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速報 | 日本株 | 2026年11月4日 11:50

三井化学一時14%安 JSRを1.3兆円以上で買う方向と報道

官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)が、2年前に買った半導体材料大手のJSRを三井化学に売る方向だと、ロイターが4日(水)午前に関係者の話として報じた。売る額は1兆3000億円以上になる可能性があるという。三井化学の株は一時、前の営業日より14.0%安い1780.5円まで下げた。JIC・三井化学・JSRはいずれもコメントしておらず、会社の発表はまだない。

動画:TBS NEWS DIG:JSRが官民ファンド「産業革新投資機構」の買収受け入れ(2023年・関連の動画) YouTube で見る

ロイターによると、決定は月内にもなる見通しだ。日本時間4日午前に伝わると(株探)、三井化学の株は売られ、10時35分に1780.5円と前の営業日(2日)の終値2070.5円より290円安くなった。11時28分時点でも1813.5円(12.4%安)で、大きな下げだ。報道の時点で、会社側のコメントは出ていない(ロイター、フィスコ)。

背景には、JICがJSRを買った狙いの変化がある。JICは2024年4月に1株4350円、総額約9000億円のTOB(株の公開買い付け)でJSRを買い、上場をやめさせた(JSR・JICの発表、M&A Online)。JSRは、半導体の回路をウエハーに焼き付けるときに使う感光材「フォトレジスト」の大手だ。JICは当初、JSRを核に半導体材料の会社をまとめる再編を掲げていたが、AIへの投資で半導体関連の会社の値打ちが上がったなかで、国内の化学大手に売る形に変えたとロイターは伝えている。ロイターは5月に売却の検討を報じ、そのときは富士フイルムホールディングスと三菱ケミカルグループが関心を示していると伝えていた。

株が下がった理由として、市場で挙がっているのはお金の負担だ。ロイターによれば、三井化学の6月末の手元資金は2178億円、有利子負債は8764億円で、借金の重さを示すネットDEレシオは0.75倍。会社が目安とする0.8倍以下に近い水準にある。三菱UFJイースマート証券の山田勤氏はロイターに、多額の資金が要ることへの懸念が先に出たと話す一方、JSRの半導体の強みが加われば、この分野での存在感が高まり評価が見直される可能性もあると述べている。成立すれば、2020年の旧昭和電工による日立化成の買収(今のレゾナック)を上回る、化学業界で最大級の再編になる可能性がある(ロイター)。

ほかの化学株も下げているが、4日は日経平均が前引けで2246円安(3.56%安)と全体が大きく売られた日でもある。半導体材料では東京応化工業が8.1%安、レゾナック・ホールディングスが8.5%安、信越化学工業が2.1%安(いずれも11時29分、株探)で、三井化学の下げのすべてが買収の報道によるものとは言い切れない。一方、買い手の候補と報じられていた三菱ケミカルグループは0.1%高、富士フイルムは1.3%安だった(同)。

この先の注目は、JICと三井化学が正式に発表するかどうか、そして買う額とお金の集め方(借り入れ・社債・新しい株の発行など)だ。三井化学は11日(水)に4〜9月期の決算を発表する予定で(株探)、そこで説明があるかに目が集まる。三菱ケミカルグループの決算は5日(木)の予定だ。なお、今回の内容は報道の段階で、ヨリビケでは会社の発表を確認できていない。

数字で見る

報道の中身(11/4 ロイター)JICがJSRを三井化学に売る方向。額は1兆3000億円以上の可能性、月内にも決定(関係者の話。3社ともコメントなし)
三井化学の株価(11/4)始値2074.0円 → 安値1780.5円(10:35、−14.0%)→ 11:28時点1813.5円(−12.4%)。前営業日11/2の終値2070.5円(株探)
三井化学の時価総額報道前(11/2終値)約7900億円 → 11:28時点 約6920億円(株探、ヨリビケ計算)
三井化学の財務(2026年6月末)手元資金2178億円、有利子負債8764億円、ネットDEレシオ0.75倍(目安0.8倍以下)(ロイター)
JICのJSR買収(2024年4月)TOB価格1株4350円、総額約9000億円。TOBは2024年4月16日に成立(JSR・JICの発表、M&A Online)
半導体材料・化学株(11/4 11:29)東京応化 −8.1%、レゾナック −8.5%、信越化学 −2.1%、富士フイルム −1.3%、三菱ケミG +0.1%(株探)
日経平均(11/4 前引け)6万835.36円(−2246.50円、−3.56%)(ザイFX!)
ヨリビケの見方報道の額は、買い手より大きい。1兆3000億円は、三井化学の報道前の時価総額(2日の終値×発行済み株数=約7900億円)の約1.6倍にあたる。また、ロイターの数字から純有利子負債(有利子負債−手元資金)を出すと約6586億円で、仮に1兆3000億円をすべて借り入れでまかなうと約1兆9600億円と今の約3倍になる(ヨリビケ計算。JSR自身の借り入れやのれんは考えていない)。実際には社債や新しい株の発行を組み合わせる方法もあり、どの形を選ぶかで既存の株主への影響は変わる。JICにとっては、約9000億円で買ったものを約2年半後に1兆3000億円以上で売る計算で、差は少なくとも約4000億円(約44%以上)になる。

次に見るポイント

  • 11/4(水)15:30 大引け:三井化学の下げがどこまで残るか
  • 11月中:JIC・三井化学の正式な発表があるか(ロイターは「月内にも決定」)
  • 11/5(木):三菱ケミカルグループの4〜9月期決算
  • 11/11(水):三井化学の4〜9月期決算。買収の説明やお金の集め方に触れるか
  • 発表があれば:買う額、借り入れと株の発行の割合、ネットDEレシオの見通し

関連する動画

動画:TBS NEWS DIG:官民ファンド「産業革新投資機構」がJSR買収へ(2023年・関連の動画) YouTube で見る

出典

日向かなえ ・ 特集 11:50 ・ 2026年11月4日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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