銀行株が下落率トップ、三菱UFJは一時4カ月ぶり安値 日米の金利低下で不動産は2.05%高
23日の東証で、33業種のうち銀行業が2.28%安と下げ率1位になった。三菱UFJフィナンシャル・グループは一時5.42%安の3190円と約4カ月ぶりの安値をつけ、2.31%安の3295円で終えた。日米の長期金利が急に下がり、貸し出しの利ざやが広がるという期待がしぼんだ。反対に、金利の低下が追い風になる不動産業は2.05%高で上昇率1位だった。
御堂聡一 ・ 夕刊 16:13 ・ 2026年10月23日三菱UFJの終値は78円(2.31%)安の3295円。午前10時19分に3190円まで下げ、6月29日以来の安値をつけた(日経・Yahoo!ファイナンス・株探)。大手ではみずほフィナンシャルグループが2.35%安、三井住友フィナンシャルグループが1.80%安、りそなホールディングスが3.10%安(一時は7%を超す下げ、株探)。業種別の下落率は銀行業の2.28%が最も大きく、海運業(2.10%安)、非鉄金属(1.76%安)が続いた(株探・フィスコ)。
背景は金利だ。米財務省の公表値で、米10年債の利回りは22日に5.13%から4.96%へ0.17ポイント下がった。株探によると、AI関連企業の過剰な投資への警戒からリスクを避ける動きが強まり、比較的安全な米国債に資金が移った。日本でも23日、新発10年物国債の利回りが一時2.755%と、7月下旬以来約3カ月ぶりの低さになった(日経)。15時時点は前日比0.075%低い2.795%(日経)、フィスコが伝えた引けの水準は2.789%で、いずれも2.8%を下回った。
銀行は預金で集めたお金を企業や個人に貸し、その金利の差(利ざや)で稼ぐ。金利が上がる局面では利ざやが広がるとの期待から買われてきたが、長期金利が急に下がったことで、その期待がはげ落ちた(日経)。日銀は9月18日に政策金利を1.25%程度に引き上げたばかり(共同通信)。株探(みんかぶ)とフィスコは、29〜30日の日銀の会合で利上げは見送られる方向だと伝わっていることも、銀行株の重荷になったと伝えている。
金利の低下は、お金を借りて物件に投資する不動産会社には逆に追い風になる。不動産業は2.05%高で上昇率1位となり、三井不動産は2.23%高の1582円(Yahoo!ファイナンス・株探)。日経も、長期金利が約3カ月ぶりの低さになったことで不動産などに見直し買いが入ったと伝えた。為替市場では、株安を受けた円買いで円が一時1ドル=156円08銭まで上がり(フィスコ)、約1カ月ぶりの円高水準となった。
この先は日米の金融政策の結果が続く。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は29日午前3時(日本時間)、日銀の会合の結果と展望レポートは30日に出る。銀行株にとっては、日銀が政策金利をどうするか、そしてその後の長期金利がどの水準で落ち着くかが、利ざやの見通しを左右する材料になる。
数字で見る
| 銀行業(東証33業種、10/23) | −2.28%で下落率1位(株探・フィスコ) |
|---|---|
| 三菱UFJ FG(8306) | 終値 3,295円(−78円、−2.31%)/安値 3,190円(−5.42%、10:19)(Yahoo!ファイナンス・株探・日経) |
| ほかの大手銀行 | みずほFG −2.35%(7,480円)/三井住友FG −1.80%(3,114円)/りそなHD −3.10%(2,141.5円)(Yahoo!ファイナンス・株探) |
| 米10年債利回り(10/22) | 4.96%(10/21 5.13%から −0.17ポイント、米財務省) |
| 国内の長期金利(10/23) | 一時 2.755%(約3カ月ぶりの低さ)/15時 2.795%(−0.075%)(日経)。引け 2.789%(フィスコ) |
| 不動産業 | +2.05%で上昇率1位/三井不動産 +2.23%(1,582円)(株探・Yahoo!ファイナンス) |
| 日銀の政策金利 | 1.25%程度(9/18に引き上げ、共同通信)/次の会合 10/29〜30(日銀) |
次に見るポイント
- 29日(木)3:00 米FOMCの結果、3:30 FRB議長の会見(FRB・株探):米長期金利の水準
- 30日(金)日銀の金融政策決定会合の結果と展望レポート(日銀):据え置き観測が伝わる政策金利1.25%の扱い
- 国内の長期金利(新発10年物国債の利回り)が2.8%を下回る水準にとどまるか
出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



