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特集 | 企業・決算

モデルナ株が1日で17.6%安 がんワクチンの試験データが発表前に流出

米モデルナの株が22日(米国時間)、一時25%を超えて下げ、終値は17.57%安の202.63ドルだった。メルクと共同開発しているメラノーマ(皮膚がんの一種)のワクチンの最終段階の試験結果が、学会での発表の2日前にネットに漏れたのがきっかけだ。結果そのものは良好だったが、前の段階の試験の数字に届かず、期待で何倍にも上がっていた株価が大きく下げた。

桐生レオン ・ 特集 07:45 ・ 2026年10月23日
モデルナ株が1日で17.6%安 がんワクチンの試験データが発表前に流出
画像:ヨリビケ(AI生成)

漏れたのは、個別化mRNAワクチン「intismeran autogene」の第3相試験(INTerpath-001)の詳しい結果だ。TIKR と Investing.com によると、米東部時間22日午後12時30分ごろ、医療ニュースのサイト「Oncology Central」に掲載され、まもなく削除された。正式な発表は、マドリードで開かれる欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で24日(土)に予定されていた。掲載の直後から売りが膨らみ、値動きが激しくなったため売買が一時止められた。

株価は、前日の終値245.81ドルから、取引時間中に183.04ドルまで下げた(約25.5%安)。日経は一時26%安と伝えている。終値は202.63ドルで、前日比17.57%安だった。同じ日は米国株全体も下げたが、モデルナの下げはそれを大きく上回り、個別の材料によるものとみられる。

試験の中身は悪くない。患者1,137人を対象に、メルクの免疫治療薬「キイトルーダ」とワクチンを組み合わせると、キイトルーダ単独と比べて再発または死亡のリスクが42%下がった。2年後に再発していない人の割合は、組み合わせが82.2%、単独が70%だった。両社は8月に、この試験が主要な目標を達成したと発表していた。

それでも売られたのは、期待がそれ以上だったからだ。TIKR などによると、前の段階(第2b相)の試験では、再発または死亡のリスクが49%下がっていた。試験の規模や追跡の期間が違うため単純には比べられないが、市場はこれに近い数字を織り込んでいた。株価は、8月に試験の成功が発表された日に1日で2倍以上になるなど、今年に入って何倍にもなっていた。9月30日には、シティグループのアナリストが「今の時価総額は正当化できない」として投資判断を「売り」に引き下げていた(目標株価80ドル)。

この先は、24日の学会での正式な発表で、漏れた数字の確認と詳しい中身(遠隔転移を防ぐ効果、副作用、患者のグループごとの差)が焦点になる。モデルナは11月6日に7〜9月期の決算を発表する予定だ。共同開発のメルクの株も22日に下げた。

数字で見る

モデルナ(MRNA)10/22 終値202.63ドル(−17.57%)
前日 10/21 の終値245.81ドル
10/22 の安値183.04ドル(前日比 約−25.5%)
試験(INTerpath-001、第3相、1,137人)キイトルーダとの併用で、単独と比べ再発・死亡リスク 42%低下
2年後に再発なし併用 82.2%/単独 70%
前の段階(第2b相)の試験再発・死亡リスク 49%低下(規模・期間が違う)
シティグループ(9/30)投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価 80ドル
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、22日の終値202.63ドルは、シティグループが「売り」に引き下げる前日、9月29日の終値203.46ドルとほぼ同じ(−0.4%)だった。9月30日から21日までの3週間あまりで積み上がった上げ(203.46ドル→245.81ドル、約+20.8%)を、1日でほぼ失った形になる。結果が良好でも、事前の期待との差で株価が大きく動くことを示した。

次に見るポイント

  • 10/24(土)欧州臨床腫瘍学会(ESMO、マドリード):INTerpath-001 の正式な発表。漏れた数字と同じか、遠隔転移や副作用などの詳しい中身
  • 10/26(月)米国市場:正式発表のあと最初の取引でのモデルナとメルクの値動き
  • 11/6(金)米東部時間8:00:モデルナの7〜9月期決算と説明会

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。