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速報 | 政策 | 2026年10月30日 12:46

日銀、金利据え置きも1人が利上げ提案 ETF売却は2.6倍に

日本銀行は30日(金)、金融政策決定会合で政策金利を1.25%程度に据え置くことを決めた。賛成8・反対1で、高田委員は1.5%への利上げを提案して否決された。あわせて、保有するETF(上場投資信託)の売却ペースを年間3300億円程度から8600億円程度(簿価)に引き上げることを全員一致で決めた(2027年1月から)。

動画:日テレNEWS「【速報】日銀 政策金利1.25%に『据え置き』決定」 YouTube で見る

日銀の公表文によると、短期金利(無担保コールレート・翌日物)を1.25%程度で推移するよう促す方針は変えなかった。前回9月の会合で1.25%に引き上げたばかりで、今回はその影響を見る形になった。反対したのは高田委員で、基調的な物価が「物価安定の目標」に達したなかで、景気を熱しも冷やしもしない「中立金利」に近づけるペースを速める局面に入ったとして、1.5%程度への利上げを提案し、反対多数で否決された。同時に公表した展望レポートでは、一時的な要因を除いた「基調的な物価上昇率」は「2%の『物価安定の目標』と概ね整合的な水準となっている」とした。

もう1つの決定がETFだ。日銀は大規模な金融緩和の一環で買い入れてきたETFを、2026年1月から売り始めていた。これまでのペースは簿価で年3300億円程度で、東証の売買代金の0.05%程度。日銀は「市場に大きな影響を与えることなく円滑に進めている」「市場全体の売買代金も拡大している」として、売却額が売買代金の0.1%程度になる年8600億円程度(簿価)に引き上げる。いまの株価に置き換えると年2兆4600億円程度になる。売り終えるまでの年数は、日銀の資料で約112年から約43年に縮まる。市場の状況によって一時的に減らしたり止めたりできる点は変わらない。

市場の反応は限られた。決定が出たのは東証の昼休み中。日経平均は米国のAI関連株安を受けて前場を1639円安の6万3019円で終えていたが、12時30分の後場の寄り付きは1550円安前後と、下げ幅はむしろ縮んだ(株探)。ドル円は午前に157円89銭から157円11銭まで円高に動き(フィスコ)、OANDA証券のまとめでは公表直後に157円62銭まで円安に振れたあと、12時14分に157円11銭をつけた。前回、ETFの売却そのものを決めた2025年9月19日には、日経平均が後場に一時800円超下げた(株探)のと比べると、今回は落ち着いた受け止めだ。

波及先として目を引くのは、日銀自身が物価を押し上げる要因に「半導体価格等の上昇」を挙げたことだ。展望レポートは、見通し期間の前半に物価上昇率が「2%をはっきりと上回る水準まで」高まるとし、その理由に原油高・円安と並べて半導体価格を書いた。2027年度の生鮮食品を除く物価の見通しは2.6%で、7月の2.4%から0.2ポイント上がった。物価の上振れリスクの方が大きいとも明記している。AI需要によるメモリーなどの値上がりが、株式市場だけでなく金利の判断の材料にもなっているということだ。なお、国会で審議中の飲食料品の消費税率の引き下げの影響は、この見通しに入っていない。

この先は、15時30分からの植田総裁の会見で、次の利上げの条件について何を話すかが最初の注目点になる。今回の会合の「主な意見」は11月10日(火)に公表され、利上げを提案した高田委員以外にどんな意見があったかが分かる。次回の会合は12月17日(木)・18日(金)。ETFの新しいペースでの売却は2027年1月から始まる。

数字で見る

政策金利(10/30 決定)1.25%程度で据え置き。賛成8・反対1(高田委員が1.5%への利上げを提案、否決)(日銀)
ETFの売却ペース(簿価)年3300億円程度 → 8600億円程度(約2.6倍、2027年1月から、全員一致)(日銀)
ETFの売却ペース(時価・売買代金比)年2兆4600億円程度、東証の売買代金の0.05%程度 → 0.1%程度。売り終えるまで約112年 → 約43年(日銀)
物価の見通し(生鮮食品を除く、政策委員の中央値)2026年度 2.5%(7月から変わらず)、2027年度 2.6%(+0.2)、2028年度 2.0%(日銀 展望レポート)
実質GDPの見通し(同)2026年度 0.7%、2027年度 0.7%、2028年度 0.8%(日銀 展望レポート)
日経平均(10/30)前引け 6万3019円(−1639円)→ 後場寄り付き 1550円安前後(株探)
ドル円(10/30 午前)157円89銭 → 157円11銭(フィスコ)、12:43ごろ 157円40銭近辺(株探)
東京23区の消費者物価(10月、生鮮除く)前年同月比 +2.6%(予想 +2.7%、前月 +2.7%)(総務省、フィスコ、NHK)
ヨリビケの見方日銀の資料の数字から逆算すると、9月末の保有ETFは簿価で約37兆円になる(3300億円×約112年=約37.0兆円、8600億円×約43年=約37.0兆円で一致、ヨリビケ計算)。新しいペースの時価2兆4600億円を1年の営業日(約245日)で割ると、1日あたり約100億円の売りになる。日銀はこれを売買代金の0.1%程度としており、逆にいえば東証プライム市場の売買代金は1日およそ10兆円の規模という計算になる(1〜9月の実績が元)。時価と簿価の比も変わった。2025年9月に売却を決めたときは簿価3300億円=時価6200億円程度で約1.9倍(株探が伝えた日銀の説明)だったが、今回は時価2兆4600億円÷簿価8600億円で約2.9倍になる(日銀は本年1月以降に売ったETFの比率で計算)。この1年の株高で、同じ簿価の分を売っても市場に出る金額が大きくなっている。

次に見るポイント

  • 10/30(金)15:30 植田総裁の記者会見。12月の利上げの条件や、ETF売却の加速の理由をどう説明するか
  • 10/30(金)15:30 日経平均の終値。決定のあとに下げ幅がどこまで戻るか
  • 11/10(火) 今回の会合の「主な意見」の公表。利上げに前向きな意見が高田委員のほかにあるか
  • 12/17(木)・18(金) 次回の金融政策決定会合
  • 2027年1月 ETFの売却を新しいペース(簿価 年8600億円程度)で開始

関連する動画

動画:ANNnewsCH「日銀 金融政策決定会合 物価上昇率“2%到達”判断へ」(2026年10月30日) YouTube で見る

出典

白石ひかり ・ 特集 12:46 ・ 2026年10月30日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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