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速報 | 米国株 | 2026年11月2日 07:45

メタの格付け見通し、S&Pが「ネガティブ」に AI投資で現金収支が赤字

米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは10月30日(金)、フェイスブックやインスタグラムを運営する米メタの格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。格付けのAA−は据え置いた。AI向けの設備投資が稼ぐ現金を上回り、借り入れが増えるとみたためだ。発表は米国の取引が終わった後で、株価の最初の反応は日本時間2日(月)夜からの米国市場で出る。

動画:Bloomberg Television:決算をきっかけに広がった米ハイテク株の売り(10/30) YouTube で見る

ロイターとブルームバーグによると、S&Pはメタの設備投資と、事業から生まれる現金から投資を引いた「フリー・キャッシュフロー」に大きな不確実性があるとした。S&Pは2027年のフリー・キャッシュフローを710億ドルの赤字と見込み、これまで2028年には黒字に戻るとしていた見方も改めた。2028年以降も赤字が続くおそれがあり、足りない分は借り入れで賄うとみている。見通しの「ネガティブ」は、すぐに格下げするという意味ではなく、今後格下げの可能性があるという予告にあたる。

背景にあるのは、10月21日(水)のメタの決算だ。メタの発表によると、7〜9月期の売上高は646億ドルと前年同期比26%増えたが、設備投資(ファイナンス・リースの元本の支払いを含む)は349億1000万ドルに膨らみ、フリー・キャッシュフローは21億2000万ドルの赤字になった。2026年の設備投資の見通しは1350億〜1450億ドル(前回は1300億〜1450億ドル)。長期の借入金は9月末で809億2000万ドルと、2025年末の587億4000万ドルから増えた。ブルームバーグによると、S&Pは「メタがAIへの投資をもうけにつなげる力は、同業他社より限られている」と指摘した。メタはロイターに対し、S&Pの見方には同意しないと答えている。

S&Pが格付けの目安にしているのは、借金の重さを示す倍率(調整後のレバレッジ)だ。ロイターとフォーチュンによると、2025年は約0.1倍だったこの倍率が、早ければ2027年にAA−の目安とする1.0倍を超えるおそれがあるという。ロイターによると、S&Pは倍率が上がる主な理由を、社債の発行よりもデータセンターの借り受け(リース)の増加とみている。AI投資の波は、半導体だけでなく、データセンターを建てて貸す会社や、その資金を出す社債の買い手にも広がっていることになる。

市場の受け止めはすでに厳しい。メタの株価は決算前日の10月21日の終値697.52ドルから、30日(金)の終値614.99ドルまで約11.8%下げた(終値はYahoo Finance、StockAnalysis)。30日は米ハイテク株が大きく売られた日でもあり、ブルームバーグによるとナスダック100指数は3.5%下げた。同じ週にはアルファベットやアマゾン、インテルの決算をきっかけに、大手ITのAI投資が見合うもうけを生むのかを問う売りが広がっていた。日本でも、半導体の製造装置や検査装置、データセンター向けの電線や電子部品の会社は、米大手のAI投資を追い風に挙げてきた。米大手が借り入れに頼って投資を続けられるかは、こうした日本株の受注の見通しにもつながる。

この先の注目は、格付け会社の目が投資の「中身」から「お金の出どころ」に移ったことだ。メタは2027年の設備投資の具体的な見通しを、次の10〜12月期の決算で示すと報じられている。S&Pは、レバレッジが1.0倍を上回り続け、フリー・キャッシュフローの赤字が2028年より先まで続く場合に格下げを検討するとしている。日本は3日(火)が文化の日で休場のため、東京市場はメタの株価の反応を4日(水)の寄り付きで受け止めることになる。

数字で見る

S&Pの判断(10/30)見通し 安定的→ネガティブ、格付けAA−は据え置き(ロイター、ブルームバーグ、フォーチュン)
S&Pの2027年のフリー・キャッシュフロー予想710億ドルの赤字(ロイター、フォーチュン)
S&Pの設備投資の見込み2026年 約1400億ドル、2027年 2250億ドル超(フォーチュン、Taipei Times)
レバレッジ(S&P)2025年 約0.1倍 → 早ければ2027年に目安の1.0倍超(ロイター、フォーチュン、Taipei Times)
7〜9月期の売上高646億ドル(前年同期比+26%)(メタ決算発表 10/21、SEC)
7〜9月期の設備投資・FCF設備投資 349億1000万ドル、フリー・キャッシュフロー −21億2000万ドル(メタ決算発表)
2026年の設備投資の見通し1350億〜1450億ドル(前回 1300億〜1450億ドル)(メタ決算発表)
メタの株価10/21 697.52ドル → 10/30 614.99ドル(−11.8%、終値。Yahoo Finance、StockAnalysis)
ヨリビケの見方メタの決算発表の数字で見ると、7〜9月期は売上高の約54%(646億ドルのうち349億ドル)を設備投資に回したことになる。長期の借入金は9か月で約222億ドル(約38%)増えた一方、9月末の現金と有価証券は824億5000万ドルで、長期の借入金809億2000万ドルをまだ約15億ドル上回っている(ヨリビケ計算)。手元の現金と借金がほぼ並んだ状態で、S&Pの見方どおり赤字が続けば、この順番が入れ替わることになる。

次に見るポイント

  • 11/2(月) 米国市場(日本時間23:30から、冬時間)でのメタの株価の最初の反応
  • 11/3(火) 日本時間の早朝にアップルの決算。東京市場は文化の日で休場
  • 11/4(水) 東京市場の寄り付き、半導体・電線などAI関連株の動き
  • 11/6(金) 日本時間の夜に米10月の雇用統計
  • メタの10〜12月期の決算 2027年の設備投資の見通しと、ほかの格付け会社の判断

関連する動画

動画:Bloomberg Television:メタの決算とAI投資の計画のポイント(10/21) YouTube で見る
動画:SBSニュース(韓国):S&Pがメタの見通しを「ネガティブ」に(韓国語) YouTube で見る

出典

神崎玲子 ・ 特集 07:45 ・ 2026年11月2日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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