キオクシア、7〜9月は会社予想超え 10〜12月は横ばい見通し、初配当90円
キオクシアホールディングス(285A)は30日(金)18時45分、7〜9月期の決算を発表した。売上収益は2兆4800億円、営業利益は1兆9947億円で、7月に出した会社の見通しをそれぞれ3.8%、5.5%上回った。次の10〜12月期は売上・利益とも7〜9月とほぼ同じ水準を見込み、上場後初めての配当(中間90円)も決めた。
7〜9月の3か月の売上収益は2兆4800億円で、前の4〜6月から7129億円(40.3%)増えた。前年同期の4483億円と比べると約5.5倍だ。営業利益は1兆9947億円、親会社の株主に帰属する純利益は1兆3557億円(前年同期の約33倍、株探)。売上に対する営業利益の割合は80.4%と、前年同期の19.2%から大きく上がった。7月31日に会社が出していた見通し(売上収益2兆3900億円・営業利益1兆8900億円・純利益1兆2700億円)を、売上で900億円、営業利益で1047億円、純利益で857億円上回った。4〜9月の半年では売上収益4兆2472億円、純利益2兆1979億円(前年同期の約37倍)になる。
会社は増収の理由を「生成AI用途を中心としたデータセンター向け顧客の需要が旺盛」で、平均の販売単価が大きく上がり、記憶容量で見た出荷も増えたためと説明している。用途別では、データセンター向けを含む「SSD&ストレージ」が1兆6160億円(前の3か月より4413億円増)、スマートフォンやPC向けの「スマートデバイス」が7889億円(2632億円増)。短信は、スマートフォン・PC向けの需要は鈍っている一方、AIサーバー向けが市場を広げているとも書いている。
注目された10〜12月期の見通しは、売上収益2兆5000億円(前の3か月比0.8%増)、営業利益1兆9950億円(ほぼ横ばい)、純利益1兆3600億円(0.3%増)。会社は「データセンター向けの需要が旺盛に推移することが予想されるものの、為替の悪化を見込む」として、7〜9月と同じ水準とした。前提のドル円は1ドル157円で、7〜9月の実績161円より4円の円高だ。会社は1年間の計画を出しておらず、示したのは10〜12月までの9か月分(売上収益6兆7472億円・営業利益5兆2597億円)だけだ。
株主への還元も始める。9月末を基準日に1株90円の中間配当を出す(総額479億円、12月8日に支払い)。これは10月1日の株式分割(1株→3株)の前の株数での金額で、いまの株数に直すと1株30円になる。あわせて「設備投資などをまかなったうえで、中長期的に余った資金の100%を株主還元に充てる」「累進配当(原則として減らさない配当)」という方針を示した。8月には8000億円の自社株買いをすでに行っている。同じ日、子会社のキオクシアがキオクシア岩手(岩手県北上市)を2027年4月1日に吸収合併すると決めた。目的は「最先端のフラッシュメモリの製造力の強化」としている。
決算が出たのは取引が終わった後で、30日のキオクシアの株価は決算の前に1万3470円(前日比1035円安、7.14%安)で引けた。株探(MINKABU PRESS)によると、同業の米サンディスクは29日に市場予想を上回る決算を出したが、米ハイテク株の時間外での急落でAI・半導体株に慎重な見方が出たうえ、前日までの指数(TOPIX)の入れ替えに伴う買いの支えがなくなったことが重荷になった。決算への最初の反応は11月2日(月)の東証で出る。10〜12月の「横ばい」の見通しを、メモリーの値上がりが続くとみる市場がどう受け止めるかが焦点だ。
数字で見る
| 7〜9月期 売上収益 | 2兆4800億円(前の3か月比+40.3%、前年同期の約5.5倍)。7/31の会社見通しは2兆3900億円(決算短信) |
|---|---|
| 7〜9月期 営業利益 | 1兆9947億円、営業利益率80.4%(前年同期19.2%)。7/31の会社見通しは1兆8900億円(決算短信、株探) |
| 7〜9月期 純利益(親会社帰属) | 1兆3557億円(前年同期の約33倍)。7/31の会社見通しは1兆2700億円(決算短信、株探) |
| 10〜12月期の会社見通し | 売上収益2兆5000億円(+0.8%)・営業利益1兆9950億円(+0.0%)・純利益1兆3600億円(+0.3%)、1ドル157円(決算短信) |
| 中間配当(初配) | 90円=分割前の株数(分割後に直すと30円)、総額479億円、12/8支払い(配当のお知らせ) |
| 4〜9月の設備の取得(現金) | 1353億円(前年同期1431億円)(決算短信のキャッシュ・フロー) |
| 株価(10/30 終値・決算発表の前) | 1万3470円(−1035円、−7.14%)、時価総額 約22.2兆円(株探) |
次に見るポイント
- 11月2日(月):決算を受けた最初の東証の取引
- 11月6日(金):半期報告書の提出予定日(決算短信より)
- 11月30日(月):TOPIXでの浮動株比率の見直し2回目
- 12月8日(火):中間配当90円(分割前の株数)の支払い開始
- 次の決算(10〜12月期):会社見通し(売上収益2兆5000億円・営業利益1兆9950億円)との差と、1ドル157円の前提
関連する動画
出典
- キオクシアホールディングス「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年10月30日)
- キオクシアホールディングス「株主還元方針及び剰余金の配当(中間配当・初配)に関するお知らせ」(2026年10月30日)
- キオクシアホールディングス「連結子会社間の合併に関するお知らせ」(2026年10月30日)
- キオクシアホールディングス「2027年3月期 第1四半期 決算短信」(2026年7月31日、7〜9月期の会社見通し)
- 株探「キオクシア、上期最終が37倍増益で着地・7-9月期も33倍増益」(2026年10月30日18時45分)
- 株探(MINKABU PRESS)「キオクシアが急反落、米ハイテク株の時間外急落と需給要因はく落で調整色強める」(2026年10月30日)
- 株探 キオクシアホールディングス(285A)株価(10月30日終値)
桐生レオン ・ 特集 18:50 ・ 2026年10月30日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。








