鉄鋼が業種別の上昇首位、日本製鉄2%高 米クリフス16%高が追い風
20日の前引け時点で、東証33業種のうち上がったのは5業種だけで、鉄鋼が0.85%高で首位だった(株探の集計)。日本製鉄は12.9円(1.98%)高の663.8円。19日の米国で鉄鋼大手クリーブランド・クリフスが好決算を受けて16%上げた流れを引き継いだ。
桐生レオン ・ 昼刊 11:49 ・ 2026年10月20日
日本製鉄は656.0円で寄り付き、9時5分に670.2円(2.96%高)まで上げ、前引けは663.8円だった(株探・Yahoo!ファイナンス)。JFEホールディングスは一時1749.5円(1.92%高)まで上げたが、前引けは0.35%高の1722.5円。株探の業種別の集計(11時31分)では、上がったのは鉄鋼(+0.85%)、その他製品(+0.54%)、精密機器(+0.23%)、医薬品(+0.22%)、食料品(+0.05%)の5業種だけで、鉄鋼の上昇率の上位は日本製鉄・中部鋼鈑・JFEだった。
きっかけは米国の鉄鋼市況だ。19日に7〜9月期決算を発表したクリーブランド・クリフスは、調整後EBITDA(利払い・税・償却前の利益)が6億1200万ドルと会社の見通しを上回り、1トンあたりの平均販売価格は1177ドルと4〜6月期の1124ドルから上がった(同社のSEC届け出)。株価は16.34%高の14.10ドルで終えた(株探・Yahoo Finance、朝刊の記事)。日本製鉄は2025年6月にUSスチールを傘下に収めており、米国の鋼材価格はその採算に関わる。
お金の流れの変化もある。株探は、AIインフラ関連に逆風が強まるなかで、出遅れていた鉄鋼株に資金が移る動きが表れていると伝えた。同じ記事で紹介された中堅証券のストラテジストは、米国の鋼材市況が高い関税の影響もあって約4年半ぶりの高値圏にあること、国内市況にも底入れの兆しがあること、鉄鋼株は配当利回りが高く金利上昇にも比較的強いことを挙げている。
意外なところでは、AI投資が鉄骨の需要の話としても出ている。電炉大手の東京製鐵は19日、11月契約の販売価格を全品種で1トン3000円引き上げると公表した。理由に中東情勢を受けた燃料・電力・資材の値上がりを挙げる一方、データセンターや半導体工場向けの大型投資が計画されており、中長期で鉄骨の需要が高まるとの見方を示した(同社の市況情報)。AI投資への不安で電線株が売られた同じ朝に、AI関連の建物に使う鋼材は需要の支えとして語られている。東京製鐵の株価は0.23%高の1710円だった(株探)。
この先は、日本製鉄が11月5日に予定する決算で、USスチールを含む海外事業の数字が示される(株探)。米国の鋼材価格と輸入の量、国内の鋼材メーカーの値上げがどこまで通るかが、鉄鋼株の手がかりになる。
数字で見る
| 日本製鉄(5401)前引け(10/20 11:30) | 663.8円(+12.9円、+1.98%) |
|---|---|
| 日本製鉄 前場の高値 | 670.2円(9:05、+2.96%) |
| 鉄鋼業種(10/20 11:31、株探) | +0.85%(33業種で上昇は5業種、上昇率首位) |
| JFEホールディングス(5411)前引け | 1,722.5円(+0.35%)、高値 1,749.5円(9:05) |
| クリーブランド・クリフス 終値(10/19 米国) | 14.10ドル(+16.34%) |
| クリフスの平均販売価格(7〜9月期) | 1トン1,177ドル(4〜6月期 1,124ドル、同社発表) |
| 東京製鐵 11月契約(10/19 公表) | 全品種 1トン3,000円の値上げ(同社) |
次に見るポイント
- 20日(火)後場 鉄鋼株の上げが続くか
- 11月5日 日本製鉄の決算(USスチールを含む海外事業の数字)
- 米国の鋼材価格と輸入の量、国内の鋼材の値上げの浸透
出典
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