ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 10/27 更新
ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 政策

首相「能動的サイバー防御も選択肢」 被害公表の2社は一時1割前後安

政府は26日(月)、相次ぐ不正アクセスを受けてサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議を初めて開き、高市首相は攻撃元のサーバーを無害化する「能動的サイバー防御」も視野に入れると述べた。来週中に緊急対策をまとめる。27日の東京市場では、被害を発表したJoshinとギフティグループが一時1割前後下げ、セキュリティ関連株は銘柄によって明暗が分かれた。

白石ひかり ・ 特集 09:55 ・ 2026年10月27日
動画:TBS NEWS DIG:政府がサイバーセキュリティの関係閣僚会議を開催 高市総理「来週中をめどに緊急対策パッケージ」 YouTube で見る

会議は26日夕に首相官邸で開かれ、木原稔官房長官が議長を務めた。高市早苗首相は、攻撃元のサーバーに入り込んで無害化する措置も含め、あらゆる対処の手段から戦略的に選んで実行すると述べ、「能動的サイバー防御」の発動も選択肢になるとの考えを示した。あわせて、来週中をめどに緊急対策パッケージをまとめるとし、財政措置も含めた検討、被害を受けた企業への相談・支援体制の強化、国家サイバー統括室(NCO)を中心とした情報の集約と発信、同盟国・同志国と連携した攻撃主体の特定、高性能のAIを使った政府システムの弱点の点検の前倒しを関係閣僚に指示した。時事通信によると、能動的サイバー防御は今月から運用が始まっており、通信・金融・電力などの基幹インフラへの攻撃の兆しをつかんだときに、警察や自衛隊が攻撃側のサーバーに入って無害化するしくみだ。

背景には、この1週間あまりで大きな被害の発表が続いたことがある。GMOインターネットグループは、FXの自動売買向けに貸し出しているサーバー(お名前.com デスクトップクラウド、影響の可能性があるのは2万6739件)が不正アクセスを受け、攻撃者から5000万ドル(約80億円)を要求されたと明らかにしている。要求には応じない方針で、24日には政府機関に能動的サイバー防御の適用を要請した。26日夜の第7報では、攻撃者から27日(火)正午に顧客の情報を公開し、ランサムウェア攻撃を行うと予告されたと公表した。木原官房長官は、適用するかどうかについて、政府の対応を攻撃者に知らせることにもつながるとして明らかにしていない。

被害の発表はほかの業種にも広がった。家電量販のJoshinは26日、10月16日にネットワークの異常を検知し、会員情報(氏名・住所・電話番号・会員番号)が最大約600万件漏れた可能性があると発表した。クレジットカード情報は持っていないという。電子ギフト券「eギフト」を手がけるギフティグループは26日の取引終了後、子会社のシステムへの不正アクセスでeギフトが不正に発行され、約5億5000万円の特別損失を見込むと発表した。個人情報の漏えいは確認されておらず、売上高や営業利益への重大な影響はないとしている。

27日の株価には、被害を受けた側と守る側の両方に動きが出た。Joshinは一時9%超下げ、ギフティグループは一時12%安となって年初来安値を更新した。26日に15.65%下げたGMOインターネットグループは、27日は3%あまり上げて推移した(いずれも9時40分台、株探・Yahoo!ファイナンス)。セキュリティ関連では、セキュアヴェイル(東証スタンダード)が前日のストップ高に続いて27日も一時ストップ高の1703円まで買われ、網屋も5%高となった。一方、サイバーセキュリティクラウドは2〜3%安、トレンドマイクロとFFRIセキュリティは小幅な動きにとどまった。株探(MINKABU PRESS)は、首相の発言がサイバーセキュリティ関連株の追い風になっているとする一方、すでに急騰した銘柄が多く、利益確定の売りに押される銘柄も少なくないと伝えている。

この先の最初の節目は、GMOへの予告の期限とされる27日正午で、同社の続報が出るかが焦点になる。続いて来週中(11月2日の週)にまとまる緊急対策パッケージでは、財政措置の規模と、被害企業への支援や企業に求める対策の中身が示される見通しだ。個別の企業では、Joshinの決算発表が11月6日(金)に予定されており(Yahoo!ファイナンスの予定表)、不正アクセスの対応費用がどの程度業績に表れるかが見どころになる。ギフティグループは特別損失を10〜12月期に計上する見込みで、調査で影響の範囲が変われば追加で開示するとしている。

数字で見る

関係閣僚会議の初会合10/26(月)夕、首相官邸。議長は木原官房長官(時事通信・共同通信)
緊急対策パッケージ来週中をめどに取りまとめ、財政措置も含めて検討(時事通信・共同通信・テレ東BIZ)
GMOへの要求額5000万ドル(約80億円)、応じない方針。27日(火)12時に情報公開とランサムウェア攻撃の予告(GMO第7報・時事通信)
Joshin会員情報 最大約600万件が漏えいの可能性(10/26発表、INTERNET Watch・NHK)、27日に株価は一時9%超安(株探・Yahoo!ファイナンス)
ギフティグループeギフトの不正発行で特別損失 約5億5000万円の見込み(10/26発表、時事通信・株探)、27日は一時12%安で年初来安値(株探・Yahoo!ファイナンス)
GMOインターネットグループ株10/26 終値 3179円(−15.65%)、27日 9時40分台 3290円前後(+3%台)(株探・Yahoo!ファイナンス)
セキュアヴェイル株9/30 終値 298円 → 10/26 終値 1403円(ストップ高)、27日は一時ストップ高の1703円(株探・Yahoo!ファイナンス)
ヨリビケの見方セキュアヴェイルの株価は、9月30日の終値298円から10月26日の終値1403円まで約4.7倍になった。27日朝の時価総額は約126億円で、同じ時点のトレンドマイクロ(約1兆770億円)の約85分の1にあたる。10月20日には1日で27%下げる(ストップ安)など、上下の振れも大きい。GMOが要求された約80億円は、同社の27日朝の時価総額(約3520億円)の約2.3%にあたる(いずれも公表の数字からヨリビケが計算)。

次に見るポイント

  • 27日(火)12時:GMOへの攻撃者の予告の期限。同社の続報と、利用者への影響の有無
  • 来週中(11月2日の週):政府の緊急対策パッケージ。財政措置の規模と、企業への支援・求める対策の中身
  • 11月6日(金):Joshinの決算発表の予定日(Yahoo!ファイナンス)。不正アクセスの対応費用の扱い
  • ギフティグループの追加の開示:調査で影響の範囲が変わった場合

関連する動画

動画:TBS NEWS DIG(news23):相次ぐサイバー攻撃 eギフト不正発行、“身代金”要求のGMO、能動的サイバー防御の実効性 YouTube で見る
動画:ANNnewsCH:5.5億円分「eギフト」不正発行 ギフティグループが発表 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

次に読む