ヤマトHD、上期は17億円の営業赤字 通期420億円は据え置き、下期に重み
ヤマトホールディングス(9064)は4日15時30分、4〜9月期の決算を発表した。本業のもうけを示す営業損益は17億円の赤字で、前年同期(38億円の赤字)より小さくなったが、会社が示していた予想(0円)には届かなかった。通期の営業利益420億円・純利益160億円・年間配当46円は据え置き、売上高の予想だけを230億円下げた。
会社の決算短信によると、4〜9月期の営業収益は9068億円で前年同期とほぼ同じ、営業損益は17億4900万円の赤字(前年同期は37億8200万円の赤字)、経常損益は8億2600万円の赤字だった。最終的な純損益は105億6200万円の赤字で、前年同期の48億8700万円の赤字から広がった。子会社のヤマトクレジットファイナンスの株を全部売ったことに伴う「関係会社株式売却損」80億8700万円などの特別損失が、合わせて104億8600万円出たためだ。株探も同じ数字を伝えている。
同日の「業績予想と実績値との差異」の発表では、半年の実績は会社の前回予想(営業収益9200億円、営業利益0円、純損失95億円)をすべて下回った。理由として会社は、物価高で個人消費が伸びないなか大口の法人客の荷物が減ったこと、地震や台風などの災害で物流の需要が押し下げられたこと、エネルギーや材料の値上がりを挙げている。宅急便(コンパクト・EAZYを含む)の取扱数量は9億1600万個で3.9%減った一方、薄い荷物のネコポス・クロネコゆうパケットは2億5100万個で15.9%増えた。
通期では、売上高の予想を1兆9180億円から1兆8950億円に下げたが、営業利益420億円・経常利益420億円・純利益160億円は変えなかった。下期も大口の法人の荷物の伸び悩みが続く前提で、配車の一元管理や集配の効率化でコストを抑え、売上の減少分を埋めるとしている。部門別では、宅急便などのエクスプレス事業が161億円の営業赤字(前年同期より6億円改善)、企業の物流を請け負うコントラクト・ロジスティクス事業は35億円、海外のグローバル事業は44億円の黒字だった。
株価は発表前の取引時間中に大きく上げていた。米国の投資会社ファラロン・キャピタルが5.02%を持ち、長尾裕会長の取締役退任を求めていることが2日に明らかになり、4日の終値は2194.5円と前の営業日より11.54%高、高値は10時7分の2254円(+14.6%)だった。決算短信と業績修正の発表文には、ファラロンについての記述はなかった。一方で短信は、独立社外取締役が中心になって中長期の戦略や過去の投資案件の検証などを話し合う「企業価値向上委員会」を新たに設けたと記している。
この先は、5日以降の東京市場での決算への反応と、会社やファラロンが今後どんな説明をするかが焦点になる。会社は国内線の貨物専用機(フレイター)の運航を2027年6月をめどに終え、経営資源を配分し直す方針も短信に書いている。同業のSGホールディングスやNIPPON EXPRESSホールディングスの決算で、法人の荷物の動きが同じように弱いかどうかも比べどころだ。
数字で見る
| 営業収益(4〜9月) | 9068億円(前年同期比+0.0%) |
|---|---|
| 営業損益(4〜9月) | −17.5億円(前年同期 −37.8億円、会社の前回予想 0円) |
| 純損益(4〜9月) | −105.6億円(前年同期 −48.9億円、前回予想 −95億円) |
| 特別損失(4〜9月) | 104.9億円(うち関係会社株式売却損 80.9億円) |
| 通期予想(27年3月期) | 売上高1兆8950億円(−230億円)、営業利益420億円・純利益160億円は据え置き |
| 宅急便の取扱数量(4〜9月) | 9億1600万個(−3.9%)/ネコポス系 2億5100万個(+15.9%) |
| 株価(11/4終値) | 2194.5円(+11.54%)、時価総額 約7911億円(株探) |
次に見るポイント
- 11/5(木)以降の東京市場:決算と予想据え置きへの株価の反応
- 11/10(火)ヤマトHDの半期報告書の提出予定日(決算短信に記載)
- ファラロン側の追加の要求や、会社側の説明の有無
- 12/10(木)中間配当23円の支払い開始予定日
- 10〜12月期の決算(例年1月末〜2月上旬):下期の営業利益がどこまで積み上がるか
関連する動画
出典
桐生レオン ・ 特集 18:55 ・ 2026年11月4日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









