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川崎汽船、今期経常益を41%上方修正 押し上げたのは共同出資のコンテナ船会社

川崎汽船(9107)が23日(金)の取引終了後、今期(2027年3月期)の経常利益の予想を1350億円から1900億円へ40.7%引き上げた。増額の大半は、日本郵船・商船三井と共同で持つコンテナ船会社ONE(オーシャン ネットワーク エクスプレス)の好調によるもの。週明け26日(月)、日経平均が243円安で寄り付くなか、川崎汽船は1.1%高で始まった。

神崎玲子 ・ 特集 09:55 ・ 2026年10月26日
動画:大和証券グループ(公式)「10月26日(月)東京マーケット<寄り付き>」 YouTube で見る

会社の発表によると、通期の売上高の予想は1兆700億円から1兆1700億円(+9.3%)、営業利益は850億円から910億円(+7.1%)、経常利益と純利益はそれぞれ1350億円から1900億円(+40.7%)に引き上げた。経常利益は前期の1091億円から74.2%増える計算になる。4〜9月の上期も、経常利益を800億円から1180億円(+47.5%)に修正し、前年同期のほぼ2倍になる。報道各社(日本インタビュ新聞、ザイ・オンライン)によると、年間配当の予想は120円のまま据え置いた。

修正の理由は2つに分かれる。売上高と営業利益は、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船(ドライバルク)の市況が引き続き堅調と見込めるため。経常利益と純利益は、持分法で利益を取り込んでいるONEのコンテナ船事業で、貨物の需要と運賃の市況が前回(8月4日)の想定を上回ったため、と会社は説明している。ONE自身も8月4日、今期(4月〜翌3月)の純利益の見通しを3億ドルから9億ドルに引き上げており、そのときの4〜6月の平均運賃は1TEU(20フィートのコンテナ1個分)あたり1300ドルと、前の四半期の1154ドルから上がっていた。今回の修正は、その見通しを織り込んだ8月の予想を、さらに上回ったことになる。

ONEは、2017年に日本の海運大手3社がコンテナ船の事業を切り出して作った会社で、日本格付研究所(JCR)の資料では、持株会社の議決権比率は日本郵船38%、商船三井31%、川崎汽船31%。3社はいずれもONEを持分法の関連会社として、その利益を経常利益に取り込んでいる。今回、ONEの上振れを会社の予想に先に反映させたのは川崎汽船で、日本郵船と商船三井は26日午前の時点で業績予想の修正を開示していない(TDnet で確認)。26日の取引では、9時46分時点で日本郵船が1.37%高、商船三井が1.79%高と、3社がそろって上昇していた。

株価は、23日(金)の終値3326円に対し、同日夜のPTS(私設取引システム)で3415円(23時57分)、26日の東証では3364円で寄り付き、9時45分に3382円(+1.68%)をつけた(Yahoo!ファイナンス。株探では9時31分に+1.80%)。時価総額は約2兆円。新しい1株利益の予想316.46円に対し、3382円は約10.7倍にあたる。

この先は、11月4日(水)の川崎汽船の上期決算で、ONEからの利益の中身と、配当を据え置いたままの株主還元の考え方が示されるかが注目になる。続いて11月5日(木)に日本郵船、11月9日(月)に商船三井が上期の決算を発表する予定で、ONEの好調を各社がどう業績予想に反映させるかが分かる。中東情勢をめぐって原油や運賃が動きやすい状況も続いている。

数字で見る

今期の経常利益の予想1350億円 → 1900億円(+40.7%、前期 1091億円)(会社発表 10/23)
今期の営業利益の予想850億円 → 910億円(+7.1%)
今期の売上高の予想1兆700億円 → 1兆1700億円(+9.3%)
上期(4〜9月)の経常利益の予想800億円 → 1180億円(+47.5%、前年同期 597億円)
年間配当の予想120円で据え置き(日本インタビュ新聞・ザイ・オンライン)
ONEの議決権比率日本郵船 38%・商船三井 31%・川崎汽船 31%(JCR)
10/26 9:45ごろの株価川崎汽船 3382円(+1.68%)、日本郵船 +1.37%、商船三井 +1.79%(9:46)
ヨリビケの見方会社の数字からヨリビケが計算すると、経常利益と営業利益の差(主にONEの持分法による利益などの営業外の損益)は、前回の予想の500億円から今回は990億円へほぼ倍になった。経常利益の増額550億円のうち490億円、約9割がこの部分で、自社の船の本業(営業利益)の増額は60億円にとどまる。下期(10〜3月)の経常利益は、通期1900億円から上期1180億円を引いた720億円の計画で、上期の約6割にあたる。また、配当120円を据え置いたため、新しい1株利益の予想316.46円に対する配当性向は約38%と、前回の予想(220.79円)での約54%から下がった。

次に見るポイント

  • 11月4日(水)川崎汽船の上期決算:ONEからの利益の中身と、株主還元の方針
  • 11月5日(木)日本郵船の上期決算:ONE(議決権38%)の好調を業績予想にどう反映させるか
  • 11月9日(月)商船三井の上期決算(12時の予定)
  • コンテナ船とばら積み船の運賃の動き、中東情勢と原油価格

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動画:川崎汽船(公式)「2026年度第1四半期決算説明 業績予想と中期経営計画の進捗」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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