ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 10/27 更新
ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 日本株

第一三共が8%安、AI株高の日に逆行 エンハーツの新試験は振るわず

第一三共(4568)の株価が27日(火)、前日比8%前後安く推移している。欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で、主力のがん治療薬エンハーツを早期の乳がんの手術前に使う試験の結果が振るわなかったことなどが売り材料とされる。日経平均が1000円を超えて上げた日に、時価総額で約4300億円が消えた計算になる。

白石ひかり ・ 特集 14:50 ・ 2026年10月27日
動画:大和インベスター・リレーションズ「第一三共株式会社 プレミアムサマーセミナー in 東京」 YouTube で見る

第一三共の株価は14時47分時点で2598円、前日比227円安(8.0%安、Yahoo!ファイナンス)。株探では14時32分に2594円(231円安、8.2%安)で、それまでの売買高は約982万株と、10月の各営業日の1日分(約392万〜993万株)の上限に近い。同じ14時に日経平均は1078円高の6万3268円(株探)で、アドバンテストなどAI・半導体株が指数を押し上げるなか、医薬品の大型株は逆の動きになった。

株探に載ったフィスコの記事は、ESMOの会期中に開かれたアストラゼネカの投資家向けイベントが「マイナス視されているもよう」と伝えた。エンハーツは両社が共同で開発・販売する抗がん剤で、いまは転移・再発した乳がんなどで使われている。今回の材料の一つは、より早い段階の乳がんへの広がりを試した第2相試験「TALENT」で、第一三共の発表資料によると23日(金)にESMOで最終結果が報告された。手術前にエンハーツを使ったHR陽性・HER2低発現の早期乳がん132人で、手術のときにがんが消えていた人の割合(病理学的完全奏効)は、エンハーツだけの群が7%、ホルモン剤との併用群が3%、抗がん剤に続けて使う群が9%にとどまった(OncoDaily、Cancer Therapy Advisor)。腫瘍が画像上で縮んだ人は6割を超えたが、研究者はこの試験で新しい標準治療になったとは言えないとまとめている(OncoDaily)。

もう一つの柱、肺がん薬ダトロウェイについても見通しが示された。Yahoo Finance によると、アストラゼネカのソリオ最高経営責任者は、ダトロウェイと免疫薬を組み合わせた肺がんの1次治療の試験「AVANZAR」の結果を2027年1〜3月に見込むと説明した。フィスコの記事は、発表が想定よりずれ込んだこともマイナス視されたとしている。

競合の動きも重なった。米メルクは26日(月)、中国ケルン・バイオテックから導入した抗体薬物複合体(ADC)サシツズマブ・チルモテカンが、治療歴のある進行・再発の子宮内膜がん776人の第3相試験で、生存期間の中央値を19.0か月(従来の治療は12.1か月)に延ばしたと発表した。米食品医薬品局(FDA)は優先審査で受け付け、審査の期限は2027年6月15日。この薬はTROP2という目印を狙う型で、第一三共のダトロウェイと同じ標的だ(ケアネット)。トレーダーズ・ウェブは、第一三共も子宮内膜がん向けの開発を進めていて、競合の進展も売りにつながったとみている。ほかの医薬品株も14時34分時点で中外製薬が3.4%安、アステラス製薬が1.7%安、武田薬品工業が1.4%安と軟調だった(株探)。中外製薬は27日の引け後に決算を発表する予定。

この先は、30日(金)に予定される第一三共の中間決算(Yahoo!ファイナンス、株探)が最初の節目になる。エンハーツとダトロウェイの売上の伸び、今期の見通しを変えるかに加え、今回の試験結果や開発の日程を会社がどう説明するかが焦点だ。株価は6月5日に付けた年初来安値2390円(Yahoo!ファイナンス)までは、まだ約8%の差がある。

数字で見る

第一三共(4568)の株価2598円、前日比−227円(−8.0%、14:47、Yahoo!ファイナンス)
前日(10/26)の終値2825円(株探、Yahoo!ファイナンス)
売買高約982万株(14:32時点、株探)
TALENT試験の病理学的完全奏効7%/3%/9%(3つの群、132人、第2相)
メルクの子宮内膜がんの試験生存期間の中央値 19.0か月 vs 12.1か月(776人、第3相)
AVANZAR(肺がん)の結果2027年1〜3月の見込み(アストラゼネカ)
次の決算10月30日(金)予定
ヨリビケの見方株探の時価総額(4兆8323億円、14時32分)から計算すると発行済み株式は約18.6億株で、231円安は時価総額で約4300億円の減少にあたる(ヨリビケ計算)。14時台の2590円台は、10月の終値でいちばん安かった10月14日(水)の2601円も下回る水準で、15日以降に積み上げた上げ(10月21日(水)の終値2841円まで240円)を1日で失った形だ。

次に見るポイント

  • 10月27日(火)引け後:中外製薬の決算。医薬品株の流れ
  • 10月30日(金)予定:第一三共の中間決算。エンハーツ・ダトロウェイの売上と今期の見通し、試験結果への説明
  • 2027年1〜3月の見込み:肺がん1次治療の試験AVANZAR(ダトロウェイ)の結果
  • 2027年6月15日:メルクのサシツズマブ・チルモテカン(子宮内膜がん)の米国の審査期限

関連する動画

動画:European Society for Medical Oncology (ESMO)「ESMO Congress 2026: Welcome」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

次に読む