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速報 | 原油・中東 | 2026年10月31日 22:55

ブレント原油、10月は13.6%高 ホルムズでタンカー攻撃、1日にOPEC+

北海ブレント原油先物は30日(金)、最終取引日だった12月限が1バレル117.64ドルで清算され、10月の上昇率は13.6%になった。米国のWTI原油先物も104.12ドルと、9月中旬以来の高い清算値で終えた。ホルムズ海峡でタンカーが小型船に爆発物を取り付けられて燃え、米中間選挙の後に中東の戦闘が広がることへの警戒が続いた。11月1日(日)には産油国グループ「OPEC+」の主要7か国が会合を開く。

動画:CNBC Television「シェルのサワンCEO、原油の供給の混乱について:需要への長い目での影響は『まだ判断できない』」 YouTube で見る

ロイターによると、30日(金)のICEの北海ブレント原油先物12月限は前日比2.76ドル(2.4%)高の117.64ドルで清算された。日中に118ドルまで上がり、日経の相場ページでも同じ清算値と高値118.00ドルを確認できる。12月限はこの日が最終取引日で、取引の中心だった1月限は2.63ドル高の113.43ドルだった。米国のWTI原油先物(12月限)は2.12ドル高の104.12ドルで、共同通信は清算値として約1か月半ぶりの高値と伝えた。月間ではブレントが13.6%、WTIが15.2%上がり、どちらも4か月続けての値上がりになった(ロイター)。

買いのきっかけは海上の攻撃だ。英国の海事貿易機関(UKMTO)によると、ホルムズ海峡でタンカーが小型船から爆発物を取り付けられ、火災が起きた。誰の仕業かは分かっていない。ロイターは海事関係者の話として、2月に米国・イスラエルとイランの戦争が始まってから、この海峡で船体に取り付ける爆弾(吸着機雷)による攻撃が成功したのは初めてと伝え、ブルームバーグも小型の高速船による珍しい攻撃で機関室が燃えたと報じた。イランの革命防衛隊は、別の航路でタンカーが機雷に触れたと主張しているが、ヨリビケでは確認できていない。サウジアラビアでは、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、ラスタヌラなどの製油所を攻撃したと主張した(ロイター・フィスコ)。

市場の目は11月3日(火)の米中間選挙の後に向いている。ロイターと共同通信は、選挙後に米国がイランへの攻撃を再開するとの警戒が買いを呼んだと伝えた。一方で、ロイターによると、サウジアラビアの10月の原油の輸出は、船の動きを追う3社のうち2社の集計で9月より増えた。デンマークのサクソバンクは、戦闘が終われば原油は1バレル70〜90ドルで推移するとみており、戦争前の60〜70ドルより高い水準を想定している(ロイター)。強気の材料と、供給が戻りつつあることを示すデータの両方が出ている。

東京市場は30日(金)の15時30分に取引を終えており、ニューヨークでのこの日の値上がりを受けた最初の取引は11月2日(月)になる。30日の終値は、石油・ガスの開発を手がけるINPEXが4065円(9円高、0.22%高)だった(株探・野村証券)。一般に原油高は、資源の権益を持つ会社には追い風、燃料を大量に使う空運や、原油を原料にする化学には逆風になりやすい。意外なところでは電力会社がある。中部電力は29日(木)、今期の原油の輸入価格の前提を1バレル90ドル程度から105ドル程度に引き上げたばかりだ(ヨリビケの30日の記事)。日銀も30日(金)の展望リポートで、物価が2%をはっきり上回るまで高まる理由の一つに原油高を挙げている。

この先は、1日(日)のOPEC+の主要7か国(サウジアラビア、ロシア、イラク、クウェート、アルジェリア、カザフスタン、オマーン)のオンライン会合が最初の山場になる。ロイターは27日、関係者3人の話として、12月の生産目標は据え置かれる見通しで、最終決定はまだと伝えた。湾岸の産油国は輸出の混乱で目標を大きく下回る量しか生産できておらず、据え置いても実際の供給はあまり変わらないとの見方もある。2027年の生産方針は、11月29日(日)のOPEC+全体の会合で話し合う予定だ。

数字で見る

ブレント12月限(10/30、最終取引日)117.64ドル(+2.76ドル、+2.4%)。高値118.00ドル(ロイター・日経)
ブレント1月限(11/2から期近)113.43ドル(+2.63ドル)(ロイター)
WTI 12月限(10/30 清算値)104.12ドル(+2.12ドル)。9月中旬以来の高値(共同・ロイター)
10月の上昇率ブレント +13.6%、WTI +15.2%。どちらも4か月連続の上昇(ロイター)
前回の記事の時点(10/23)からの動きブレント12月限 116.72ドル → 117.64ドル(+0.92ドル、+0.8%)(CNBC、ヨリビケ計算)
INPEX(10/30 終値)4065円(+9円、+0.22%)=ニューヨークの値上がり前(株探・野村証券)
中部電力の今期の前提(10/29 公表)原油の輸入価格 1バレル90ドル程度 → 105ドル程度(説明資料)
ヨリビケの見方30日のブレントは、12月限117.64ドルと1月限113.43ドルの差が4.21ドルあった。近い月の受け渡しほど値段が高い形で、今すぐ手に入る原油に高い値がついていることを示す。この差のため、11月2日(月)から「ブレント」として伝えられる値は1月限に替わり、113ドル台から始まる。金曜の117ドル台から約4ドル低く見えても、値下がりではなく限月の切り替えによるものだ。また、前回この話題を書いた23日(金)と比べると、同じ12月限の上げは0.92ドル(0.8%)にとどまる。1月限113.43ドルを1ドル157円で円に直すと1バレル約1万7800円、1リットル(1バレル=約159リットル)あたり約112円になる。

次に見るポイント

  • 11月1日(日):OPEC+主要7か国のオンライン会合(12月の生産目標。ロイターは据え置きの見通しと報道)
  • 11月2日(月):30日(金)の原油高の後、最初の東京市場の取引(11月3日(火)は文化の日で休場)
  • 11月3日(火):米中間選挙(選挙後の米国のイラン攻撃への警戒が続くか)
  • 11月6日(金):米国の10月の雇用統計(日本時間22時30分)
  • 11月29日(日):OPEC+全体の会合(2027年の生産方針)

関連する動画

動画:Bloomberg Television「原油高は一時的、とライト米エネルギー長官」 YouTube で見る

出典

御堂聡一 ・ 特集 22:55 ・ 2026年10月31日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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