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サムスン株5%安、最高益でも 利益の99%が半導体、スマホは赤字

韓国のサムスン電子は29日(木)、7〜9月期の決算の詳しい中身を発表した。営業利益107兆4405億ウォン(約12兆7100億円)のうち106兆5000億ウォンを半導体部門が稼ぎ、スマートフォンなどの部門は赤字だった。過去最高の利益だが、株価は前日の大幅高から一転して5%を超えて下げ、韓国の株価指数も下落している。

白石ひかり ・ 特集 10:50 ・ 2026年10月29日
動画:聯合ニュースTV「サムスン電子 3分期営業益107.4兆…30兆の現金配当」(10/29) YouTube で見る

サムスン電子の発表によると、7〜9月期の売上高は195兆3000億ウォンで四半期の過去最高、4〜6月期より14%増えた。営業利益は107兆4000億ウォンで、会社は四半期の営業利益が100兆ウォンを超えた世界で初めてのテック企業だとしている。聯合ニュースによると、営業利益は前年同期の約8.8倍(783.1%増)、純利益は75兆1361億ウォン(514.6%増)。営業利益は10月8日(木)に出した速報の数字と同じで、今回はその内訳が初めて示された。

内訳を見ると、半導体のデバイスソリューション(DS)部門は売上高147兆1000億ウォン・営業利益106兆5000億ウォン。メモリー事業は売上高・営業利益とも四半期の過去最高で、サーバー向けの強い需要ですべての用途でメモリーの値段が上がり、次の世代の高性能メモリー「HBM4」の販売も大きく増やしたという。一方、スマートフォンや家電のデバイスエクスペリエンス(DX)部門は売上高が8%増えたものの、営業損益は8000億ウォンの赤字。うちスマホ・通信機器(MX・ネットワーク)が6000億ウォン、テレビ・家電(VD・DA)が2000億ウォンの赤字で、会社はコストの上昇などを理由に挙げた。ディスプレーの子会社は1兆1000億ウォンの黒字だった。

それでも株価が下がった理由について、聯合ニュースによると、全社の営業利益は聯合インフォマックスがまとめた市場予想(105兆6764億ウォン)を1.7%上回っている。一方でMINKABU PRESS(株探に配信)は、半導体部門の営業利益は市場予想の108兆5000億ウォンに、純利益は予想の89兆0600億ウォンに届かなかったと伝えた。どの予想と比べるかで評価が分かれる決算といえる。NAVER証券によると、サムスン電子の株価は10時47分時点で22万9500ウォン(前日比1万2500ウォン安、5.17%安)、韓国総合株価指数(KOSPI)は5846.84(2.75%安)。サムスン電子は前日28日、SKハイニックスの好決算を受けて終値24万2000ウォンまで上げていた(前の日の22万2000ウォンから約9%高、Yahoo!ファイナンスの日足)。同じ時間、SKハイニックスは149万6500ウォン(0.64%高)とプラスを保っている。

波及の面で目を引くのは、投資の額だ。7〜9月期の設備投資は29兆ウォンで、4〜6月期より12兆2000億ウォン、前年同期より19兆8000億ウォン多い。うち27兆2000億ウォンが半導体部門。2026年の通年では約84兆4000億ウォン(半導体部門は76兆8000億ウォン)を見込み、新しい工場などに投じるとしている。半導体の製造装置を売る会社にとっては買い手の投資の大きさを示す数字で、東京では30日(金)に東京エレクトロンが決算を発表する。メモリーの値段が上がると、メモリーを作る会社には追い風だが、メモリーを使ってスマホやパソコンを作る会社には一般にコストの重さになる。サムスンの中で半導体が大きく稼ぐ一方、スマホと家電が赤字だったことは、その両面が1つの会社の中に表れたかたちだ。東京の市場では、同じメモリーのキオクシア(285A)が10時32分時点で1万5260円(前日比920円高、6.42%高、株探)と上げている。

この先について、会社は10〜12月期もAIの主導権争いでAI向けインフラへの投資が続くとみており、2027年はAI向けの設備投資が歴史的な水準になり、AIによるメモリーの需要が業界の供給を大きく上回るとの見方を示した。株主への還元では、7〜9月期の配当を1株4601ウォン(普通株・優先株とも、総額30兆ウォン)とした。2026年の還元の合計は90兆〜110兆ウォンを見込み、すでに決めたか実施した35兆ウォンを除く残り55兆〜75兆ウォンは、大規模な自社株買い・消却と配当で返すという。最終的な額と中身は、2027年1月下旬の取締役会で決める予定だ。

数字で見る

7〜9月期 売上高195兆3000億ウォン(4〜6月期比+14%、四半期の過去最高)(会社発表・聯合ニュース)
7〜9月期 営業利益107兆4405億ウォン(約12兆7100億円、前年同期比+783.1%)(聯合ニュース・会社発表)
半導体(DS)部門売上高147兆1000億ウォン・営業利益106兆5000億ウォン(会社発表・MINKABU PRESS)
スマホ・家電(DX)部門営業損益8000億ウォンの赤字(うちMX・ネットワーク −6000億、VD・DA −2000億)(会社発表)
市場予想全社の営業利益105兆6764億ウォン(聯合インフォマックス)、DS部門108兆5000億・純利益89兆0600億ウォン(MINKABU PRESS)
設備投資7〜9月期29兆ウォン(うちDS 27兆2000億)、2026年通年の見込み約84兆4000億ウォン(会社発表)
株価(10/29 10:47)サムスン電子22万9500ウォン(−5.17%)、SKハイニックス149万6500ウォン(+0.64%)、KOSPI 5846.84(−2.75%)(NAVER証券)
ヨリビケの見方7〜9月期の営業利益107兆4000億ウォンのうち、半導体部門の106兆5000億ウォンは約99%にあたり、サムスン電子のもうけはほぼすべてが半導体から出ている。半導体部門の売上高に対する営業利益の割合は約72%で、前日に決算を出したSKハイニックスの80%より低いが、営業利益の額はSKハイニックスの83兆3338億ウォンの約1.28倍。設備投資は4〜6月期の16兆8000億ウォンから約1.7倍に増え、通年の見込みから1〜9月の56兆9000億ウォンを引くと、10〜12月期にも約27兆5000億ウォンを使う計算になる(いずれも会社発表の数字からヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10月30日(金):キオクシアと東京エレクトロンの決算(メモリーの値段と、装置の受注にサムスンの投資がどう表れるか)
  • 10月30日(金)までのサムスン電子とKOSPIの動き(前日の大幅高から一転した下げがどこまで続くか)
  • 2027年1月下旬:サムスン電子の取締役会で、2026年の株主還元の残り55兆〜75兆ウォンの中身(自社株買い・消却の規模と、優先株の扱い)
  • サムスン電子の米テキサス州テイラーの新工場の稼働(会社は2027年に稼働を始めるとしている)

関連する動画

動画:聯合ニュースTV「サムスン110兆・ハイニックス100兆…過去最大級の株主還元」(10/29) YouTube で見る
動画:イーデイリーTV「サムスン電子 3分期の成績表を公開」(10/29) YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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