日東電工、年間配当を64円から72円に増額 上限500億円の自社株買いも 上期の営業益12%増、AIデータセンター向けの部材が伸びる
日東電工(6988)は27日(火)の引け後、今期の年間配当の予想を64円から72円に引き上げ、500億円(1700万株)を上限に自社株買いをすると発表した。同時に出した4〜9月期の決算は、営業利益が前年同期比12.0%増の1058億円。AIデータセンター向けの部材の需要が伸びた。
御堂聡一 ・ 夕刊 16:08 ・ 2026年10月27日決算短信によると、4〜9月期の売上収益は5583億円(+8.7%)、営業利益は1058億円(+12.0%)、親会社の所有者に帰属する中間利益は765億円(+11.0%)だった(会社の開示・株探)。通期の予想(売上収益1兆1100億円、営業利益2000億円、純利益1420億円)は据え置き、営業利益の進み具合は52.9%(ヨリビケ計算)。配当は中間を36円(従来予想32円)とし、期末も36円に引き上げて、年間72円(前期60円)とした(会社の開示・株探)。
自社株買いは、上限が1700万株(自己株式を除く発行済株式総数の2.58%)または500億円で、期間は11月4日(水)から2027年3月24日(水)まで(会社の開示)。会社は理由を、株主還元の充実とROE(自己資本利益率)の向上としている。10月20日(火)には自己株式1547万株あまりを消却したことも明らかにした。
伸びた中身を見ると、テープなどのインダストリアルテープの営業利益が51.3%増えた。決算短信は、AIデータセンターの需要拡大を背景に、半導体メモリやセラミックコンデンサーをつくるときに使う工程用の材料が伸びたとしている。データセンター向けの大容量ハードディスクの部品(CIS)も好調だった。一方、光学フィルムなどのオプトロニクスは営業利益が4.1%減。メモリ半導体の値上がりで顧客がノートパソコンやタブレットの生産を調整し、その向けの需要が大きく減った。AIの投資がメモリの値段を通じて、別の製品の部材には逆風になった形だ。
円安も利益を押し上げた。上期の平均は1ドル160.5円で前年より9.6%の円安になり、営業利益で196億円の増益要因になったと会社は説明している。株価は発表前の取引で8円(0.22%)安の3600円だった(株探・Yahoo!ファイナンス)。発表を受けた値動きは28日(水)の取引から反映される。
数字で見る
| 4〜9月期 売上収益 | 5583億円(前年同期比+8.7%、決算短信・株探) |
|---|---|
| 4〜9月期 営業利益 | 1058億円(+12.0%)。通期予想2000億円(据え置き)の52.9%(決算短信・株探、進み具合はヨリビケ計算) |
| 年間配当の予想 | 64円 → 72円(中間36円・期末36円。前期60円)(会社の開示・株探) |
| 自社株買い | 上限1700万株(自己株式を除く発行済株式総数の2.58%)・500億円、11/4〜2027/3/24(会社の開示) |
| 部門別の営業利益(4〜9月) | インダストリアルテープ 358億円(+51.3%)、オプトロニクス 740億円(−4.1%)、ヒューマンライフ 10億円(前年同期は16億円の赤字)(決算短信) |
| 為替の影響 | 1ドル160.5円(前年同期比9.6%円安)、営業利益で196億円の増益要因(決算短信) |
| 27日(火)の終値(発表前) | 3600円(−8円、−0.22%。株探・Yahoo!ファイナンス) |
次に見るポイント
- 10/28(水)の株価の反応(増配・自社株買いと、据え置いた通期予想)
- 11/4(水)から始まる自社株買いの進み具合(毎月の開示)
- メモリ価格の高止まりが、ノートパソコン・タブレット向けの光学フィルムの需要にどこまで響き続けるか(次の決算で)
出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









