キオクシア、10〜12月の純利益見通し1兆3600億円 前年同期の約15倍だが前の3か月比は0.3%増 日経によると市場予想の1兆5932億円に届かず、夜間の PTS で下落
キオクシアホールディングス(285A)は30日(金)の取引終了後、10〜12月期の純利益の見通しを1兆3600億円と発表した。前年同期の約15倍だが、7〜9月の実績とほぼ同じ水準で、日経によると市場予想(QUICKコンセンサス)の1兆5932億円を下回った。株価は夜間の私設取引システム(PTS)で東証の終値を下回って取引された。
会社が示した10〜12月期の見通しは、売上収益2兆5000億円、営業利益1兆9950億円、親会社の株主に帰属する純利益1兆3600億円(決算短信、株探)。前年同期と比べると、売上収益は約4.6倍(株探)、純利益は約15倍(共同通信、株探)になる。前年同期(2025年10〜12月)の純利益は878億円だった(株探)。一方、直前の7〜9月期と比べると、売上収益は0.8%増、純利益は0.3%増にとどまる(株探)。前提の為替は1ドル157円で、7〜9月の実績の161円より円高を見込んでいる(決算短信、ヨリビケ10/30の記事)。
日経によると、事前の市場予想(QUICKコンセンサス)は1兆5932億円で、会社の見通しはこれに届かなかった。差は2332億円で、見通しは予想を約14.6%下回る(ヨリビケ計算)。会社は、データセンター向けの需要は旺盛に続くと想定する一方、為替の悪化を見込むとしている(株探、決算短信)。7〜9月期の実績(純利益1兆3557億円)は、7月に会社が出していた見通し(1兆2700億円)を約6.7%上回っており、今回も実績は会社の見通しを超えた(決算短信、株探)。中間配当は上場後初めての1株90円(株式分割前の株数、分割後に直すと30円)で、12月8日(火)に支払う(会社の発表)。
市場の最初の反応は夜間に出た。株探によると、ジャパンネクスト証券の PTS で30日の東証終値(1万3470円)より7%安い場面があり、31日4時48分の時点では1万1805.5円(東証終値比約12.4%安)だった(株探の個別ページ、ヨリビケ計算)。決算の発表は東証の取引が終わった後で、30日の終値1万3470円(1035円安、7.14%安)には決算の内容は入っていない(株探)。同じ30日の NY 市場では、同業の米サンディスクが13.47%安の1150.89ドルで終え(株探、Yahoo Finance)、株探(MINKABU PRESS)の概況は、好決算でも下げたと伝えている。大阪取引所の夜間取引では、日経平均先物が30日の日経平均の終値を870円下回って終えた(株探、5本目の記事)。
比べて読むと、「前年の15倍」と「予想に届かず」は同じ数字の見方の違いだ。前年同期と比べれば利益は大きく伸びているが、市場が見ていたのは前の3か月からの伸びだ。市場予想の1兆5932億円は、7〜9月の実績1兆3557億円より約17.5%多い。市場は10〜12月もメモリーの値上がりで利益が増え続けると見込んでいたが、会社の見通しはほぼ横ばいだった(ヨリビケ計算)。為替の前提(4円の円高)だけで説明できる差ではなく、1ドル161円のままでも売上は単純計算で約2.5%多くなる程度だ(10/30の記事の計算)。会社は1年間の計画を出しておらず、3か月ごとの見通しが市場の受け止めを左右している。
この先は、11月2日(月)の東証が決算を受けた最初の取引になる。3日(火)は文化の日で休場で、4日(水)は米国のアップルと AMD の決算が出たあと、中間選挙の開票が進む中で取引が再開する。会社の資料では、11月6日(金)に半期報告書を出す予定。次の決算(10〜12月期)では、会社の見通し(純利益1兆3600億円、1ドル157円の前提)との差が確かめどころになる。
数字で見る
| 10〜12月期の会社見通し 純利益 | 1兆3600億円(前年同期878億円の約15倍、前の3か月比+0.3%)(決算短信、株探、共同通信) |
|---|---|
| 10〜12月期の会社見通し 売上収益・営業利益 | 2兆5000億円(前の3か月比+0.8%)・1兆9950億円、1ドル157円の前提(決算短信、株探) |
| 市場予想(QUICKコンセンサス) | 純利益 1兆5932億円(日経)。会社見通しは2332億円(約14.6%)下回る(ヨリビケ計算) |
| 7〜9月期の実績 純利益 | 1兆3557億円。7/31の会社見通し1兆2700億円を約6.7%上回る(決算短信、株探) |
| 株価(10/30 東証終値・決算前) | 1万3470円(−1035円、−7.14%)、時価総額 約22.2兆円(株探) |
| PTS(ジャパンネクスト) | 東証終値比7%安の場面(株探の記事)、10/31 4:48 に 1万1805.5円(株探の個別ページ) |
| 米サンディスク(10/30 NY) | 1150.89ドル(−179.16ドル、−13.47%)(株探、Yahoo Finance) |
次に見るポイント
- 11/2(月):決算を受けた最初の東証の取引(3日は文化の日で休場)
- 11/6(金):半期報告書の提出予定日(決算短信より)
- 次の決算(10〜12月期):会社見通し(純利益1兆3600億円、1ドル157円の前提)との差
関連する動画
出典
- キオクシアホールディングス「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年10月30日)
- キオクシアホールディングス「株主還元方針及び剰余金の配当(中間配当・初配)に関するお知らせ」(2026年10月30日)
- 日本経済新聞「キオクシアの10〜12月、純利益15倍の1兆3600億円 配当実施」(10/30)
- 共同通信「キオクシア、10〜12月純利益15倍予想」(Yahoo!ニュース)
- 株探「キオクシア、10~12月期最終利益15倍を計画 中間期で初配実施」(10/30 19:11)
- 株探「キオクシアがPTSで急落、10~12月期最終利益予想は前四半期比で微増」(10/30)
- 株探 キオクシアホールディングス(285A)業績(3か月決算の実績)
- ヨリビケ「キオクシア、7〜9月は会社予想超え 10〜12月は横ばい見通し、初配当90円」(10/30)
桐生レオン ・ 朝刊 06:14 ・ 2026年10月31日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









