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サークレイスにTOB、前日終値の2.1倍 ヒルハウスが3度目の提案で2020円

クラウド導入のコンサルティングを手がけるサークレイス(5029、東証グロース)に対し、投資会社ヒルハウス系のHHH1合同会社が1株2,020円でTOB(株式公開買付け)を始めた。22日の終値950円の約2.1倍の価格で、23日の株価は朝から値幅制限の上限1,100円で買い気配のまま。筆頭株主のパソナグループは保有株をすべて売り、約26億円の特別利益を見込む。

御堂聡一 ・ 特集 09:52 ・ 2026年10月23日
サークレイスにTOB、前日終値の2.1倍 ヒルハウスが3度目の提案で2020円
画像:ヨリビケ(AI生成)

HHH1が22日の取引終了後に発表した。買付けの期間は10月23日から12月7日まで(30営業日)、決済は12月14日、窓口は大和証券。サークレイスの取締役会は賛成し、株主に応募をすすめると表明した。完全子会社にするのが目的で、成立すれば上場廃止になる見込みだ。東京証券取引所は22日付で、サークレイスを監理銘柄(確認中)に指定した。

価格は交渉で3回引き上げられた。サークレイスの開示によると、ヒルハウスは8月11日に1,541円を提案したが、会社側の特別委員会は「企業価値を反映していない」として再考を求めた。9月15日の1,629円も退け、10月15日に2,020円が示された。最初の提案から約31%高い。ヒルハウスは10月20日に「最終かつ最善の提案」と回答し、合意に至った。会社側の計算では、公表日の前営業日とした21日の終値885円に対するプレミアム(上乗せ)は128.25%。ヒルハウスは交渉の中で、ITサービス業界の過去の非公開化7件のプレミアムは30〜50%程度で、今回はその2〜3倍だと説明している。

非公開化の理由について、サークレイスは、業界の競争が激しくなるなかで成長には大型のM&Aや他社との連携が欠かせないが、今の会社の規模では資金を集める額や速さに限りがあり、株式市場の短期的な期待にとらわれずに改革を進めたい、としている。同社はセールスフォースなどのクラウドの導入支援と、人事業務のクラウドサービス「AGAVE」が柱で、2030年3月期に売上高100億円を目標にしていた。ヒルハウスは2005年設立の国際的な投資運用会社で、日本を重点の投資先に位置づけている。

影響は大株主にも及ぶ。筆頭株主のパソナグループ(2168)は保有する144万株(所有割合32.31%)を、第2位株主の TQUILA LIMITED も137万2,600株(30.80%)をすべて応募する契約を結んだ。パソナは成立すれば2027年5月期に連結で約26億円の特別利益を計上する見込みで、サークレイスは持分法適用の関連会社から外れる。パソナの株価は23日朝、前日比小幅安で推移している。

この先の焦点は、TOBが成立するかどうかだ。買付けの下限は297万800株(所有割合66.67%)で、応募がこれに届かなければ1株も買い取られない。値幅制限があるため、株価はTOB価格まで1日では届かず、しばらくは上限の気配が続くことがある。期間は12月7日まで。

数字で見る

TOB価格(10/22発表)1株 2,020円(新株予約権は1個1円)
10/22 終値950円(TOB価格はその約2.13倍)
会社の計算のプレミアム10/21 終値885円に対し +128.25%
価格の交渉8/11 1,541円 → 9/15 1,629円 → 10/15 2,020円
10/23 朝の株価1,100円で買い気配(値幅制限の上限、+150円)
応募を約束した大株主パソナG 32.31%+TQUILA 30.80%=63.11%
期間・下限10/23〜12/7、下限 66.67%(297万800株)
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、応募を約束した大株主2社の持ち分は合わせて63.11%(281万2,600株)で、買付けの下限66.67%に約3.55ポイント(15万8,200株)届かない。成立には、ほかの株主から少なくともこの分の応募が要る。株を全部買う場合の総額は約90億円(445万6,145株×2,020円)で、パソナが見込む特別利益約26億円は、パソナの23日朝の時価総額(約593億円)の約4.4%にあたる。

次に見るポイント

  • 10/23〜12/7:TOBの期間。株価とTOB価格2,020円の差、応募の状況
  • 12/7(月):期間の終わり。応募が下限の297万800株(66.67%)に届くか。結果は期間の翌日に公表される
  • 12/14(月):決済の開始。成立すれば、残りの株を買い取る手続きを経て上場廃止へ

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。