米原油先物(WTI)は104.12ドル、2.08%高 ホルムズ海峡でタンカーに爆発物の攻撃 北海ブレントは6か月ぶりの高値、10月は WTI が15.2%上昇
10月30日(金)のニューヨーク市場で、米国の原油先物(WTI)は1バレル104.12ドルと、前日より2.12ドル(2.08%)高く終えた。英国の海事当局(UKMTO)が、ホルムズ海峡でタンカーが小型船から仕掛けられた爆発物で被害を受けたと発表した。燃料を多く使う業種には、費用の重しになりやすい水準が続いている。
ロイターによると、WTI は2.12ドル(2.08%)高の104.12ドル、北海ブレントは期限を迎えた12月物が2.76ドル(2.4%)高の117.64ドルで、4月下旬以来の高い終値だった。より取引の多い1月物は113.43ドル。10月の1か月では、ブレントが13.6%、WTI が15.2%上がった。WTI の終値は Yahoo Finance の値とも一致している。
きっかけは海峡の安全への不安だ。ロイターによると、UKMTO は30日、ホルムズ海峡でタンカーが小型船に取り付けられた爆発物で被害を受けたと発表し、誰の仕業かはすぐには分からなかった。海運の関係者は、2月に米国・イスラエルとイランの戦闘が始まってから、海峡で吸着型の機雷による攻撃が成功したと分かったのは初めてだとしている。同じ記事は、イエメンの親イラン勢力フーシ派がサウジアラビアの製油所などを攻撃したと主張していることも伝えた。
波及の面では、原油高は燃料を多く使う業種の費用を押し上げやすい。航空会社はジェット燃料、化学の会社はナフサなど原料の値段に影響を受ける。逆に、原油の権益を持つ商社や石油の元売りには、在庫の評価などで利益の押し上げになる場合がある。円で見ると、WTI 104.12ドルにドル円157.52円をかけて1バレル約1万6400円になる(ヨリビケ計算)。円安と原油高が重なると、輸入する側の負担はさらに大きくなる。
読み解くと、30日の市場では株と原油が逆の方向に動いた。ナスダックが2.86%下げた日に、WTI は2.08%上がり、10月の1か月で15%を超えて上がった。株の下げは企業の決算、原油の上げは中東の安全が理由で、別々の不安が同じ日に出た形だ。ロイターは、サクソバンクが戦闘が終わったあとの原油の値段を1バレル70〜90ドルと見ていること、戦闘の前は60〜70ドルだったことも伝えている。
この先は、海峡の船の通行の状況と、仲介を続けるカタールなどの米国とイランの交渉が手がかりになる。ロイターは、11月3日(火)の米中間選挙も市場参加者が見ている材料として挙げている。株探(MINKABU PRESS)の来週の見通しの記事は、選挙の結果によっては中東への軍事関与の強化が難しくなり、原油高が抑えられるとの見方があると紹介している。
数字で見る
| WTI(米原油先物、10/30 清算値) | 104.12ドル(+2.12ドル、+2.08%)(ロイター、Yahoo Finance) |
|---|---|
| 北海ブレント(10/30) | 12月物 117.64ドル(+2.76ドル、+2.4%)、1月物 113.43ドル(ロイター) |
| 10月の上昇率 | WTI +15.2%、ブレント +13.6%(ロイター) |
| きっかけ | ホルムズ海峡でタンカーが小型船の爆発物で被害(UKMTO の発表、ロイター) |
| 円で見た WTI | 約1万6400円/バレル(104.12ドル×157.52円、ヨリビケ計算) |
| 戦闘後の見通し(サクソバンク) | 1バレル70〜90ドル。戦闘前は60〜70ドル(ロイター) |
次に見るポイント
- ホルムズ海峡の船の通行と、UKMTO などが伝える新しい攻撃の有無
- 11/3(火):米中間選挙。中東政策をめぐる見方の変化
- 週明け11/2(月)の東証:空運・化学(費用の側)と商社・石油元売り(権益の側)の動き
出典
日向かなえ ・ 朝刊 05:38 ・ 2026年11月2日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









