NY原油、8日続伸で1か月ぶり高値 東京ではINPEXは小幅高
19日のニューヨーク原油先物(WTI)は前週末比2.25ドル高の1バレル103.66ドルと8日続伸し、約1か月ぶりの高値で終えた。親イランのフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃で中東の供給不安が強まった。20日の東京では原油高が株式の重荷とされる一方、資源株の上げは小幅で、物価と金利を通じた影響が銀行株などに出た。
御堂聡一 ・ 夕刊 16:10 ・ 2026年10月20日ニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTI 11月物は19日、103.66ドルで取引を終え、取引時間中には104.18ドルまで上げた(共同通信・日経)。日経によると、フーシ派は19日にサウジアラビアのエネルギー施設や空港、軍事施設を攻撃したと表明し、紅海周辺の海上輸送への警戒も高まった。エジプトではサウジ支援のための軍の派遣について議会が26日にも採決する見通しで、紛争に関わる国が増えることへの懸念もあるという(日経)。
原油高は物価と金利に波及した。米財務省の公表値で、19日の米10年債利回りは5.15%と16日の5.09%から上がった。日経は、原油高によるインフレ懸念が米長期金利を押し上げたと伝えている。為替では、外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏が20日朝、構造的な円安の要因の一つが貿易赤字で、原油高は赤字を広げるため円売りを誘いやすいと解説した。ドル円は12時時点で158円44〜45銭と前日17時より28銭の円安だったが、午後は米長期金利と原油相場の下落を受けてドルが売られ、14時に158円16〜17銭、その後158円06銭まで下げた(日経・株探)。
東京株式市場では、原油高の恩恵を受ける資源株の上げは小さかった。INPEXは0.45%高の3823円で、鉱業は業種別で0.14%高にとどまった。石油・石炭製品は0.32%安でENEOSホールディングスは0.60%安。燃料費がかさむ空運は0.78%安で、ANAホールディングスが0.99%安、日本航空が0.54%安だった(株探・Yahoo!ファイナンス)。
意外な波及は銀行株だ。業種別で銀行業は4.33%安と、非鉄金属に次ぐ下げだった。株探によると、原油高によるインフレ懸念で米長期金利が上がり、暴動が続くフランスの国債が売られて欧米の銀行株が下げた流れが東京にも及んだ。さらに、財務省の20年債入札で応札倍率が過去最高の水準となり、国内の金利上昇が一服するとの見方から、金利上昇の恩恵を受ける銀行株が後場に売り直された。みずほフィナンシャルグループは5.04%安、三菱UFJフィナンシャル・グループは3.65%安だった(株探・Yahoo!ファイナンス)。
この先は、サウジとフーシ派の衝突の行方と、エジプトの軍派遣を巡る採決(26日の見通し)が原油の供給不安を左右する。日本では23日(金)に9月の全国消費者物価が発表され、エネルギー価格の上昇がどこまで物価に表れているかが分かる。
数字で見る
| NY原油 WTI 11月物(10/19 終値) | 103.66ドル(+2.25ドル、+2.2%、8日続伸、共同通信・日経) |
|---|---|
| WTI 取引時間中の高値(10/19) | 104.18ドル(期近物で9月中旬以来、日経) |
| 米10年債利回り(米財務省) | 10/19 5.15%(10/16 5.09%) |
| ドル円(10/20) | 12:00 158円44〜45銭 → 14:00 158円16〜17銭(日経)、安値 158円06銭(株探) |
| 資源・燃料関連(10/20 終値) | INPEX +0.45%/ENEOS −0.60%/ANA −0.99%/JAL −0.54% |
| 業種別(10/20 大引け、株探) | 鉱業 +0.14%/石油・石炭 −0.32%/空運 −0.78%/海運 −1.72%/銀行 −4.33% |
| 銀行株(10/20 終値) | みずほFG 7,686円(−5.04%)/三菱UFJ FG 3,351円(−3.65%) |
次に見るポイント
- サウジアラビアとフーシ派の衝突、エジプト議会の軍派遣を巡る採決(26日の見通し、日経)
- 23日(金)8:30 日本の9月の全国消費者物価
- WTIが100ドル台を保つかと、米10年債利回り(19日 5.15%、米財務省)
出典
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