中国当局、株の下支えへ証券会社・銀行と会合と報道 上海株は1%高
中国の中央銀行にあたる中国人民銀行と証券の監督当局(証監会)などが2日(月)、証券会社・ファンド会社や銀行を集めて、株式市場を支える仕組みの使い方を話し合うと、中国の複数のメディアが業界関係者の話として報じた。上海総合指数は10月に6.33%下げており、2日は証券株を中心に買われて日本時間14時01分時点で1.16%高の3640.93だった。会合の結果について、当局の正式な発表はこの記事の時点でヨリビケでは確認できていない。
報道によると、会合は2つある。1つ目は人民銀行と証監会が一部の証券会社・ファンド会社を集め、「資本市場を支えるツール」の利用を進める方法を話し合う。2つ目は人民銀行・国家金融監督管理総局・証監会が銀行を集め、企業の自社株買いや大株主の買い増しにお金を貸す「株式買い戻し・増持向けの再貸出」の見直しを話し合う。中国の澎湃新聞が1日夕方(中国時間)に券商中国などの報道として伝え、台湾の中央社も財聯社と21世紀経済報道の報道として同じ内容を報じた。21世紀経済報道によると、証券会社やファンド会社には会議の通知が届いたという。
背景にあるのは10月の中国株の大きな下げだ。上海総合指数は9月末の3842.19から10月30日(金)の終値3599.02まで6.33%下げ、年内で初めて3600を割って取引を終えた。新浪財経によると、深セン成分指数は10月に15.94%安、新興企業の多い創業板指数と科創50は合わせて23%を超える下げになった。中国の証券会社の申万宏源は、AI向けの計算設備(算力)の過熱が冷めていることや、株を買うお金の流れが細っていることを挙げている。景気の面でも、10月の製造業PMI(景況感の指数)は49.3と、良し悪しの境目の50を下回っていた。
話し合う2つの仕組みは、2024年10月に作られたものだ。証券・ファンド・保険会社が持つ債券や株などを担保に、人民銀行から国債などを借りて株を買う資金にできる「スワップ・ファシリティ(SFISF)」が5000億元、銀行が企業の自社株買い向けに貸すお金を人民銀行が安い金利で融通する「再貸出」が3000億元で、2025年5月からは合わせて8000億元の枠として使えるようになった(第一財経)。21世紀経済報道によると、10月以降に自社株買いの計画を出した中国の上場企業は200社を超え、計画の合計は250億元を超える。
2日の市場では、みんかぶによると中信証券や招商証券などの証券株が大きく上げ、香港のハンセン指数は0.59%高、韓国総合株価指数は2.77%高だった(いずれも日本時間14時01分時点)。日本でも、中国の景気に業績が左右されやすい機械・素材・化粧品の会社や、中国向けの売上が大きい半導体の製造装置の会社がある。東京エレクトロンは7〜9月期の売上の36.4%が中国向けだった(決算説明会資料からヨリビケ計算、朝刊の記事で紹介)。中国株の下支えが中国の企業や個人の心理にどこまで届くかは、こうした日本企業の受注の見方にもつながる。
この先の注目は、会合のあとに当局が正式に何を発表するかだ。新しいお金を用意するのか、すでにある8000億元の枠の使い方を広げるのかで、市場への効き方は変わる。日本は3日(火)が文化の日で休場だが、上海と香港は取引がある。東京市場は4日(水)の寄り付きで、中国株の2日間の動きと、3日に投票がある米中間選挙の開票の行方をあわせて受け止めることになる。
数字で見る
| 上海総合指数(10/30 終値) | 3599.02、10月は−6.33%(9月末 3842.19)(新浪財経、英為財情) |
|---|---|
| 上海総合指数(11/2 日本時間14:01) | 3640.93(+1.16%)(みんかぶ) |
| 深セン成分指数(10月) | −15.94%(新浪財経) |
| 香港ハンセン指数(11/2 日本時間14:01) | 23431.45(+0.59%)(みんかぶ、CNBC) |
| 株を支える既存の枠 | SFISF 5000億元+再貸出 3000億元=8000億元(2025年5月から合算。第一財経、澎湃新聞) |
| 10月以降の自社株買いの計画 | 200社超・合計250億元超(21世紀経済報道) |
| 中国の10月の製造業PMI | 49.3(国家統計局 10/31、中央社) |
次に見るポイント
- 11/2(月):会合のあとに、人民銀行・証監会から正式な発表が出るか
- 11/3(火):東京は文化の日で休場。上海・香港は取引があり、中国株が2日目も買われるか
- 11/4(水):東京市場が再開。中国株の動きと米中間選挙(3日投票)の開票をあわせて受け止める
- 11月上旬〜中旬:中国の10月の貿易統計(税関総署)と物価統計(国家統計局)
- 10月に大きく下げた創業板指数・科創50に買いが戻るか
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出典
日向かなえ ・ 特集 14:47 ・ 2026年11月2日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









