イビデン、AI向け好調で予想上げ CPU向け基板に1510億円投資
イビデン(4062)は29日(木)15時20分、取引時間中に4〜9月期の決算を発表し、今期の営業利益の予想を1270億円から1330億円へ4.7%引き上げた。生成AIのサーバー向けを中心に、半導体を載せる「ICパッケージ基板」の受注が増えた。あわせて、CPU向けの高機能な基板の生産を増やすため、約1510億円の設備投資を決めた。株価はこの日、1万280円から9236円まで大きく動き、前日比2.03%高の9859円で終えた。
御堂聡一 ・ 特集 15:58 ・ 2026年10月29日決算短信によると、4〜9月の売上高は2625億円(前年同期比34.3%増)、営業利益は601億円(84.6%増)、純利益は386億円(74.8%増)だった。通期の予想は、売上高を5500億円から5650億円へ、営業利益を1270億円から1330億円へ、経常利益を1270億円から1345億円へ、純利益を840億円から890億円へ引き上げた。営業利益の予想は前の期(620億円)の約2.1倍で、株探によると経常利益は4期ぶりの過去最高の見込み。中間配当は予想の7円50銭から10円に増やした(年間の予想は20円、前の期は記念配当2円50銭を含む15円。いずれも今年1月と10月の2回の株式分割後の株数で換算)。
伸びたのは、ICパッケージ基板などの電子事業だ。4〜9月の売上高は1725億円(52.0%増)、営業利益は500億円(96.7%増)で、売上高に対する営業利益の割合は22.4%から29.0%に上がった(決算補足資料)。会社は理由として、生成AI用サーバー向けを中心とする付加価値の高い製品の受注増と製品の構成の良化、円安を挙げた。この先も、AIサーバー向けと汎用サーバー向けの需要は堅調で、ネットワーク機器に使うスイッチIC向けの需要も増えるとみている。
同時に決めた設備投資は約1510億円。岐阜県大垣市の河間事業場の工場棟(Cell6)を中心に、海外の工場も含めて、CPU向けの高機能ICパッケージ基板の生産能力を増やす。2029年度から順次稼働し、量産を始める計画だ。会社は、AIが「学習」から「推論」、さらに自分で作業を進める「エージェントAI」へと進むなかで、CPU向けの基板の需要が増えるとしている。今期の業績への影響は軽微という。
AI向けの基板の取り合いは、ほかの業界にも及んでいる。27日(火)にはキヤノンが、AI向けの需要でプリント基板と電子部品が足りなくなり、医療機器の生産の正常化が来年以降にずれ込むとして通期予想を下げた(ヨリビケの既報)。イビデンの株価も大きく動いた。株探の株価ページによると、29日は9時48分に1万280円(前日比6.4%高)まで上げ、発表直後の15時21分に9236円(4.4%安)まで下げたあと、2.03%高の9859円で終えた。出来高は3187万株で前日(1817万株)の約1.75倍。26日(月)の終値8248円からの3日間では19.5%上がっていた(株探の時系列からヨリビケ計算)。
読み解きの手がかりは下期の前提だ。通期の営業利益の予想から上期の実績を引くと、下期は729億円で、上期の601億円より21%多く、前年の下期(295億円)の約2.5倍になる(会社資料からヨリビケ計算)。30日(金)には村田製作所やキオクシア、東京エレクトロンなど電子部品・半導体の企業の決算が続く(株探の予定表)。AIサーバー向けの需要の強さが、ほかの会社の説明でもそろって確かめられるかが次の見どころになる。
数字で見る
| 4〜9月の売上高 | 2625億円(前年同期比+34.3%)(決算短信、決算補足資料) |
|---|---|
| 4〜9月の営業利益 | 601億円(同+84.6%)。うち電子事業 500億円(同+96.7%)、電子の営業利益率29.0%(前年同期22.4%)(決算補足資料) |
| 今期の営業利益の予想 | 1270億円 → 1330億円(+4.7%)、前の期の約2.1倍(会社発表) |
| 今期の純利益の予想 | 840億円 → 890億円(+6.0%)(会社発表、株探) |
| 設備投資(10/29決議) | 約1510億円。CPU向け高機能ICパッケージ基板、2029年度から順次稼働(会社発表) |
| 中間配当 | 7円50銭(予想)→ 10円、年間の予想20円(株式分割後の換算)(会社発表) |
| 株価(10/29 15:30 終値) | 9859円、前日比+196円(+2.03%)、高値1万280円・安値9236円、出来高3187万1000株(Yahoo!ファイナンス、松井証券、株探) |
次に見るポイント
- 10/29(木)16:30〜:夜間のPTS取引で、発表後の値動き
- 10/30(金):村田製作所・キオクシア・東京エレクトロンなどの決算(株探の予定表)
- 11/25(水):中間配当10円の効力発生日(会社発表)
- 2029年度:河間事業場 Cell6 などの新しい設備が順次稼働する計画
- 下期:営業利益729億円(上期比+21%)という前提に対する実際の進み方
関連する動画
出典
- イビデン「2027年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026/10/29、TDnet・PDF)
- イビデン「決算短信補足資料(2027年3月期 第2四半期)」(2026/10/29、TDnet・PDF)
- イビデン「通期連結業績予想の修正及び剰余金の配当(中間配当・増配)に関するお知らせ」(2026/10/29、TDnet・PDF)
- イビデン「高機能ICパッケージ基板向け設備投資(固定資産の取得)に関するお知らせ」(2026/10/29、TDnet・PDF)
- イビデン 投資家情報
- 株探「イビデン、今期経常を6%上方修正・最高益予想を上乗せ」(10/29)
- 株探 イビデン(4062)時系列
- Yahoo!ファイナンス イビデン(4062)株価
- 松井証券 イビデン(4062)株価
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









