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電池世界最大手CATL、10%安 7〜9月の利益は予想を大きく下回る

車載電池で世界最大手の中国CATL(寧徳時代)の株価が21日、香港と深センでともに約10%下げた。20日夜に発表した7〜9月期の純利益は前年同期比14.5%増で、市場予想(41.2%増、LSEG調べ、ロイター)に大きく届かなかった。売上は6割近く伸びたのに利益が伸びない――値下げ競争と、9月に始まった電池への消費税が重なった。

日向かなえ ・ 特集 13:55 ・ 2026年10月21日
電池世界最大手CATL、10%安 7〜9月の利益は予想を大きく下回る
画像:ヨリビケ(AI生成)

会社が深セン証券取引所に出した7〜9月期の報告書によると、売上高は1652億2084万元(前年同期比58.58%増)、株主に帰属する純利益は212億4606万元(同14.54%増)だった。ロイターによると、LSEGがまとめた市場予想は売上60.2%増・純利益41.2%増で、どちらも下回った。純利益の伸びは4〜6月期の36.5%から大きく落ち、約2年ぶりの低さ(ロイター)。21日の香港市場でCATLのH株は午前の終値が370.2香港ドルと前日比10.1%安(安値367.8香港ドル)、深センのA株も日本時間13時半時点で232.33元と10.3%安だった。日経によると、香港のハンセン指数は朝高のあと、CATLの下げが広がって前引けは0.34%安に転じた。

背景は利益率の低下だ。新浪財経によると、7〜9月期の粗利率(売上から原価を引いた利益の割合)は20.69%で、前年同期の25.80%、4〜6月期の23.15%から下がり、2022年10〜12月期以来の低さだった。報告書の1〜9月の数字でも、粗利率は22.7%と前年同期の25.3%を下回る(ヨリビケ計算)。ロイターは、中国の国内の新車販売が9月まで12か月続けて前年を下回り、電池の競争が激しくなっていると伝えた。中国でのEV向け電池の搭載シェアは、CATLが1月の49.8%から9月は40.9%に下がり、BYDは17.4%から21.1%に上がった(ロイター)。

もう一つは税金だ。中国の財政部・海関総署・税務総局の公告(2026年第20号)で、9月1日からリチウムイオン電池などに2%の消費税がかかり、2027年9月1日からは4%に上がる(ナトリウムイオン電池・全固体電池などは2028年末まで免除)。新浪財経によると、7〜9月期の「税金及び付加」は22億1400万元で前年同期の5億9700万元から約16億元増えた。報告書の1〜9月の合計でも35億3903万元と前年同期の約1.9倍で、増えた約17億元は7〜9月の増加分とほぼ同じ額になる。しかも7〜9月期に入っているのは9月の1か月分だけだ。

波及は中国の電池株にまず出た。深センでは同業の億緯鋰能(EVE)と国軒高科がともに約4.2%安(日本時間13時半時点)。新浪財経によると、決算前日の20日にも香港の中創新航が9.21%下げていた。一方、韓国のLGエナジーソリューションとサムスンSDIは前日比0.2%高前後とほぼ動いていない。日本ではテスラに電池を納めるパナソニックHDが1.6%安(日経平均は0.9%高、13時半時点)だが、CATLの決算との関係を伝える報道は確認できていない。

会社は、中国の乗用車は販売が弱くても電動化の比率と1台あたりの電池の容量が伸びており、海外の蓄電池(エネルギー貯蔵)の需要も強いとして、需要は「市場が思うほど悲観的ではない」と説明した(BigGo Finance が伝えた会社の説明)。21世紀経済報道によると、蓄電池は売上の約4分の1で、伸びは6割近い。この先は、消費税が3か月まるごとかかる初めての四半期となる10〜12月期の利益率と、CATLの電池を使うテスラの決算(日本時間22日朝)での電池・蓄電池の話が注目点になる。

数字で見る

CATL 香港H株(10/21 午前終値)370.2香港ドル(前日比 −10.1%、安値 367.8。Yahoo Finance、日経は「10%安」)
CATL 深センA株(10/21 日本時間13時半)232.33元(前日比 −10.3%、Yahoo Finance)
7〜9月期の売上高1652.2億元(前年比 +58.6%。予想 +60.2%=LSEG、ロイター)
7〜9月期の純利益212.5億元(前年比 +14.5%。予想 +41.2%=LSEG、ロイター。4〜6月期は +36.5%)
7〜9月期の粗利率20.69%(前年同期 25.80%、4〜6月期 23.15%。新浪財経)
1〜9月の売上高・純利益4421.4億元(+56.2%)・645.3億元(+31.6%)(会社の四半期報告)
中国の電池の消費税2026/9/1から2%、2027/9/1から4%(財政部など公告2026年第20号)
ヨリビケの見方7〜9月期の売上は前年の1.59倍なのに、純利益は1.15倍にとどまった。売上に対する純利益の割合は17.8%から12.9%へ約4.9ポイント下がった(報告書の数字からヨリビケ計算)。粗利率の約5.1ポイントの低下(新浪財経の数字)を7〜9月の売上1652億元に当てはめると約84億元で、この四半期の純利益(212億元)の約4割にあたる。株価は香港で10月12日の終値494.8香港ドルから、21日の午前終値まで7営業日で約25%下げている。

次に見るポイント

  • 日本時間10/22朝:テスラの7〜9月期決算。電池の調達と蓄電池事業の利益率
  • 11月中旬:中国の10月の新車販売(中国汽車工業協会)。国内の落ち込みが続くか
  • 2027年1〜3月ごろ:CATLの10〜12月期・通期の決算。消費税がまるごとかかる四半期の粗利率
  • 2027/9/1:電池の消費税が2%から4%へ

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。