ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 11/4 更新
ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 米国株 | 2026年11月2日 22:50

マーベル、ルメンタムを1150億ドルで買収へ AIの光通信で全株式交換

米半導体のマーベル・テクノロジー(MRVL)は11月2日(月)、光部品大手のルメンタム・ホールディングス(LITE)を全株式交換で買収することで合意したと発表した。企業価値は1150億ドル。ただ、条件の「1株1132ドル」は協議が伝わる前の10月28日(水)の株価で計算した値で、マーベル株はその後の2日間で約22%下げている。

動画:Schwab Network:マーベルによるルメンタム買収など、11月2日の米市場の注目(英語) YouTube で見る

両社が同日に出した発表文(米SEC への届け出)によると、ルメンタムの株主は1株につきマーベル株4.5株を受け取る。交換の比率は固定で、10月28日の終値で計算すると1株あたり約1132ドル、ルメンタムの同日の終値に対して約23.9%の上乗せになる。買収後は、今のマーベルの株主が新しい会社の約67%、ルメンタムの株主が約33%を持つ。両社の取締役会は全会一致で承認し、マーベルのマット・マーフィー会長兼CEOが続投、ルメンタムのマイケル・ハールストンCEOら3人がマーベルの取締役に加わる。完了は2028年の上半期の見込みで、両社の株主総会と規制当局の承認が要る。ロイターによると、マーベルにとっては2021年のインファイ(約100億ドル)以来の大型買収になる。

狙いは、AI のデータセンターの中で、データを運ぶ線が銅線から光に移っていることだ。発表文でマーフィー氏は、AI のインフラは光の接続へと根本から変わりつつあり、一世代に一度の機会だと述べた。マーベルはチップどうしをつなぐ電気の回路や、顧客ごとの特注のAIチップに強い。ルメンタムはレーザーや光トランシーバー(光と電気を変換する部品)、光で回線を切り替える装置を作る。両社は、合わせて狙える市場は5500億ドル、費用の削減効果は年10億ドルを超えるとし、マーベルの1株利益(調整後)には完了後1年目からプラスになるとしている。ロイターは、AI の特注チップで先を行くブロードコムに対抗する動きだと伝えた。エヌビディアは今年、両社にそれぞれ20億ドルを出資している(ロイター)。

同じ日にルメンタムは7〜9月期(2027年度第1四半期)の決算も出した。売上高は12億6260万ドルで前年同期の2.4倍、調整後の1株利益は4.57ドル。ロイターによると、FactSet がまとめた市場予想(売上高12.5億ドル、1株利益4.22ドル)を上回った。10〜12月期の売上高の見通しは15億7500万〜16億2500万ドルで、ロイターと Investing.com によると、LSEG がまとめた市場予想の14.8億ドルを上回る。マーベルも8〜10月期の売上高の速報を出し、見通しの中心は変えずに幅を±5%から±2%に狭めた。

株価の受け止めは割れている。協議が伝わったあとの10月29日(木)にマーベル株は13.24%安、30日(金)も10.05%安で、2日間で約22%下げた。ルメンタム株も30日に8.57%安だった。ロイターによると、IG グループのアクセル・ルドルフ氏は巨額の賭けであり、払いすぎではないかと投資家が問うのは当然だと述べた。2日の米国の取引開始前の時間外取引では、Investing.com によると米東部時間6時57分の時点でマーベルは3.4%高、ルメンタムは2.5%高だったが、ロイターによるとその後はマーベル0.7%安、ルメンタム1.5%安に変わった。ロイターによると、ルメンタムは米コヒレントや中国の中際旭創(イノライト)と競い、マーベルは特注チップでブロードコムと競う。そのブロードコム株も30日は5.48%安だった。東京市場は3日(火)が文化の日で休みのため、フジクラや古河電気工業など、AI のデータセンター向けの光ファイバー・光部品の銘柄がこの発表を受けて取引されるのは4日(水)になる。

この先は、マーベルが米SEC に出す登録届出書(Form S-4)と両社の株主総会、米国や中国など各国の規制当局の審査が焦点になる。完了までの1年半あまりの間、交換の比率は固定なので、ルメンタムの株主が受け取る価値はマーベルの株価しだいで毎日変わる。

数字で見る

企業価値1150億ドル(11/2 両社発表)
交換の比率ルメンタム1株=マーベル4.5株(固定)
1株あたりの価値約1132ドル・上乗せ約23.9%(10/28 終値で計算、両社発表)
買収後の持ち分マーベル株主 約67%・ルメンタム株主 約33%
完了の見込み2028年上半期(株主・規制当局の承認が条件)
ルメンタム 7〜9月期売上高 12.63億ドル(前年同期の2.4倍)・調整後1株利益 4.57ドル
ルメンタム 10〜12月期の見通し売上高 15.75億〜16.25億ドル(市場予想 14.8億ドル、LSEG)
マーベルの終値251.65ドル(10/28)→196.40ドル(10/30、−22.0%)
ヨリビケの見方全株式交換なので、「1132ドル」は動く値だ。マーベルの10月30日(金)の終値196.40ドルで計算し直すと、4.5株の価値は883.80ドルになる。これは、協議が伝わる前のルメンタムの10月28日(水)の終値913.95ドルを3.3%下回り、発表時点の上乗せ23.9%は、30日の株価では消えている計算だ。一方、ルメンタムの30日の終値は840.70ドルで、883.80ドルとの差は約5%残っている(両社発表の交換比率と、両社の終値からヨリビケ計算)。この差は、完了までの時間の長さや、審査が通るかどうかへの市場の見方を映していると読める。

次に見るポイント

  • 11月2日(月)の米国市場(日本時間3日朝):マーベル・ルメンタムの終値と、ブロードコム・コヒレントなど同業の反応
  • 11月4日(水):休み明けの東証。フジクラ・古河電気工業など光ファイバー・光部品の銘柄の値動き
  • 時期未定:マーベルの登録届出書(Form S-4)の提出と、両社の株主総会
  • 時期未定:米国・中国など各国の規制当局の審査
  • 2028年上半期:買収完了の予定

関連する動画

動画:Bloomberg:マーベルとルメンタムの協議の続報など(10月29日、英語) YouTube で見る

出典

御堂聡一 ・ 特集 22:50 ・ 2026年11月2日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

次に読む