字国債に頼らない」という説明から踏み込んだと受け止められ、官房長官と首相本人が同じ日に「方針は変わらない」と打ち消した。財政への見方は円や長期金利に直結するため、20日に衆院で審議が始まる法案の財源の議論に市場の目が向いている。

白石ひかり ・ 特集 10:50 ・ 2026年10月20日
動画:TBS NEWS DIG:消費税減税法案めぐり財源などについて論戦 高市総理 国債発行「適切にコントロール」 YouTube で見る

時事通信と日経によると、首相は19日の参院予算委員会で、食料品の消費税減税の財源について「国債の発行を否定するものではない」と述べ、通年の国債発行額は「適切にコントロールする」と説明した。首相はこれまで、市場の信認を保つため特例公債(赤字国債)には頼らないとしていた。木原官房長官は同日の会見で、答弁は予算編成全体についてのもので「従来の政府の方針に変わりはない」と述べ、首相も19日夜にXで「趣旨が異なる形で伝わっている」として、消費減税に赤字国債を充てない方針は変わらないと投稿した。法案は20日の衆院本会議で審議入りする。

背景には、財源がまだ示されていないことがある。報道によると、法案は食料品の税率を8%から1%に下げ、来年4月から2年間続ける内容で、所得に応じた新しい給付と合わせて2年で約10兆円が必要とされる。答弁は、国民民主党の浜野喜史氏が「歳出を削って財源をつくれば減税の効果を打ち消しかねない」として、必要に応じた国債発行を求めた質問に答えたもの。日経によると、首相は財源の候補として、約9兆円の税外収入(うち約6兆円は使い道が決まっていない)や、過去5年平均で6兆円を超える税収の上振れを挙げた。首相は「高市円安」「高市高金利」との見方は「明確に否定する」と述べている。

市場の反応は今のところ限られている。財務省の国債金利情報では、19日の10年物の利回りは2.935%と前日から0.023ポイント低下し、30年物も4.028%と0.012ポイント下がった。フィスコも日本の10年債利回りが2.90%に低下したと伝えている。一方、円は20日午前に売られ、共同通信によると10時時点で1ドル=158円57〜58銭と前日比41銭の円安になった。共同は理由に中東情勢を受けた原油高と日本のインフレ加速への懸念を、フィスコは日米の金利差を意識したドル買いを挙げており、政府・日銀の為替介入への警戒もあるという。日経によると、今年1月20日には衆院選を前に与野党が消費減税など財政を広げる政策を掲げるなか、新発30年債の利回りが一時3.88%、40年債が4.215%とそろって過去最高を付けた。財源をどう説明するかは、債券市場が注目する点になる。

波及は意外なところにも出ている。持ち帰りの食料品が1%に下がっても、店内での飲食は10%のままで、テレビ朝日の報道ステーションは飲食店から懸念の声が出ていると伝えた。19日は首相が外食への支援を検討すると答弁し、ぐるなびが一時ストップ高まで買われた(終値は18%高、ヨリビケの19日昼刊・夕刊の記事)。一般に、長期金利が上がると銀行や保険は利ざやが広がりやすく、不動産やREITは借入の負担が重くなりやすい。円安が進めば、自動車など輸出企業の採算には追い風になる一方、食品や電力など輸入に頼る業種の費用は上がる。

この先は国会審議が焦点になる。時事通信によると、法案は21日以降に衆院財務金融委員会で審議され、政府・与党は11月上旬までの衆院通過を目指す。共同通信によると、会期末の12月12日までの成立を目指している。野党は、公明党が2年間で1人あたり8万円の給付、国民民主党が給付や住民税減税で年5万円程度の負担軽減を掲げる。23日には日本の9月の全国消費者物価、29〜30日には日銀の金融政策決定会合があり、物価と財政の両面から円と金利の動きが試される。

数字で見る

首相の答弁(10/19 参院予算委、時事・日経)減税の財源で「国債の発行を否定するものではない」「通年の国債発行額は適切にコントロール」
政府の説明(10/19、官房長官会見・首相のX)「従来の方針に変わりはない」。消費減税に赤字国債は充てない
法案の中身(ロイター・時事などの報道)食料品の消費税 8%→1%、来年4月から2年間。給付と合わせ2年で約10兆円
国債利回り(財務省、10/19)10年 2.935%(前日比−0.023)、30年 4.028%(−0.012)
米10年債利回り(米財務省、10/19)5.15%
円相場(共同通信、10/20 10:00)1ドル=158円57〜58銭(前日比41銭の円安)。フィスコによると午前の高値は158円60銭
日程(時事・共同)10/20 衆院本会議で審議入り → 11月上旬の衆院通過が目標 → 会期末 12/12
ヨリビケの見方米財務省と財務省の公表値からヨリビケが計算すると、19日の日米の10年金利の差は2.215ポイント(5.15%−2.935%)で、20営業日前より0.243ポイント広がった。過去1年(233営業日)の中では高いほうから30番目にあたる(範囲は1.657〜2.494ポイント)。19日は日本の利回りが下がり米国の利回りが上がったため、差は1日で0.083ポイント広がった。減税と給付にかかる約10兆円は、2年で割ると1年あたり約5兆円になる。

次に見るポイント

  • 21日以降:衆院財務金融委員会の審議で、財源と国債発行の扱いがどう説明されるか
  • 23日(金)8:30:日本の9月の全国消費者物価。インフレの加速が確かめられるか
  • 29〜30日:日銀の金融政策決定会合。植田総裁が長期金利と財政についてどう話すか
  • 財務省の国債入札の結果(応札倍率など)と、超長期債の利回り

関連する動画

動画:テレ東BIZ:食料品消費税減税の財源 高市総理「国債発行 否定せず」【モーサテ】 YouTube で見る
動画:ANNnewsCH:消費減税でも…外食は“10%”飲食店から懸念【報道ステーション】 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。