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速報 | 日本株 | 2026年11月6日 11:52

JTがストップ安売り気配 ロシアが製造会社4社を一時管理下に

日本たばこ産業(JT、2914)の株は6日(金)、取引開始から買いがつかず、11時半の午前の取引終了まで値がつかなかった。株探によると、前日比1500円(19.31%)安い6269円のストップ安で売り気配。ロシアのプーチン大統領が5日(木)、JTグループのロシアの製造会社4社を「一時管理」の対象とする大統領令に署名したためだ。

動画:TBS NEWS DIG「プーチン大統領 JTロシア事業の“暫定管理”に署名 JT側『状況や今後取り得る選択肢を精査』」 YouTube で見る

JTは6日8時、東証の適時開示で「11月5日に署名されたロシア大統領令により、当社グループのロシア現地法人のうち製造会社4社が一時管理の対象とされていることを確認した」と発表した。詳しい内容、取り得る対応、グループへの影響を確かめている段階で、開示すべきことが分かれば速やかに公表するとしている。対象は、海外のたばこ事業を担うJTインターナショナル(JTI)のロシア事業のうち「JTIドンスコイ・タバック」など4社(日本経済新聞、タス通信)。タス通信とモスクワ・タイムズは、管理を任されたのは「インダストリアル・アセッツ」というロシア企業だと伝えている。

株価への効き方が大きいのは、ロシアがJTにとって大きな稼ぎ場だからだ。日本経済新聞によると、2025年12月期のロシアでのシェアは約37%で首位、ロシア事業はグループ全体の売上収益の約10%、調整後営業利益の約25%を占めた。JTは2022年のウクライナ侵攻のあともロシアで事業を続けており、開示でも「国内外におけるあらゆる制裁措置・規制等を順守した上で」続けてきたと説明している。株価は前日5日に386円(5.23%)高の7769円と年初来高値をつけたばかりで、そこから一転した。

日本政府もすぐに動いた。片山さつき財務相は6日の閣議後の会見で、外交ルートを通じてロシアに抗議し、措置の撤回を求めたと明らかにした(ロイター)。赤沢亮正経済産業相は、ロシアを訪れていた経産省と外務省の審議官がロシア政府に抗議し、措置の撤回などを至急求めたと説明した(時事通信)。木原稔官房長官は「状況を注視し、政府として適切に対応していく」と述べた(共同通信)。JTは「日本たばこ産業株式会社法」で、国が発行済み株式の3分の1を超えて持つことが決まっている会社で、株は財務相が持つ。

ロシアのこの仕組みは、2023年4月の大統領令で作られた「非友好国」の企業の資産を一時管理する制度だ(タス通信)。2023年7月には仏ダノンとデンマークのカールスバーグのロシア子会社、ことし9月17日(木)にはスイスのネスレと仏オーシャンのロシア事業が対象になった(2023年はAFP通信、9月は共同通信)。モスクワ・タイムズは、この秋に独メトロや物流のFMロジスティックなども対象になったと伝えている。インタファクス通信によると、世界の大手たばこ会社の資産がロシア企業の管理下に置かれるのは初めて(時事通信の英語版)。

この日の東京市場は日経平均が前引けで3219円29銭安の5万7858円61銭と、AI・半導体株の売りで全面安だった(株探では東証プライムの1545銘柄のうち1518銘柄が下落、11時32分)。JTは業種では「食料品」に入り、株探の業種別ランキング(11時32分、特別気配を含む)では食料品が33業種で下落率の1位だった。JTの下げは半導体の売りとは別の理由によるもので、日本を代表する大型株の一つが、1日で上限まで売られる形になった。

数字で見る

JTの株価(11/6 前場)6269円 ストップ安売り気配(−1500円、−19.31%)、始値つかず(株探 11:23)
前日の終値(11/5)7769円(+386円、+5.23%、年初来高値。株探・Yahoo Finance)
大統領令11/5(木)署名。ロシアの製造会社4社を一時管理の対象に(JTの開示 11/6 8:00)
ロシア事業の大きさ(2025年12月期)売上収益の約10%、調整後営業利益の約25%、シェア約37%で首位(日本経済新聞)
国の持ち分発行済み株式の3分の1超を国が持つ決まり(日本たばこ産業株式会社法)
日経平均(11/6 前引け)5万7858円61銭(−3219円29銭、株探・Yahoo!ファイナンス)
前例(ことし9月)9/17(木)ネスレ・オーシャンのロシア事業を暫定管理に(共同通信)
ヨリビケの見方株探の発行済み株式数20億株(自己株を含む)で計算すると、1500円の下げは株の値打ちにして約3兆円にあたる(ヨリビケ計算)。ストップ安の6269円は、1か月前の10月6日(火)の終値6936円も下回る水準だ(Yahoo Finance の日足)。ただし19.31%は1日に下がれる上限(7000円以上1万円未満の株は1500円)で決まった数字で、取引が成り立っていない以上、市場がどこで値をつけるかはまだ出ていない。JT自身も影響を「確認中」としており、ロシアの利益が今後どう扱われるかは開示待ちだ。

次に見るポイント

  • 11/6(金)15:30 大引け:JTに値がつくか、ストップ安のまま比例配分になるか
  • JTの追加の開示(判明しだい):一時管理の中身、業績・配当予想への影響
  • 日本政府の抗議・撤回要求へのロシア側の返答
  • ロシアでの一時管理がほかの日本企業に広がるか

関連する動画

動画:ANNnewsCH「プーチン大統領、JTのロシア資産『一時管理下に』」(11/5) YouTube で見る
動画:日テレNEWS「プーチン大統領 大統領令に署名 JTのロシア事業を一時管理下に」 YouTube で見る

出典

桐生レオン ・ 特集 11:52 ・ 2026年11月6日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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