コマツ、上方修正でも一時7.9%安 7〜9月は営業益1.2%減
コマツ(6301)は29日(木)14時30分に4〜9月期の決算を発表し、今期(2027年3月期)の純利益予想を3490億円から3820億円へ引き上げた。ところが株価は発表後に下げ、14時46分に前日比7.9%安の6279円をつけた。1年分の見通しは上がった一方で、直近の7〜9月の3か月だけを見ると、売上は14%近く増えたのに営業利益は1.2%減っていた。
桐生レオン ・ 特集 14:52 ・ 2026年10月29日会社の決算短信によると、4〜9月期の売上高は2兆1586億円で前年同期比14.1%増、営業利益は2866億円で3.5%増、純利益は1919億円で9.2%増だった。通期の予想は、売上高を4兆3020億円から4兆4500億円へ、営業利益を5550億円から5850億円へ、税引前利益を5080億円から5480億円へ、純利益を3490億円から3820億円へそれぞれ上げた(税引前利益の数字は株探も同じ)。上方修正は7月29日(水)の4〜6月期決算に続いて今期2回目。年間配当190円の予定は変えていない。
上方修正の理由について会社は、建設機械・車両の部門で上期に多くの地域の需要が想定を上回り、通期でも上回る見込みであること、7〜9月の為替が想定より円安だったことを挙げた。地域別では、北米がインフラやレンタル向けの需要で24.8%増、中南米が銅の需要を背景にチリなどで鉱山機械が伸びて33.9%増、アフリカが金の需要などで31.7%増。一方、中近東は中東情勢の影響で37.2%減、アジアはインドネシアの石炭採掘の制限で鉱山機械の需要が落ちて15.1%減、日本も人件費や資材の高騰で3.9%減だった。
ただ7〜9月の3か月だけを取り出すと、売上高は1兆1155億円で13.6%増えたのに、営業利益は1351億円で1.2%減り、売上高営業利益率は13.9%から12.1%へ1.8ポイント下がった。建設機械・車両の部門の利益も4.5%減っている(決算説明会資料)。会社は、円安・販売量・値上げの効果をコストの増加が上回ったと説明している。説明会資料では、4〜9月の米国の関税の影響はマイナス397億円、米国の関税の還付がプラス128億円で、差し引きマイナス269億円。通期ではマイナス448億円とプラス270億円で、差し引きマイナス177億円を見込む。米国では2月20日に連邦最高裁が、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税は違法と判断し、還付の手続きが進んでいる(JETRO)。ただし、コマツの還付がどの関税の分かは資料に書かれていない。
意外なところでは、建機ではない「産業機械他」の部門が伸びた。4〜9月の利益は211億円で27.0%増、利益率は18.4%と会社の中でいちばん高い。半導体の露光装置向けの光源をつくる子会社ギガフォトンの売上が29.6%増の417億円になり、半導体産業向けの保守の売上も増えた。建機の会社の中にも、AI・半導体の投資の恩恵を受ける事業があることになる。同じ日の昼には、日立製作所やNECも1年の見通しを引き上げながら売られており、上方修正を出しても株価が上がるとは限らない日になった。
株価の下げについて、14時50分時点で理由を伝える報道は見当たらず、市場予想(コンセンサス)と比べてどうだったかはヨリビケでは確かめられていない。ただコマツは過去にも同じ形がある。2025年10月の上期決算では通期予想を上げたが、フィスコ(株探)は「修正幅は想定より小幅にとどまった」との見方が優勢で翌日に大幅続落したと伝えた。2024年10月の上期決算も、上方修正が市場予想に届かず翌日に反落した(フィスコ、株探)。この先は、夕方以降に出る報道や会社の説明、日立建機など同業の決算、下期の為替の前提(1ドル150円)と実際の為替の差が注目点になる。
数字で見る
| 株価(10/29) | 前日終値 6815円 → 高値 6827円(14:09)→ 決算発表 14:30 → 安値 6279円(14:46、−7.9%)→ 6329円(14:49、−7.1%)(Yahoo!ファイナンス、株探) |
|---|---|
| 4〜9月期 | 売上高 2兆1586億円(+14.1%)、営業利益 2866億円(+3.5%)、税引前利益 2710億円(+4.9%)、純利益 1919億円(+9.2%)(決算短信、株探) |
| 7〜9月期だけ | 売上高 1兆1155億円(+13.6%)、営業利益 1351億円(−1.2%)、利益率 13.9%→12.1%(決算短信、決算説明会資料、株探) |
| 通期の会社予想(2回目の上方修正) | 売上高 4兆3020億→4兆4500億円、営業利益 5550億→5850億円、税引前利益 5080億→5480億円、純利益 3490億→3820億円。年間配当 190円(据え置き)(決算短信、株探) |
| 米国の関税(説明会資料) | 4〜9月:影響 −397億円・還付 +128億円=−269億円/通期見通し:−448億円・+270億円=−177億円 |
| 為替の前提 | 4〜9月の実績 1ドル159.0円/下期の前提 150.0円(7月から変えず)。1ドルが1円動くと年間の営業利益が46億円動く(会社資料)。29日午後のドル円は157円80銭台(株探・フィスコ、Yahoo Finance) |
| 7月の上方修正のとき | 7/29(水)は一時 7452円(前日比 +10.4%)、終値 7265円(+7.6%)。年初来高値は 10/5(月)の 7980円(Yahoo!ファイナンス、株探) |
次に見るポイント
- 10/29(木)15:30 の終値:14時34分までの出来高は392万株(Yahoo!ファイナンス)
- 同業の日立建機(6305)の決算:10/29(木)に発表予定(株探、Yahoo!ファイナンス)。建機の需要の見方がそろうか
- 下期の為替:会社の前提は1ドル150円。実際の為替との差が、次の業績の見通しにどう出るか
- 11/12(木)半期報告書の提出予定、12/1(火)中間配当95円の支払い開始(決算短信)
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出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









