AGC株が一時8.8%安、年初来安値 営業利益予想を2割下げ一転減益に
AGC(5201)は5日(木)13時、2026年12月期の営業利益の予想を1500億円から1200億円に20%下げ、前の期より増える見通しから減る見通しに変えた。純利益の予想は770億円から400億円へ48%下げた。株価は発表前の2%高から一転し、一時4933円(前日比8.8%安)と年初来安値をつけた。
会社の「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」によると、売上高の予想2兆2000億円は変えず、営業利益を1500億円から1200億円(前期比5.9%減)、税引前利益を1240億円から820億円、親会社の所有者に帰属する純利益を770億円から400億円(前期比42.2%減)に下げた。1株あたりの純利益の予想は363.12円から188.55円になる。同時に出した1〜9月の決算は、売上高1兆6626億円(前年同期比10.0%増)、営業利益928億円(2.1%減)、純利益334億円(15.4%減)だった。
会社は営業利益を下げる理由に、自動車用ガラス(オートモーティブ)の北米・欧州での製造コストの悪化、基礎化学品の東南アジアでの原料・燃料の値上がり、建築ガラスの欧州・アジアと、バイオ医薬品の開発・製造の受託(CDMO)の販売数量の未達を挙げた。純利益はさらに、米コロラド州のバイオ医薬品CDMOの拠点を売るのに伴い、当初は見込んでいなかった固定資産の売却損を計上するため下がる。売却損の金額は修正のお知らせには書かれていない。
株価は発表前の12時59分に5554円(前日比+2.66%)の高値をつけていたが、13時の発表のあとマイナスに転じ(株探)、14時台に4933円まで下げた。14時46分は4951円(-8.48%、Yahoo Finance)。売上の伸びより利益の落ち込みが大きい中身で、化学品・ガラスとも原料・燃料と製造コストの上昇が重しになった。同じ日に会社は代表取締役の異動も発表し、常務執行役員の村野忠之氏が2027年1月1日付で社長執行役員CEOに、平井良典社長は代表取締役会長になる。
読み解きとして、利益の下げ幅を段階ごとに比べると、営業利益は300億円、税引前利益は420億円の下げで、差の120億円は本業の外の損だ(ヨリビケ計算)。会社はこの部分の理由にコロラド拠点の売却損を挙げている。本業の稼ぎの下方修正(300億円)と、事業を整理する損の両方が重なった形だ。配当の予想は年間210円で変えなかった。修正後の1株利益188.55円より配当のほうが多く、配当性向は100%を超える計算になる。
この先は、10〜12月の利益の積み上がりと、事業の整理の進み方だ。会社の説明資料は、収益性を上げる施策の実行に伴う「その他費用」が前年と期初の想定を上回る見通しとしている。バイオ医薬品CDMOは数量の未達が今回の修正理由の一つで、拠点の売却を含めた立て直しの説明が焦点になる。
数字で見る
| 通期の営業利益予想 | 1500億円 → 1200億円(-20.0%、前期比5.9%減)(11/5 会社発表) |
|---|---|
| 通期の純利益予想 | 770億円 → 400億円(-48.1%、前期比42.2%減)(11/5 会社発表) |
| 通期の売上高予想 | 2兆2000億円(据え置き、前期比6.9%増)(決算短信) |
| 1〜9月の実績 | 売上高1兆6626億円(+10.0%)、営業利益928億円(-2.1%)、純利益334億円(-15.4%)(決算短信・株探) |
| 年間配当の予想 | 210円(据え置き、前期も210円)(決算短信) |
| 株価(11/5) | 前日終値5410円 → 12:59 高値5554円(+2.66%)→ 14時台 安値4933円 → 14:46 4951円(-8.48%)(株探・Yahoo Finance) |
次に見るポイント
- 決算説明会(機関投資家・アナリスト向け、決算短信で開催「有」):下期の原料・燃料と製造コストの見通し
- 米コロラド州のCDMO拠点の売却:売却損の金額と、ライフサイエンス事業の今後の方針
- 2027年1月1日:村野忠之氏が社長執行役員CEOに就任(代表取締役には2027年3月30日の株主総会のあと就任予定)
- 2027年2月:2026年12月期の本決算と、来期の見通し・配当方針
出典
桐生レオン ・ 特集 15:02 ・ 2026年11月5日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









