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ファナック、今期予想を再び上方修正 受注49%増、夜間PTSで6%高

産業用ロボットと工作機械の頭脳(CNC)で世界大手のファナック(6954)が23日、今期(2027年3月期)の業績予想を7月に続いて引き上げた。7〜9月の受注は前の年より49%多い3060億円で、なかでも工作機械向けのFA部門は約2.3倍。株価は東証で0.66%安の5587円で終えたあと、夜間のPTSでは6%台の上昇となっている。

桐生レオン ・ 特集 18:55 ・ 2026年10月23日
ファナック、今期予想を再び上方修正 受注49%増、夜間PTSで6%高
画像:ヨリビケ(AI生成)

ファナックが23日の取引終了後(15時30分)に発表した。4〜9月の売上高は4737億円(前年同期比16.2%増)、営業利益は1167億円(35.7%増)、経常利益は1490億円(38.1%増)。7〜9月の3か月だけで見ると、売上高営業利益率は26.0%と前の年の20.6%から上がった。通期の予想は、売上高を9481億円から1兆137億円に、営業利益を2180億円から2407億円に、純利益を1980億円から2283億円に引き上げた。未定としていた中間配当は72.54円(前の年は51.33円)とした。

伸びを引っ張ったのは受注だ。会社の決算説明資料によると、7〜9月の受注は3060億円で、4〜6月より8.5%、前の年より49.0%多い。部門別では、工作機械に組み込むCNCなどのFA部門が1122億円と前の年の約2.3倍(+130.1%)になった。会社は、中国でAIデータセンター、半導体関連、人型ロボットの部品加工、電気自動車(NEV)向けの需要が市場を引っ張り、日本・韓国・台湾でもAIデータセンターや半導体、航空宇宙向けが好調だと説明している。地域別の受注では中国以外のアジアが前の年の2倍超(+111.9%)、中国が+79.8%、国内が+54.3%だった。

ファナックは7月31日にも予想を引き上げたが、そのときは修正幅が小さいと受け止められ、8月3日の株価は14.31%安の6114円と大きく下げた。その後もAI関連株の売りが広がるなかで下げが続き、23日の終値5587円は7月31日の7135円から約22%低い。23日の取引時間中も一時5322円まで下げていたが、終わりにかけて買い戻され、高値引けとなった。発表のあと、ジャパンネクスト証券の夜間PTSでは18時43分時点で5944.9円(東証終値比+6.41%)で取引されている(Yahoo!ファイナンス)。

ファナックのCNCは多くの工作機械メーカーの機械に組み込まれるため、FAの受注は工作機械の需要を先に映しやすい。今回の説明で目を引くのは、AIデータセンターや半導体の設備に加え、中国での人型ロボットの部品加工が需要の理由に挙がったことだ。ロボットそのものだけでなく、ロボットの部品を削る機械の需要にまで広がっていることになる。一方で、7〜9月の受注の29.8%は中国向けで、中国の設備投資の動きに左右されやすい面もある。

この先は、下期の前提が焦点になる。会社は10月〜3月の為替を1ドル150円、1ユーロ175円と置いており、上期の実績(1ドル159.37円、1ユーロ184.35円)より円高の前提だ。23日17時の東京市場は1ドル156円台後半(日銀の公表)で、前提との差がどう利益に表れるかが見どころになる。東証での反応は、週明け26日の取引で表れる。

数字で見る

4〜9月 売上高/営業利益4737億円(+16.2%)/1167億円(+35.7%)
今期 売上高の予想9481億円 → 1兆137億円(+6.9%)
今期 営業利益/純利益の予想2180億円 → 2407億円/1980億円 → 2283億円
7〜9月の受注(うちFA部門)3060億円(前年比+49.0%)(FA 1122億円、+130.1%)
中間配当72.54円(前年 51.33円)
10/23 終値(発表前)5587円(−0.66%)、安値 5322円
10/23 夜間PTS(18:43)5944.9円(東証終値比 +6.41%)
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、7〜9月の受注3060億円は同じ期間の売上高2427億円の約1.26倍。前の年の7〜9月は受注2053億円・売上高2112億円で約0.97倍だった。受注が売上を上回る分だけ、注文の残りが積み上がっていることになる。また、通期の予想から上期の実績を引くと、下期の売上高は約5400億円で、上期の4737億円より約14%多い計画だ。

次に見るポイント

  • 10月26日(月):発表後初めての東証での取引。夜間PTSの上げがどこまで続くか
  • 下期の為替:前提は1ドル150円・1ユーロ175円。23日夕方の1ドル156円台との差
  • 11月11日:半期報告書の提出予定。12月1日:中間配当72.54円の支払い開始予定
  • 中国の設備投資:7〜9月の受注の約3割が中国向け

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。