株の教科書 第3回「株価」 誰が決めている?注文で決まるしくみ、ストップ高、1株から買えるミニ株まで
毎日ニュースで聞く株価。決めているのは会社でも取引所でもなく、売りたい人と買いたい人の注文だ。株価がつくしくみから、ストップ高、買うのに必要な金額、時価総額との違いまで、教科書のように順番にまとめた。
神崎玲子 ・ 特集 12:05 ・ 2026年10月25日株価は、株1株の値段だ。株は会社にお金を出した証しで、株を持つ人は会社の持ち主の一人(株主)になる。毎日株価がつくのは、証券取引所に上場している会社。東京証券取引所は2022年4月4日から、プライム・スタンダード・グロースの3つの市場に分かれている。上場していない会社の株には、毎日の値段はつかない。
値段を決めるのは、会社でも取引所でもない。売りたい人と買いたい人の注文が合ったところで取引が成立し、その値段がその時点の株価になる。注文の順番には2つの決まりがある。「価格優先」は、売りは安い値段、買いは高い値段の注文が先に結びつくこと。「時間優先」は、同じ値段なら先に出した注文が先になること。値段を決めずに出す成行注文は、値段を指定したどの注文よりも優先される(JPX)。注文の様子は「板」と呼ばれる一覧表で、証券会社のアプリでも見られる。
買いたい人が多ければ、高い値段でも買う注文が増えて株価は上がり、売りたい人が多ければ下がる。気持ちを動かすいちばんの材料は会社の業績で、ほかに金利、為替、前の晩の米国株、新製品や規制のニュースも効く。株価は今の成績より、この先への期待で動く。良い決算でも、市場の予想に届かなければ下がることがあるので、ニュースでは「市場予想を上回った・下回った」に注目すると動きが読みやすい。
1日の値動きは、始値・高値・安値・終値の4つの値段(四本値)で表し、1本で描いたものがローソク足だ。ニュースの「何円高・何円安」は前の日の終値との差(前日比)。1日に動ける幅には上限と下限があり(値幅制限)、たとえば前の日の終値が1,000円以上1,500円未満の株は、上下とも300円まで。上限まで上がるのがストップ高、下限まで下がるのがストップ安だ。
日本の株は100株を1つの単位として売り買いする。全国の取引所の売買単位は2018年10月1日に100株にそろった。株価が2,000円なら、買うのに約20万円が必要になる。東証は、この金額(投資単位)を50万円未満にするのが望ましいとしている。証券会社によっては1株から買える単元未満株(ミニ株)のサービスもあり、配当は持っている株数に応じて受け取れるが、株主総会での議決権はなく、株主優待も多くは100株以上が条件だ。会社の大きさは株価ではなく、株価に発行済みの株数をかけた時価総額で比べる。
数字で見る
| 株価 | 株1株の値段。売りと買いの注文が合った値段 |
|---|---|
| 価格優先 | 売りは安い値段、買いは高い値段の注文が先(成行注文がいちばん先) |
| 時間優先 | 同じ値段なら、先に出した注文が先 |
| 四本値 | 始値・高値・安値・終値(1本で描くとローソク足) |
| 値幅制限の例 | 前日の終値が1,000円以上1,500円未満なら、上下300円まで |
| 売買単位 | 100株(2018年10月1日に全国の取引所で統一) |
| 望ましい投資単位 | 50万円未満(東証) |
| 時価総額 | 株価 × 発行済みの株数(会社の大きさはこちらで比べる) |
次に見るポイント
- ニュースでは、終値と前日比、そして「なぜ動いたか」に注目
- 決算の記事は「市場予想を上回った・下回った」の一言を探す
- 次回 株の教科書 第4回「時価総額」
出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



