原油1日で8.7%安、ブレント94ドル台 東京はINPEX安・JAL5%高
米国時間4日(水)、北海ブレント原油先物は1バレル94.62ドルと1日で8.7%下げた。中間選挙で負けた理由をバンス副大統領が「戦争」と認め、イランとの戦争が終わりに向かうとの見方が広がったと米CNBCは伝えている。5日(木)の東京市場では、原油を掘るINPEXが2日続けて下げ、燃料を多く使う日本航空(JAL)は5%前後上げている。
まず東京の反応だ。株探と Yahoo Finance(ともに約15分遅れ)の5日9時33分の値で、INPEXは3785〜3791円と前日より2.4〜2.6%安く、9時半前には3%超下げる場面もあった。石油資源開発も2%程度安い。一方、日本航空は3345〜3353円で5.2〜5.4%高、ANAホールディングスは3276円で3.6%高だ。石油の元売りのENEOSは0.2〜0.3%安と小幅の動きにとどまる。日経平均は同じ時刻に6万2523円(+0.54%)で、相場全体の上げより航空の上げと資源の下げが大きい。
原油の値動きの中身はこうだ。CNBCと韓国の中央日報(日本語版)によると、ブレントは8.7%安の94.62ドル、米国のWTI原油先物は8.3%安の88.12ドルで清算された。中央日報はブレントを1月限、WTIを12月限とし、約2か月ぶりの安値と伝えている。前日(3日)の清算値はブレント103.60ドル、WTI 96.09ドルで(Yahoo Finance)、ここから計算した下げ率は中央日報の8.67%・8.29%と一致する。けさのアジアの時間帯も、ブレントは94.54ドル(9時32分、Yahoo Finance)と前日の値の近くで推移している。
下げのきっかけは選挙の結果の受け止め方だ。CNBCによると、民主党が上下両院を制したことを受けて、バンス副大統領はSNSに「負けた理由は戦争だ」と書き込み、大統領自身も前夜にそう話したと説明した。トランプ大統領は英フィナンシャル・タイムズに、イランをすぐに攻撃する計画はないと話している(CNBC)。市場の見方は分かれる。CNBCによると、リポー・オイル・アソシエーツのアンディ・リポー氏は、大統領が合意に動きやすくなり、民主党が戦費を絞ろうとする可能性もあるとみる。一方、CIBCのレベッカ・バビン氏は「売りすぎかもしれない」とし、ラピダン・エナジーのボブ・マクナリー氏は、なお軍事的な緊張が高まる見込みのほうが大きいと話した。
まだ戦争が終わると決まったわけではない。Fox Newsによると、トランプ大統領は4日、さらなる軍事行動について聞かれ「イランがきちんとふるまわなければ、そうする」と答えた。CBSニュースも、大統領が合意と攻撃の両方をはかりにかけていると伝えている。ヨリビケの3日の記事のとおり、米軍は2日夜にもイランのゲシュム島を限定的に攻撃していた。原油の値段は、選挙という一つの出来事で大きく動いたが、戦争の行方そのものはまだ交渉の途中にある。
日本への波及は、まず燃料の費用だ。航空会社にとって燃料は大きな費用だ。けさの朝刊でも伝えたとおり、航空や海運など燃料を多く使う業種には追い風になりやすく、INPEXや石油資源開発のように原油を売る会社には重しになりやすい。ガソリンや電気の料金に届くのは時間がかかるため、目先は株価の方が先に動いている。この先は、11月11日(水)のENEOS、12日(木)のINPEXと石油資源開発の決算発表(株探の予定)で、会社が前提にする原油の値段がどう変わるかが注目になる。
数字で見る
| ブレント1月限(11/4 水 清算値) | 94.62ドル(−8.98ドル、−8.67%)(CNBC・中央日報、前日103.60ドルは Yahoo Finance) |
|---|---|
| WTI 12月限(11/4 水 清算値) | 88.12ドル(−7.97ドル、−8.29%)(CNBC・中央日報、前日96.09ドルは Yahoo Finance) |
| ブレント1月限 10/30(金)からの3営業日 | 113.43ドル → 94.62ドル(−18.81ドル、−16.6%)(ヨリビケ計算) |
| INPEX(11/5 9:33) | 3785〜3791円(前日比 −2.4〜−2.6%)。11/4 終値は3884円(−4.19%)(株探・Yahoo Finance) |
| 日本航空(11/5 9:33) | 3345〜3353円(+5.2〜+5.4%)(株探・Yahoo Finance) |
| ANAホールディングス(11/5 9:33) | 3276円(+3.6%)(株探・Yahoo Finance) |
| 日経平均(11/5 9:33) | 6万2523円(+335円、+0.54%)(Yahoo Finance。株探 9:28 6万2522円) |
次に見るポイント
- 米国とイランの協議:カタールの仲介。ホルムズ海峡の通航と制裁の扱い
- トランプ大統領の発言:攻撃を控えるのか、「さらなる行動」もありうるのか
- 11月11日(水):ENEOSの決算発表(株探の予定)
- 11月12日(木):INPEX・石油資源開発の決算発表(株探の予定)。会社が前提にする原油の値段
- 11月29日(日):OPEC+の全体会合。2027年の生産の枠組み
関連する動画
出典
- CNBC「Crude oil prices fall below $90 a barrel as Vance blames GOP election defeat on Iran war」(2026年11月4日)
- 中央日報日本語版「米民主党の圧勝で国際原油価格が8%以上急落」(Yahoo!ニュース)
- Fox News(ライブ記事、2026年11月4日)
- CBS News「Trump says he's weighing deal with Iran against action to "finish them off"」
- 株探:INPEX(1605)の株価
- 株探:日本航空(9201)の株価
- Yahoo Finance:Brent Crude Oil(BZ=F)
日向かなえ ・ 特集 09:48 ・ 2026年11月5日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









