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ディスコ、7〜9月の営業益52%増で最高 10〜12月は前の期を下回る計画

半導体の「切る・削る・磨く」装置の大手ディスコは22日16時、4〜9月期決算を発表した。7〜9月期の営業利益は676億円と前年同期比52%増え、7月に示した会社計画(約559億円)を約2割上回った。一方、新たに示した10〜12月期の計画は、営業利益が約581億円と前年同期より23%多いものの、7〜9月の実績よりは14%少ない。

神崎玲子 ・ 特集 16:10 ・ 2026年10月22日
ディスコ、7〜9月の営業益52%増で最高 10〜12月は前の期を下回る計画
画像:ヨリビケ(AI生成)

ディスコの4〜9月期の連結売上高は2570億円(前年同期比32.1%増)、営業利益は1166億円(47.9%増)、純利益は803億円(43.7%増)だった(決算短信)。4〜6月期の実績を差し引いた7〜9月期だけでみると、売上高1427億円(36.4%増)、営業利益676億円(52.3%増)、純利益461億円(43.5%増)で、株探の集計では四半期として過去最高になった。売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は47.4%と、前年同期の42.4%から5ポイント上がった。4〜9月の営業利益は、7月時点の会社計画(1049億円)を11.2%上回った。

会社は、生成AIの広がりでデータセンター向けの投資が続き、最先端の演算用半導体や、AI向けの高速メモリー「HBM(広帯域メモリー)」向けの需要が高い水準で続いたと説明している。ディスコの装置は、ウエハーを薄く削ったり、チップに切り分けたりする工程で使われ、チップを何層にも重ねるHBMでは削る・切る工程が増える。消耗品の刃や砥石の出荷も、顧客の工場の稼働率に連動して高い水準だった。利益率が上がった理由には、付加価値の高い製品が増えたことに加え、為替の影響を挙げている(決算短信)。

ディスコは、半導体の業界では顧客の投資意欲が短い間に大きく変わり需要の予測が難しいとして、業績の見通しを「1四半期先まで」しか示していない。今回示した4〜12月期の計画(売上高3895億円、営業利益1747億円、純利益1219億円)から4〜9月の実績を引くと、10〜12月期は売上高約1324億円、営業利益約581億円、純利益約415億円になる(ヨリビケの計算)。前年同期と比べると売上高で21%、営業利益で23%多いが、7〜9月の実績と比べると売上高は7%、営業利益は14%少ない。会社は4〜12月の出荷額を4342億円と見込んでいる(4〜9月の出荷額の実績は2845億円)。ディスコは客先で装置の受け入れの確認(検収)が済んでから売上を立てており、出荷と売上の時期にはずれがある。

配当は、上半期の純利益の25%を配る方針どおり、中間配当を1株186円とした。7月時点の予想(171円)から15円増え、前年の中間配当(129円)より57円多い(配当のお知らせ)。決算発表前の22日の東京市場では、日経平均が1713円40銭安(2.65%安)の6万2907円84銭と大きく下げ、半導体関連株が売られた。ディスコの終値は2340円安の5万1230円(4.37%安)、東京エレクトロンは710円安の9450円(6.99%安)、アドバンテストは6.01%安、ディスコと同じく切る・削る装置を作る東京精密は6.26%安だった(株探、Yahoo!ファイナンス)。日経平均は10月6日の終値の最高値(7万683円98銭)を約11%下回っている。

この先は、日本の半導体関連の決算が続く。株探の予定では、アドバンテストが28日、東京エレクトロンが30日、東京精密が11月4日に発表する。ディスコの7〜9月の数字で見えた「AI向けの削る・切る工程の強さ」が、検査装置(アドバンテスト)や前工程の装置(東京エレクトロン)でも続いているか、そして各社の10〜12月以降の見通しが確かめどころになる。ディスコの決算の受け止めは、23日の東京市場の値動きで初めて分かる。

数字で見る

7〜9月期 売上高1427億5000万円(前年同期比 +36.4%)(決算短信から計算、株探)
7〜9月期 営業利益676億600万円(+52.3%、営業利益率 47.4%)(同)
7〜9月期 営業利益の会社計画(7月時点)約559億円 → 実績は約21%上回る(株探、フィスコ)
10〜12月期の計画(4〜12月予想−4〜9月実績)売上高 約1324億円/営業利益 約581億円/純利益 約415億円(ヨリビケの計算)
10〜12月期の計画の比較前年同期比 営業利益 +23%/7〜9月比 −14%(ヨリビケの計算)
中間配当186円(7月予想 171円、前年 129円)(配当のお知らせ)
ディスコ株(22日終値、決算発表前)5万1230円(−2340円、−4.37%)(株探、Yahoo!ファイナンス)
ヨリビケの見方10〜12月期の計画から計算した営業利益率は約43.8%で、7〜9月の47.4%より3.6ポイント低い。ただし、ディスコの計画は今年度に入って2四半期続けて実績を下回る形になっている(4〜9月の営業利益は計画比 +11.2%、7〜9月だけでは約 +21%)。中間配当186円の総額202億円は、上半期の純利益803億円のちょうど25.1%で、配当方針どおりの計算になっている。

次に見るポイント

  • 10月23日(金):東京市場でのディスコ株の反応(決算は22日の取引終了後の発表)
  • 10月28日(水):アドバンテストの決算(AI向けの検査装置の需要)
  • 10月30日(金):東京エレクトロンの決算と通期見通し
  • 11月4日(水):東京精密の決算(ディスコと同じ切る・削る装置)

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。