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アドバンテストってどんな会社? 日経平均の1割を占める半導体の「試験官」、27日は1社で602円押し上げ あす28日に決算

27日(火)の日経平均は1078円高の6万3268円で取引を終えたが、上げ幅のうち約602円はアドバンテスト(6857)1社の分だった(株探)。名前はよく聞くこの会社は、半導体が設計どおりに動くかを出荷前に電気で確かめる「試験官」の装置をつくり、日経平均の重さの約1割を占める。28日(水)15時30分の決算を前に、どんな会社なのか、何を見ればいいのかをまとめた。

日向かなえ ・ 特集 16:08 ・ 2026年10月27日
動画:Advantest(公式)「Advantest Corporate Theme Video 2026(アドバンテスト 企業テーマビデオ 2026)」 YouTube で見る

アドバンテストの27日の終値は3万3860円で、前日(26日)の3万1070円から2790円(8.98%)上がった(株探、Yahoo!ファイナンス)。株探によると、日経平均の上げ幅1078.72円のうち601.93円がアドバンテスト1社による押し上げで、225社の中でトップ。2位のソフトバンクグループ(170.71円)、3位の東京エレクトロン(141.58円)を大きく引き離した。株探に載ったフィスコの記事は、前日の米国で半導体株の指数(SOX指数)が2.8%上がったことと、米アンソロピックが新規株式公開(IPO)に向けた目論見書を公開したことを材料に挙げた。MINKABU PRESSの記事は、3営業日で3300円以上下げたあとの買い戻しと、28日の決算発表を前にした買いを挙げている。

では、何をつくっている会社なのか。ひとことで言えば、半導体の「試験官」だ。チップに電気信号で問題を出し、返ってきた答えを期待値と照らし合わせて、合格・不合格を決める装置(テスター)をつくる。会社によると、半導体づくりの1000を超える工程のうち、電気信号で確かめるのはテストだけだという。回路をつくる装置の東京エレクトロン、ウエハーを切る・削る装置のディスコとは役割が違い、アドバンテストは「できあがったチップが本当に動くか」を電気で確かめる側にいる。会社の推計では、計算用のチップ(SoC)の試験装置で世界シェアは66%(2025年)。最大のライバルは米テラダインだ。

伸びた理由はAIにある。AI用のチップは、計算用のチップと高価なメモリーを何枚も重ねて1つにまとめるため、1つの不良が全体をむだにしかねない。米テラダインの技術ブログや、アドバンテストのラフィーバCEOの7月の決算説明会での発言によると、重ねる前・途中・後と試験の回数が増え、試験の中身も増え続けている。アドバンテストの担当者が米専門誌エレクトロニック・デザインに寄せた記事では、AI用などのチップの完成品に近い形での試験は、1個30分から2時間を超えることもある。ただ、会社の歩みは平坦ではなかった。1954年にタケダ理研工業として創業し、会社によると1972年に国産初の半導体試験装置を出した。ITバブルの2001年3月期に売上高2622億円と当時の最高を記録したが、翌期は952億円に落ち込み、リーマン・ショック後の2009年3月期は売上高767億円、749億円の赤字だった(米証券取引委員会〈SEC〉に出した年次報告書)。転機は2011年に米ベリジーを約11億ドル(約909億円)で買ったこと。1999年に米HPが「HP 93000」として発表した装置が、いまAI用チップの試験の主力「V93000」になっている。

業績と株価は、この10年で別の会社のように変わった。営業利益は2016年3月期の126億円から2026年3月期の4991億円へ約40倍、売上高は1621億円から1兆1286億円へ約7倍になった(統合報告書、決算短信)。会社によると売上の97.8%は海外向けで、有価証券報告書によると売上の約2割はエヌビディア向けだ。株価は株式分割を調整すると、2012年1月16日(月)の取引中の安値167.75円から、2026年10月7日(水)の取引中の最高値4万1990円まで約250倍になった(配当は含まない。Yahoo!ファイナンス、株探)。ITバブルのころの1999年12月の高値(調整後3492.5円)を超えたのは2023年5月で、20年以上かかったことになる。1株の値段が高いぶん日経平均の中での重さも大きく、日経の公式データでは9月30日時点の構成比率が12.39%と225社で1位。上限のルールが強まった10月以降も、26日(月)時点で約10.8%(ヨリビケ計算)と、日経平均の約1割をこの1社が占める。15日(木)には1日で14.96%下げ、それだけで日経平均を1303円押し下げた(株探)。

