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ボーイング株、10.69%安の168.18ドル 7〜9月期の赤字が市場予想より大きく、737の月52機への増産は2027年後半に 2020年6月以来の下げ幅

米ボーイングの株価は、米国時間27日(火)、前日比20.13ドル(10.69%)安の168.18ドルで取引を終えた。同日発表した7〜9月期決算で、特別な項目を除いた1株あたりの赤字(コア損失)が市場予想より大きく、主力の小型機「737」を月47機から52機に増やす時期を2027年後半と示した。

日向かなえ ・ 朝刊 05:25 ・ 2026年10月28日
動画:CNBC Television「Boeing CEO Kelly Ortberg: The uncertainty in our financial performance is narrowing」(10/27、決算の日のCEOインタビュー) YouTube で見る
ボーイング 終値 168.18ドル(10/27)
-10.69%
前日比 20.13ドル安

会社の発表によると、7〜9月期の売上高は241億8800万ドルで前年同期比4%増、最終損益は1億1600万ドルの赤字だった。前年同期は777Xの認証の遅れなどで53億3900万ドルの赤字だったので、赤字の幅は大きく縮んでいる。一方、特別な項目を除いた1株あたりの損失(コア損失)は0.34ドルで、Yahoo Finance が伝えたブルームバーグ集計の市場予想(0.21ドルの損失)、Investopedia が伝えた Visible Alpha 集計の予想(0.20ドルの損失)を、ともに下回った。民間機部門は売上高107億2000万ドル(3%減)、営業損益は6億9700万ドルの赤字だった。

株価を大きく下げたのは、数字よりも先の見通しだ。AFP によると、オルトバーグ最高経営責任者(CEO)は、737の生産をまず月47機で安定させるのに来年までかかり、月52機に上げるのは2027年後半になるとの見方を示した。そのうえで「どの月に生産のペースを上げるかより、正しく上げることのほうが大事だ」と述べ、主翼の生産の安定と、米カンザス州での胴体の生産を課題に挙げた(AFP)。AFP は、株価は決算の発表そのものではあまり動かず、生産と現金の見通しが示された後に下げが広がったと伝えている。みんかぶ(MINKABU PRESS)も、民間航空機部門の赤字が予想以上に広がったうえ、決算説明会で通期の航空機の引き渡し目標を引き下げたことが下げを加速させた模様だと伝えた。Yahoo Finance によると、1日の下げとしては2020年6月以来の大きさだった。

影響は、まずダウ平均に出た。ボーイングはダウの構成銘柄で、ダウは株価の大きさがそのまま効く計算のため、20ドルを超える下げは指数を押し下げる方向に働く。この日のダウ平均は15.99ドル(0.03%)高の5万2377.57ドルと、ほぼ横ばいだった(AP・Yahoo Finance・みんかぶ)。日本では重工業が関係する。中型機787では、三菱重工業が主翼、川崎重工業が前部胴体、SUBARU が中央翼を手がけ、機体の構造の約35%を日本企業が作っている(Aviation Wire、日刊工業新聞の報道を載せたニュースイッチ)。ただし、今回遅れが示されたのは737で、会社の発表では787は月8機で安定している。ボーイングの株価が動いたのは東京の取引が終わった後で、日本の関連銘柄にとっては28日(水)の取引が決算後で最初になる。

この先は、生産と引き渡しのペースが焦点になる。受注残は過去最高の7450億ドル(民間機は6300機超)と、需要の側には問題が出ていない(会社の発表・Yahoo Finance)。10月には737の大型版「737-10」が米連邦航空局(FAA)の型式証明を受け、大型機777-9の最初の引き渡しは2027年の予定を維持した(会社の発表)。Yahoo Finance は、10月の引き渡しの数字が来月発表され、737が月47機のペースを保てるかが確かめられると伝えている。

数字で見る

ボーイング(BA)終値(10/27)168.18ドル(−20.13ドル、−10.69%。Yahoo Finance・CNBC・みんかぶ)
7〜9月期 売上高/最終損益241億8800万ドル(+4%)/1億1600万ドルの赤字(前年同期は53億3900万ドルの赤字)(会社の発表・AFP)
1株あたりのコア損失0.34ドル(会社の発表)。市場予想は0.21ドルの損失(ブルームバーグ集計、Yahoo Finance)、0.20ドルの損失(Visible Alpha 集計、Investopedia)
民間機部門(7〜9月期)売上高 107億2000万ドル(−3%)、営業損益 6億9700万ドルの赤字、引き渡し161機(うち737は124機)(会社の発表)
737の生産計画まず月47機で安定(来年までかかる見込み)、月52機は2027年後半(AFP・Investopedia・Yahoo Finance)
受注残/フリーキャッシュフロー過去最高の7450億ドル/4億6400万ドル(会社の発表・Yahoo Finance)
787の日本企業の分担三菱重工=主翼、川崎重工=前部胴体、SUBARU=中央翼。構造の約35%(Aviation Wire・ニュースイッチ)。787は月8機で安定(会社の発表)
ヨリビケの見方7〜9月期の737の引き渡し124機は、1か月あたり約41機。会社が「まず安定させる」とした生産のペース月47機より約6機少なく、目標の月52機とは約11機の差がある(引き渡しと生産は同じではないが、会社の発表の数字からヨリビケ計算)。民間機部門の赤字6億9700万ドルは、同じ四半期のサービス部門(BGS)の営業利益10億1900万ドルの約7割にあたる。

次に見るポイント

  • 10/28(水)の東京市場:787の部品を作る三菱重工・川崎重工・SUBARU の値動き
  • 11月に出る10月の引き渡しの数字:737が月47機のペースを保てるか
  • 777-9の型式証明と、2027年の最初の引き渡しの予定

関連する動画

動画:Boeing 公式「Boeing 737-10 Certified by the Federal Aviation Administration」(10月、737-10の型式証明) YouTube で見る
この話題を伝えた動画今日の1分朝刊(10/28)日向かなえ

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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