ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 10/31 更新
ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 中国経済 | 2026年10月31日 10:49

中国の10月製造業PMI、予想外の50割れ 49.3で7月以来の低さ

中国の国家統計局と中国物流購買連合会は31日(土)、10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.3だったと発表した。9月の50.1から0.8ポイント下がり、景気の良し悪しの境目の50を再び下回った。ロイターが事前にまとめたエコノミスト23人の予想の中央値は50で、これを0.7ポイント下回った。ハイテクや装備の製造業は50を上回った一方、消費財や素材、中小企業の落ち込みが目立った。

発表は日本時間31日10時30分(北京時間9時30分)。製造業PMIを形づくる指数のうち、生産は49.8(前月比1.9ポイント低下)、新規受注は49.4(1.1ポイント低下)と、どちらも50を割った。非製造業の商務活動指数は49.7(0.5ポイント低下)、製造業と非製造業を合わせた総合PMIの産出指数は49.7(1.0ポイント低下)で、統計局は「企業の生産・経営活動は全体として鈍った」とまとめている。PMIは企業の購買担当者への毎月の調査から作る指数で、50を上回れば前月より良くなった、下回れば悪くなったと答えた企業が多いことを示す。調査対象は製造業が3200社、非製造業が4300社。

下がった理由について、統計局の霍麗慧・首席統計師は、10月1日からの国慶節の連休の前に一部の需要が前倒しで出たことと、国際環境の不確かさを挙げた。中国物流購買連合会の文韬氏の分析はもう少し具体的で、①海外のクリスマス向けの注文が9月に集中した反動で、新規輸出受注が48.7(1.3ポイント低下)に下がった、②連休の消費の山が過ぎ、消費財の製造業の新規受注が3ポイント超下がって49を割った、③素材の業種が閑散期に入った、の3つを挙げている。同氏は、例年この時期は季節の要因で指数が下がりやすいとも書いている。

中身を分けて見ると、同じ製造業の中でも動きは二つに分かれる。ハイテク製造業のPMIは51.3、装備製造業は50.6で50を上回ったのに対し、消費財は48.8(1.9ポイント低下)、エネルギーを多く使う業種は47.3(0.7ポイント低下)だった。業種別では、鉄道・船舶・航空宇宙の機器と、コンピューター・通信・電子機器の生産と新規受注が53以上だった一方、繊維、非金属の鉱物製品、非鉄金属の精錬・加工は50を下回った(統計局)。物流購買連合会によると、装備とハイテクの生産指数は27か月続けて50を上回っている。会社の大きさでも差が出ており、大企業は50.2で50を保ったが、中堅は48.4、小企業は47.5まで下がった。

波及は値段と建設にも出ている。原材料の仕入れ価格の指数は56.8(4.0ポイント低下)、出荷価格は51.7(2.3ポイント低下)で、統計局は一部の非鉄金属などの値下がりを理由に挙げた。一方で、原油高が続く中、石油・石炭の加工や化学繊維・ゴム・プラスチックの業種では、二つの価格指数がともに60を超えている。非製造業では建設業の商務活動指数が48.0(2.3ポイント低下)、建設業の新規受注は40.0と前月から5.7ポイント下がった。鉄鋼やセメント、建設機械の需要にかかわる数字だ。意外なところでは、サービス業の多くの業種が上向いたのに、金融業だけが大きく下がり、これがサービス業全体(50.0、0.2ポイント低下)を押し下げた主な理由になった(統計局)。資本市場のサービス、保険、不動産は50を下回っている。東京市場は土曜で休みのため、日本株への反応が出るのは2日(月)以降になる。中国向けの売上が大きい日本の機械・電子部品・素材の会社にとっては、自社の製品が「ハイテク・装備」と「消費財・素材」のどちらに近いかで、この数字の意味が変わる。

この先は、2日(月)に民間の調査会社によるRatingDog製造業PMIが出る。ロイターの調査では予想は51.6で、9月は52.1だった。公式の数字とは調べる企業の顔ぶれが違い、民間の調査は輸出の多い民間企業の比重が大きいとされる。3日(火)は文化の日で東京市場は休み。物流購買連合会の文韬氏は11月について、地方の特別債の発行が進んで装備や鉄鋼の需要が出ること、ネット通販のセール、AI関連の需要が支えになるとする一方、気温が下がって一部の業種が落ち着き、回復の余地は大きくないかもしれないとも見ている。

数字で見る

製造業PMI(10月)49.3(9月50.1、−0.8ポイント)。50割れは7月(49.2)以来(国家統計局、10/31発表)
市場予想50(ロイター調査、エコノミスト23人の中央値、10/30)
生産/新規受注/新規輸出受注49.8(−1.9)/49.4(−1.1)/48.7(−1.3)(国家統計局)
会社の大きさ別大企業50.2/中堅48.4/小企業47.5(国家統計局)
業種のまとまり別ハイテク51.3/装備50.6/消費財48.8/高エネルギー消費47.3(国家統計局)
非製造業・建設業非製造業の商務活動49.7(−0.5)、建設業の新規受注40.0(−5.7)(国家統計局)
価格の指数原材料の仕入れ56.8(−4.0)、出荷51.7(−2.3)(国家統計局)
ヨリビケの見方製造業PMIは5つの指数に重みをかけて作る(新規受注30%、生産25%、雇用20%、納期15%(逆向きに計算)、原材料在庫10%)。10月の値で計算し直すと49.26で、発表の49.3と合う。前月からの0.8ポイントの低下を分けると、生産の低下が約0.48ポイント(約6割)、新規受注の低下が約0.33ポイント(約4割)で、雇用は横ばい、納期と在庫はほぼ影響していない。水準では、49.3は7月(49.2)以来3か月ぶりの低さ、新規輸出受注48.7は5月(48.6)以来、受注残44.1は2月(44.0)以来の低さ。2025年11月からの12か月で50を上回ったのは5か月だけだった。大企業と小企業の差は2.7ポイントで、9月の1.7ポイントから広がった。仕入れと出荷の価格指数の差は5.1ポイントで、9月の6.8ポイントから縮んだ。いずれも統計局の表からのヨリビケ計算で、景気や株価の先行きを示すものではない。

次に見るポイント

  • 11月2日(月):民間のRatingDog製造業PMI(ロイター調査の予想51.6、9月52.1)
  • 11月2日(月):PMI発表後、最初の東京市場の取引(11月3日(火)は文化の日で休場)
  • 11月30日(月):11月の公式PMI(例月どおり月末に発表の場合)
  • 装備・ハイテク製造業が50超を保つか、建設業の新規受注(10月40.0)が戻るか
  • 新規輸出受注(10月48.7):9月に前倒しされた海外向けの注文の反動が続くか

出典

神崎玲子 ・ 特集 10:49 ・ 2026年10月31日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

次に読む