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速報 | 米国株

ブロードコム株4%高 アンソロピック向け半導体に630億ドルの資金枠

米銀大手3行と投資会社ブラックストーンは米国時間26日(月)、米半導体大手ブロードコムのAI半導体を買ってアンソロピックに貸し出すための630億ドル(約9.9兆円)の資金の枠組みを発表した。ブロードコムは機器の価値を保証する形で借り入れの一部を支える。27日(火)のブロードコム株は4.0%高で、28日(水)の東京市場でも半導体株に買いが続いている。

日向かなえ ・ 特集 10:00 ・ 2026年10月28日
動画:Schwab Network「Anthropic Inks $63B Debt Financing Deal for AVGO Chips, Analyst Upgrades Stock」 YouTube で見る

発表文(ブロードコムの投資家向けサイトにも掲載)によると、新しく設ける特別目的会社(SPV)が、ブロードコムのAI向け半導体(XPU)とネットワーク機器を買い、AI「Claude」を開発するアンソロピックにリースする。返済の順位が高い第1順位の融資はバンク・オブ・アメリカ、シティ、モルガン・スタンレーの3行がまとめ、第2順位はブラックストーンが単独で引き受ける。ブロードコムは第1順位と同じ額の「残存価値の保証」を付ける。リースした機器の価値が下がったときに、貸し手の損をブロードコムが一部かぶる仕組みだ。納入は、ブロードコムが以前に公表したアンソロピックとの計算能力の契約に基づき、2027年に始まる見込み。

内訳の金額を会社は公表していない。ブルームバーグは、630億ドルのうち銀行の融資が約420億ドル、ブラックストーンの拠出が90億ドルと報じ、ロイターは関係者2人の話として第1順位を約435億ドル(全体の69%)と伝えた。ブルームバーグは28日、銀行が早ければ2027年1〜3月に、銀行の融資の最大半分にあたる約210億ドルを、期間5年程度の投資適格の社債に借り換える計画だとも報じている。アンソロピックは同じ26日に上場の書類(S-1)を公開しており(ヨリビケ10/26の記事)、上場とAIの計算基盤づくりの資金集めが同時に進んでいる。

背景にはAIの計算能力の取り合いがある。ブロードコムのホック・タンCEOは発表文で、AIの計算能力の必要は並外れた速さで増え続けているとの考えを示した。ブロードコムは6月にもアポロ、ブラックストーンとアンソロピックの計算能力を増やす350億ドルの枠をつくり、このときの保証は最大290億ドルだった(ロイターが書類を引用)。エヌビディアも8月に金融大手と組んで顧客の半導体購入を支える仕組みを発表している(日経・ブルームバーグ)。一方でロイターによると、格付け会社ムーディーズはブロードコムを大手テック企業の中でも特に財務の強い会社としながら、似た取引が短い期間に重なればリスクは高まると指摘している。

株価は上がった。ブロードコム株は27日に342.33ドル(13.16ドル高、4.00%高)で取引を終えた(Yahoo Finance。Morningstarは342.32ドル)。年初からの騰落率は+0.54%とほぼ横ばいに戻ったが、6月の最高値495ドルからはまだ約3割低い。シェーファーズによると、米証券DAダビッドソンは同日、投資判断を引き上げ、目標株価を350ドルから400ドルにした。27日はフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3.60%高。28日の東京市場も買いが先行し、日経平均は9時16分に6万4172円(前日比903円高)まで上げた(Yahoo!ファイナンス)。日本ではきょう28日(水)15時30分に、AI半導体の検査装置を手がけるアドバンテストが決算を発表する。

この先は、日本時間29日(木)午前3時の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が最初の節目になる。アンソロピックの上場では公開価格と規模がまだ決まっておらず、APは「来月」の上場と伝えている。ブロードコムの枠組みでは、2027年1〜3月の社債への借り換えが実際に進むかが、AIの設備投資にお金を出す投資家の意欲を測る手がかりになる。

数字で見る

資金の枠組み630億ドル(約9.9兆円)、米国時間10/26発表(発表文・日経)
第1順位(銀行3行)約420億ドル(ブルームバーグ)/約435億ドル・全体の69%(ロイター、関係者2人)※会社は非公表
第2順位ブラックストーンが単独で引き受け、拠出は90億ドル(ブルームバーグ)
ブロードコムの保証第1順位と同じ額の残存価値の保証(発表文)
納入の開始2027年の見込み(発表文)
社債への借り換え最大約210億ドル、早ければ2027年1〜3月、期間5年程度(ブルームバーグ 10/28)
ブロードコム株 27日(火)342.33ドル(+4.00%)、年初来+0.54%、6月の最高値495ドル(Yahoo Finance)
ヨリビケの見方保証の額を報道の420億〜435億ドルとすると、630億ドルの枠のうちブロードコムが価値を保証する部分は約67〜69%になる。6月の350億ドルの枠では保証の上限が290億ドルで、約83%だった。2つの枠を合わせると、アンソロピックの計算能力に向けた資金の枠は980億ドルで、ブロードコムの保証の上限は合わせて約710億〜725億ドルになる計算だ(いずれもヨリビケ計算。予想ではない)。

次に見るポイント

  • 28日(水)15:30:アドバンテストの決算(AI半導体の検査装置)
  • 29日(木)3:00(日本時間):FOMCの結果
  • アンソロピックの上場:公開価格と規模(APは「来月」と報道)
  • 2027年1〜3月:銀行の融資の社債への借り換え(最大約210億ドル、ブルームバーグ)

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動画:The Information「Inside Anthropic's $63B Chip Debt」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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