アドバンテストの営業利益の棒グラフ:2016年3月期126億円から2026年3月期4991億円へ約40倍、今期の会社予想は8460億円
営業利益は10年で約40倍(今期は会社の予想。出典:アドバンテスト・株探・IRBANK、ヨリビケ作成)(タップで拡大)
アドバンテストの株価(月末の終値、株式分割を調整)の推移:2012年1月の安値167.75円から、2023年5月にITバブルの高値を超え、10月27日の終値は3万3860円
株価の歩み(株式分割を調整。出所:Yahoo!ファイナンス・株探、ヨリビケ作成)(タップで拡大)

この1か月は、値動きがとくに大きかった。7月29日(水)の決算で会社が通期の予想を大きく引き上げたあと、株価は2日で約29%上がり、10月7日に最高値をつけた。15日の急落は、米国の9月の消費者物価が予想を上回って利上げの観測が強まったこと、米データセンター運営のコアウィーブの社債が急落してAI投資の資金への不安が広がったこと、米国の半導体株の大幅安が重なったため(株探)。26日の終値3万1070円は最高値より約26%低く、27日に大きく反発した。決算は28日(水)15時30分、東証の取引が終わるのと同時に発表され、株価の反応は29日(木)の取引に出る。会社は7月に、7〜9月期の売上高を4345億円、営業利益を2245億円(前年同期の約2.07倍)と見込んでいた。株予報(IFIS)によると、10月26日時点で今期(2027年3月期)の営業利益の市場予想の平均は8863億円で、会社予想の8460億円を上回っている。一方で会社は、有価証券報告書で上位5社が売上の約半分を占める顧客の集中を、7月の説明会では装置に多く使うメモリー(DRAM)の値上がりがコストを押し上げる点を、自ら挙げている。

数字で見る

アドバンテストの終値(10/27)3万3860円、前日比+2790円(+8.98%)(株探、Yahoo!ファイナンス)
日経平均への寄与(10/27)+601.93円で1位。日経平均は1078.72円高の6万3268.37円(株探)
日経平均の中の重さ12.39%で1位(9/30、日経の公式データ)/約10.8%(10/26、ヨリビケ計算)
株価の歩み(株式分割を調整)167.75円(2012/1/16の安値)→ 4万1990円(2026/10/7の最高値)=約250倍(Yahoo!ファイナンス、株探)
営業利益126億円(2016年3月期)→ 4991億円(2026年3月期)=約40倍(統合報告書、株探)
7〜9月期の会社の見通し(7/29)売上高4345億円、営業利益2245億円(決算説明会資料)
過去4回の決算の翌営業日(終値の前日比)2025/10/29 +22.08%、2026/1/29 +5.17%、4/28 −5.56%、7/30 +10.85%(株探)
ヨリビケの見方27日の日経平均の上げ幅1078.72円のうち、55.8%がアドバンテスト1社の分だった(601.93÷1078.72、ヨリビケ計算)。日経平均の計算に使う係数と除数から計算すると、アドバンテストの株価が1000円動くと日経平均は約216円動く。株式分割を調整した2012年1月16日の終値169.75円と比べると、27日の終値3万3860円は約200倍にあたる。

次に見るポイント

  • 10月28日(水)朝(日本時間):米テラダインの7〜9月期決算(米国時間27日の引け後)。同じ試験装置のライバルの数字と見通し
  • 10月28日(水)15:30:アドバンテストの7〜9月期決算。営業利益が会社の7月の見通し2245億円と比べてどうか、通期の予想(営業利益8460億円)を変えるか
  • 10月29日(木):決算を受けた最初の取引。アドバンテストの日経平均への寄与もあわせて

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出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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