網屋、営業益予想を22%上げ サイバー被害の復旧支援で需要増
セキュリティ製品を手がける網屋(4258、東証グロース)は27日(火)の取引終了後、今期(2026年12月期)の営業利益の予想を12億円から14億7000万円へ22.5%引き上げた。ランサムウェアなどの攻撃への備えと、被害を受けた企業の復旧支援の需要が増えたという。28日(水)の株価は一時7410円まで上げ、年初来高値を更新した。
神崎玲子 ・ 特集 09:55 ・ 2026年10月28日会社の開示によると、売上高の予想は70億200万円から78億5000万円(12.1%増)に、経常利益は11億8800万円から14億4400万円に、純利益は8億5000万円から10億300万円に、1株利益は101.75円から121.69円に上げた。2月12日に出した当初の予想からの修正で、前期(2025年12月期)と比べると売上高は32.2%増、営業利益は39.9%増になる。
上積みの中身も開示されている。売上高の上積み8億4800万円のうち、ログ管理などのデータセキュリティ事業が2億円、ネットワークセキュリティ事業が2億2000万円、残りの4億2800万円は5月に子会社化を発表したアンペールの損益を10〜12月期から連結する分だ。営業利益の上積み2億7000万円は、この2つのセキュリティ事業によるもので、会社は営業利益率も当初の想定を上回るとしている。理由について会社は、増え続けるランサムウェアなどの被害に対応する製品と、被害を受けた企業からの復旧支援の需要が高まったと説明している。
背景には、10月に入って国内で相次いだ不正アクセスの発表がある。GMOインターネットグループはFXの自動売買向けのサーバー(影響の可能性は2万6739件)への攻撃を公表し、家電量販のJoshinは会員情報が最大約600万件漏れた可能性を発表した。政府は26日(月)にサイバーセキュリティの関係閣僚会議を初めて開き、高市首相は攻撃元のサーバーを無害化する「能動的サイバー防御」も選択肢になるとの考えを示し、来週中に財政措置も含めた緊急対策をまとめるよう指示した(共同通信)。
株価は修正の発表前から動いていた。27日(火)はセキュリティ関連株に買いが集まるなかで、網屋は前日比760円高(12.1%高)の7060円で取引を終えた(財経新聞)。発表をはさんだ28日(水)は7130円で始まり、一時7410円まで上げた。9時45分時点は7250円(190円高、2.69%高)で、時価総額は約640億円(Yahoo!ファイナンス)。フィスコは27日に上場来高値を更新したと伝えている。ただ関連株の動きはそろっておらず、27日はセキュアヴェイルが一時ストップ高まで買われた一方、サイバーセキュリティクラウドは2〜3%安、トレンドマイクロやFFRIセキュリティは小幅な動きだった(ヨリビケ10/27の記事)。
この先の節目は、来週中(11月2日の週)にまとまる政府の緊急対策パッケージで、企業への支援や求める対策の中身、財政措置の規模が示される見通しだ。網屋は11月11日(水)に7〜9月期の決算を発表する予定(Yahoo!ファイナンスの予定表)で、修正後の予想に対する進み具合と、復旧支援の需要が10〜12月以降も続くかの説明が焦点になる。
数字で見る
| 今期の営業利益予想 | 12億円 → 14億7000万円(+22.5%、会社開示 10/27) |
|---|---|
| 今期の売上高予想 | 70億200万円 → 78億5000万円(+12.1%、前期比+32.2%、会社開示) |
| 経常利益/純利益の予想 | 11億8800万円→14億4400万円/8億5000万円→10億300万円(会社開示) |
| 売上の上積みの内訳 | データセキュリティ2億円・ネットワークセキュリティ2億2000万円・アンペールの連結4億2800万円(会社開示) |
| 株価 27日(火) | 終値7060円(+760円、+12.1%、財経新聞) |
| 株価 28日(水) | 高値7410円(年初来高値)、9:45時点7250円(+2.69%)(Yahoo!ファイナンス) |
| 次の決算 | 11月11日(水)予定(Yahoo!ファイナンス) |
次に見るポイント
- 28日(水):修正発表後の網屋と、ほかのセキュリティ関連株の値動き
- 来週中(11月2日の週):政府のサイバー緊急対策パッケージ(支援策と財政措置の規模)
- 11月11日(水):網屋の7〜9月期決算(予定)。修正後の予想に対する進み具合
- GMOインターネットグループ・Joshinなど被害を公表した会社の続報と決算
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