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小野薬品が一時14%安 うつ病などの試験で効果見えず、7〜9月は減益

小野薬品工業(4528)の株価が29日(木)の後場に急落し、12時48分に前日比14.6%安の2111.5円まで下げた。同じ正午ごろ、4〜9月期の決算と、自社で見つけた新薬候補「ONO-1110」の5つの第2相臨床試験の結果を発表した。うつ病と社交不安症では効き目の手がかり(有効性シグナル)が得られず開発をやめる一方、痛みの3つの病気では次の試験に進む。

日向かなえ ・ 特集 13:55 ・ 2026年10月29日
動画:SBI証券公式チャンネル「小野薬品工業株式会社主催 オンラインIR説明会」 YouTube で見る

会社の決算短信によると、4〜9月期の売上収益は2325億円で前年同期比9.6%減、営業利益は579億円で11.2%増、最終利益は449億円で12.1%増だった。ただし7〜9月の3か月だけを取り出すと、売上収益は1163億円(10.2%減)、営業利益は273億円(9.4%減)と減収減益になる(1〜3月期と4〜6月期の短信から計算、株探も同じ数字)。通期の予想(売上収益4550億円、最終利益710億円)は据え置き、年間配当80円の予定も変えていない。

売上が減った主な理由は、アストラゼネカと共同で販売してきた糖尿病などの薬「フォシーガ」の共同販売契約が終わったことだ(決算補足資料)。一方で、がん免疫薬「オプジーボ」の米ブリストル・マイヤーズ スクイブからのロイヤルティ(特許の使用料)は594億円から691億円へ、米メルクの「キイトルーダ」からのロイヤルティも138億円から161億円へ増えた。2024年に買収した米デシフェラの薬「キンロック」(25.6%増)と「ロンビムザ」(3.2倍)も伸びた。国内のオプジーボは572億円で2.3%減だった。

同時に発表したONO-1110は、体の中で作られる「内因性カンナビノイド」の働きを調整する飲み薬の候補で、5つの第2相試験の結果がそろった。会社の発表によると、帯状疱疹のあとに残る神経の痛み、線維筋痛症、ハンナ型間質性膀胱炎の3つの試験は、あらかじめ決めた主な評価の項目(主要評価項目)は達成しなかった。そのうえで、事前に決めた層別の解析とあとからの探索的な解析で、痛みのスコアの改善を示す手がかりが見えたとして、次の臨床試験を計画している。うつ病と社交不安症の2つは手がかりが得られず、開発をやめる。安全性は5つとも良好だったという。

株探(みんかぶ)は、7〜9月の減益とうつ病・社交不安症の開発中止の両方を売りの理由に挙げた。会社は株価の動きについて説明しておらず、どちらがどれだけ効いたかはヨリビケでは確かめられていない。株価は午前に一時2494.5円まで上げていたが、発表後に急落し、13時45分は2182円(11.7%安)。Yahoo!ファイナンスでは年初来安値の表示が出ている。同じ医薬品で同じ日の13時に決算を出した塩野義製薬(4507)は、通期の営業利益予想を2200億円から2300億円へ、年間配当を76円から86円へ引き上げ、株価は一時2.1%高の3054円まで上げたあと、13時32分は1.2%高だった。

小野薬品にとっては、売上の多くを支えるオプジーボの先を担う新しい柱を育てられるかが、長く投資家の関心事になっている。今回、ONO-1110の5つの病気のうち2つが脱落し、残る3つも主要評価項目は未達で「手がかり」の段階にとどまる。この先は、会社が「今後、学会などで発表する」とした詳しいデータと、痛みの3つの病気で次の試験をどう組むかが注目点になる。

数字で見る

株価(10/29)前日終値 2471.5円 → 高値 2494.5円(11:30)→ 安値 2111.5円(12:48、−14.6%)→ 2182円(13:45、−11.7%)(株探、Yahoo!ファイナンス)
4〜9月期売上収益 2325億円(−9.6%)、営業利益 579億円(+11.2%)、最終利益 449億円(+12.1%)(決算短信)
7〜9月期だけ売上収益 1163億円(−10.2%)、営業利益 273億円(−9.4%)(決算短信から計算、株探)
通期の会社予想(据え置き)売上収益 4550億円(−11.8%)、最終利益 710億円。上期の進み具合 63.3%(決算短信、株探)
ロイヤルティ(4〜9月)オプジーボ(BMS)594億→691億円、キイトルーダ(メルク)138億→161億円(決算補足資料)
ONO-1110 の5試験痛みの3つ:主要評価項目は未達、層別・探索的な解析で改善の手がかり → 次の試験へ/うつ病・社交不安症:手がかりなし → 開発中止(会社発表)
塩野義製薬(同日13:00)通期の営業利益予想 2200億→2300億円、年間配当 76円→86円、株価は一時 +2.1%(会社発表、株探)
ヨリビケの見方4〜9月の売上収益に占める「ロイヤルティ・その他」は964億円で41.5%になり、1年前の32.0%(822億円)から約9.5ポイント上がった。オプジーボのBMSからのロイヤルティは16.3%増えた。13時45分の下げ幅(289.5円)に発行済株式数(4億9869万株)をかけると、時価総額は前日より約1440億円減った計算になる(いずれもヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10/29(木)15:30 の終値:13時32分までの出来高は344.5万株(株探)
  • ONO-1110 の詳しい結果:会社は「今後、学会などで発表」(時期は未定)。痛みの3つの病気で次の試験をどう組むか
  • 11/5(木)半期報告書の提出予定(決算短信)
  • 12/1(火)中間配当40円の支払い開始(決算短信)

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動画:小野薬品 ONO PHARMACEUTICAL official「コーポレートムービー『研究開発』」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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