三菱商事、純利益予想を1.2兆円に 最高益と1兆円の自社株買い、株価4%高
三菱商事は4日(水)14時、今期(2027年3月期)の純利益の予想を1兆1000億円から1兆2000億円に上げ、上限1兆円の自社株買いも発表した。予想どおりなら2023年3月期以来、4年ぶりに過去最高を更新する。株価は13時6分に5.5%安の4508円をつけたあと、14時の発表後に4979円(14時23分)まで上げ、14時29分は4.0%高の4963円だった(株探)。
4〜9月期の純利益は6197億円で、前年同期より74.2%多かった(会社の決算短信)。通期の予想は1兆2000億円で、従来より1000億円(9.1%)上げ、前期の8004億円と比べると49.9%の増益になる。日経によると、これまでの最高は2023年3月期の1兆1806億円で、事前の市場予想の平均(QUICKコンセンサス)1兆1863億円も上回った。年間配当の予想125円(前期110円)は変えていない。
同時に決めた自社株買いは、上限1兆円・4億2000万株で、5日(木)から2027年7月31日までに東証で買い、取得した株はすべて2027年8月31日に消す(会社の発表)。会社は、2日の終値で買えば自社株を除く発行済み株式の約6%にあたるとしている。三菱商事は2025年4月にも上限1兆円の自社株買いを発表しており、決算短信では、自社株を含む発行済み株式数が3月末の40億2893万株から9月末の37億1053万株に減った。
予想を上げた理由について、会社は「市況の追い風」をとらえたエネルギー&パワーソリューションと金属資源での増益を挙げる(決算短信)。日経によると、銅の値上がりと豪州の原料炭の事業が利益を押し上げ、費用が先に出て赤字だったカナダのLNG(液化天然ガス)事業「LNGカナダ」は本格稼働して黒字になった。一方で、上半期の利益には事業の売却に伴う一時的な益も入っている。決算短信では、有価証券の損益が前年同期の398億円から1049億円に増え、ヘルスケア事業の株の売却と、千代田化工建設を持分法の会社に変えたことによる評価益を理由に挙げている。
ほかの商社と並べると、反応の差が目立つ。12時に予想を上げた三井物産、11時の丸紅も昼は4%前後下げていた(ヨリビケの12:50の記事)。14時44分のYahoo!ファイナンスの値では、三菱商事が4.46%高の4985円だったのに対し、三井物産は1.34%安、丸紅は2.01%安、住友商事は0.84%安だった。13時に決算を出した伊藤忠商事は、4〜9月期の純利益が16.0%増の5804億円で、通期の予想9500億円は据え置いた(会社の決算短信、株探)。株価は0.29%安だった。相場全体では、日経平均が14時29分に1671円安(−2.65%)、TOPIXが1.65%安と、13時台より下げ幅を縮めている(株探)。
この先は、5日(木)の機関投資家向けの説明会で、資源の値段の前提と下半期の見通しをどう説明するかが見どころになる。決算短信と株探の計算では、通期の予想を達成するには10月〜3月の純利益が5803億円必要で、上半期の6197億円より少ない。銅の値段が下がれば金属資源の利益に効きやすい関係にある。お金の出入りでは、米国のシェールガス事業の株の取得などで4〜9月期のフリーキャッシュフロー(本業で得たお金から投資を引いた額)が1367億円の赤字になり、借金から現金を引いた額は3月末より5436億円増えて4兆4318億円になった(決算短信)。自社株買いの資金とのつり合いも説明会の焦点になる。
数字で見る
| 通期の純利益予想(11/4) | 1兆1000億円 → 1兆2000億円(+9.1%、前期比+49.9%)。市場予想1兆1863億円(QUICK、日経)。これまでの最高は2023年3月期の1兆1806億円(日経) |
|---|---|
| 4〜9月期の純利益 | 6197億円(前年同期比+74.2%)、7〜9月期は3211億円(約2.1倍、株探) |
| 自社株買い | 上限1兆円・4億2000万株、2026/11/5〜2027/7/31に東証で買い、2027/8/31に全部消す(会社の発表) |
| 配当 | 年間125円の予想は据え置き(前期110円)、中間62円(決算短信) |
| 株価(株探) | 前の取引日(11/2)の終値4772円 → 13:06の安値4508円(−5.5%)→ 14:29に4963円(+4.00%)。14:44は4985円(+4.46%、Yahoo!ファイナンス) |
| ほかの商社(11/4 14:44、Yahoo!ファイナンス) | 三井物産 −1.34%、丸紅 −2.01%、住友商事 −0.84%、伊藤忠商事 −0.29% |
| 相場全体(11/4 14:29、株探) | 日経平均 6万1409.92円(−1671.94円、−2.65%)、TOPIX 3865.35(−1.65%) |
次に見るポイント
- 11/4(水)15:30 大引け:三菱商事の上げと、ほかの商社との差がどこまで残るか
- 11/5(木):自社株買いの取得が始まる。同日、機関投資家・アナリスト向けの決算説明会(会社の発表)
- 11/6(金)22:30(日本時間):10月の米雇用統計
- 銅・原料炭・LNGの値段と円相場:下半期の予想の前提からのずれ
- 2027/7/31:自社株買いの取得期限(8/31に消却)
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出典
神崎玲子 ・ 特集 14:48 ・ 2026年11月4日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









