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特集 | 企業・決算

GMOのFX自動売買用サーバーに不正アクセス 口座で不正操作の報告も

GMOインターネットが提供するFX自動売買用の貸しサーバー「お名前.com デスクトップクラウド」に不正アクセスがあった。21日は「悪用は確認されていない」としていたが、22日の第2報で、サーバーに保存されていた取引口座のログイン情報などが第三者に取得され、不正に使われた可能性があると発表し、口座で不正な操作があったとの報告も明らかにした。使っている人は、このサーバー以外の端末から、すぐにパスワードを変える必要がある。

神崎玲子 ・ 特集 22:50 ・ 2026年10月22日
動画:日テレNEWS「【サーバー2万件超】FX取引サービスにサイバー攻撃…口座情報やパスワード漏えいの可能性 GMOインターネット」 YouTube で見る

狙われたのは、GMOインターネット(GMOインターネットグループの子会社)の「お名前.com デスクトップクラウド」だ。FXの自動売買ソフトや取引ツール(MT4/MT5など)を、自宅のパソコンを点けっぱなしにせず24時間動かすために借りる、ネット上のサーバー(VPS)にあたる。会社の発表によると、20日に一部の利用者のサーバーで第三者が不正なプログラムを設置していたことを確認した。影響の可能性があるサーバーは2万6739件で、全プランのサーバーを止めており、再開の時期は決まっていない。

経緯は2日で一転した。会社の第2報によると、19日に利用者からの問い合わせを受けて調べ始め、20日に不正なプログラムを見つけて新規の申し込みと管理画面を止めた。21日午前4時から全プランのサーバーを順に止め、第1報を出した。この時点では、サーバー内の情報が見られた可能性はあるものの、会社が預かる個人情報の漏えいや、見られた情報の悪用は確認されていないとしていた。ところが22日16時59分時点の第2報では、サーバーに保存されていた取引口座のログイン情報などが第三者に取得され、不正に使われた可能性があると発表した。利用者から、取引口座で第三者による不正な操作があったとの報告を受けており、22日に警察に相談したとしている。

ここで大事なのは、漏れたおそれがあるのは「会社のデータベース」ではなく「利用者がサーバーの中に保存していた情報」だという点だ。自動売買ソフトは、証券会社やFX会社の口座にログインした状態で動き続ける。そのログイン情報がサーバーごと見られると、口座そのものを操作されかねない。会社は利用者に、取引ツールと取引口座のパスワードを、このサーバー以外の端末から至急変更し、そのあとログオフ(接続の切断)するよう求めている。あわせて、取引履歴と残高を確かめ、身に覚えのない取引があれば取引先の会社に連絡すること、取引先が二段階認証を用意していれば設定すること、同じパスワードをほかのサービスでも使っていれば変えることを呼びかけている。クレジットカードなどの決済情報は、このサーバー上では持っていないとしている。便乗した偽メールにも注意が要る。会社は、メールや電話でパスワードやカード情報を聞くことはないとしている。

GMOのグループで、不正アクセスが表に出たのは今月2件目だ。グループのGMOリサーチ&AIは、アンケートサイト「infoQ」が、使っていたソフトの弱点(脆弱性)を突かれて侵入され、会員の個人情報が外部に持ち出されたと5日に発表した。14日の第2報で、持ち出された件数を89万4,082件と確定した(第1報では最大94万8,498件)。会員のポイントが本人の意思によらずAmazonギフトコードに交換された件も611件・計286万9,500円あり、同社は全額を補填するとしている。日経によると、熊谷正寿会長兼社長は9日にXで、グループ全社・全サービスの点検と、8000人を超える従業員の再教育を明らかにしていた。今回のサーバーの件は、その点検のさなかに起きた。

株価も下げた。22日の東京市場で、GMOインターネットグループ(9449)は138円(3.45%)安の3,867円で、売買された株数(出来高)は60万6,200株と、前日の25万3,300株から大きく増えた。サーバーを運営するGMOインターネット(4784)は12円(2.35%)安の498円で、この日の安値で取引を終えた。ただ、この日は日経平均も1,713円(2.65%)安と市場全体が大きく下げており、下げのどこまでが今回の件によるものかは切り分けられない。この先は、不正な操作の被害がどこまで広がるか、侵入の経路の調査結果、サービスの再開時期、そして利用者への対応がどうなるかが焦点になる。補償について、会社は22日時点で触れていない。

数字で見る

影響の可能性があるサーバー2万6739件(全プラン停止中、再開は未定。会社発表 10/22 16:59時点)
経緯10/19 問い合わせで調査開始 → 10/20 不正なプログラムを確認 → 10/21 4:00 全サーバーを順次停止
第1報(10/21 4:00時点)情報が閲覧された可能性。悪用は確認されず
第2報(10/22 16:59時点)口座のログイン情報などが取得され不正利用の可能性、口座で不正操作の報告。警察に相談
今月1件目(infoQ)個人情報 89万4,082件が持ち出し(10/14 確定)、ポイント不正交換 611件・286万9,500円
GMOインターネットグループ(9449、10/22 終値)3,867円(−138円、−3.45%)、出来高 60万6,200株(前日 25万3,300株)
GMOインターネット(4784)/日経平均(10/22 終値)498円(−12円、−2.35%)/6万2,907円(−1,713円、−2.65%)
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、22日のGMOインターネットグループの出来高(60万6,200株)は前日(25万3,300株)の約2.4倍で、下げ幅3.45%は日経平均の2.65%より0.80ポイント大きく、TOPIX(1.14%安)と比べると2.31ポイント大きい。一方、サーバーを運営するGMOインターネットの下げ(2.35%)は日経平均より0.30ポイント小さかった。また、22日の取引が終わったのは15時30分で、第2報(16時59分時点)より前だ。第1報が出た21日には、グループ株はむしろ0.75%高だった(日経平均は0.85%高)。つまり22日の終値は、「不正な操作の報告」が公表される前の値で、第2報への市場の受け止めが出るのは23日からになる。

次に見るポイント

  • 10/23(金)東京市場:第2報が出たあと最初の取引。GMOインターネットグループ(9449)とGMOインターネット(4784)の値動きと出来高
  • 日付未定:会社の続報(不正な操作の件数や被害の範囲、侵入の経路の調査結果、サービスの再開時期、利用者への対応)
  • 日付未定:infoQの調査結果と再発防止策、サービスの再開
  • 11/13(金)15:31予定:GMOインターネットグループとGMOインターネットの7〜9月期決算の発表。今回の件への言及があるか

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動画:ANNnewsCH「GMOアンケートサイトに不正アクセス 会員ポイントが勝手にギフトコードに交換」(10/6、今月1件目のinfoQ) YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。