ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 11/4 更新
ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 日本株 | 2026年11月2日 18:50

GMO熊谷社長が初会見で謝罪 報酬30%減、FXの損失は全額補償

不正アクセスを受けたGMOインターネットグループ(9449)は11月2日(月)15時30分から、問題の発覚後初めての記者会見を開いた。熊谷正寿社長は、2024年にグループの専門家から受けた指摘を運営に生かせなかったと認めて謝罪した。同じ日に、熊谷氏ら役員4人の報酬を3か月減らすことと、保有する自己株式の全株消却も発表した。

動画:GMOインターネットグループ公式「『お名前.com デスクトップクラウド』不正アクセスに関する説明会」(11月2日) YouTube で見る

会見は東証の取引が終わった15時30分から都内で開かれ、YouTubeでも配信された。日経・毎日・ITmediaによると、熊谷氏は「お客さまをお守りすることができず、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪し、サービスのシステムにセキュリティー上の問題があったことは事実だと認めた。子会社のGMOサイバーセキュリティ byイエラエが2024年に課題を指摘していたことも認め、その指摘をサービスの運営に生かせなかったと述べた。日経によると、子会社のGMOインターネット(4784)の伊藤正社長は2024年の報告を自身が知っていたと認めた一方、熊谷氏は、社内の報告の基準が整っておらず自分には報告されていなかったと説明した。熊谷氏は、事件のあとの自身のSNSへの投稿についても「被害者への配慮が欠けていた」と謝った。

会社の説明では、侵入は8月から始まっていた。TBS NEWS DIGによると、山下浩史副社長は、8月5日に利用者のリモートデスクトップ用の仮想サーバーに侵入されて管理者のアカウントを盗まれ、8月17日に会社の管理サーバーにも入られ、9月20日から10月14日にかけて顧客の仮想サーバーにマルウエアが配られた、と説明した。対象になりえたのは最大2万6739台。会社が気づいたのは10月20日で、顧客からの問い合わせを調べて分かったという。弁護士ドットコムニュースとTBSによると、10月21日には攻撃者から80億円の身代金を求められたが、支払いは拒んだ。日経によると熊谷氏は「一歩たりとも犯罪者にお金を払うことはしない」と述べた。攻撃者はまだ特定されておらず、細かい手口は捜査への影響などを理由に明かさなかった(TBS)。北朝鮮との関係を問われた熊谷氏は、調査中として答えなかった(日経)。

補償は、FXの自動売買口座で不正な取引によって出た損失を全額補償する方針を改めて示した(弁護士ドットコム・TBS・日テレ)。損失補償の申請方法は11月6日(金)までに案内する。利用者全員への5000円の見舞金と、情報が流出した人への最大300万円の「特別お見舞金」は、すでに10月27日の第12報で発表していたものだ。TBSによると、犯人の特定につながる情報を募る懸賞金には約700件の応募があった(10月30日18時時点では428件、第16報)。

経営責任では、取締役会で役員4人の報酬の減額を決めた(適時開示)。熊谷氏が月額報酬の30%、伊藤氏が25%、山下氏と児玉公宏氏が20%で、いずれも3か月、12月の支給分からだ。開示は、今回の減額は「現時点における評価」に基づくもので、これまでの経緯を検証したうえで経営責任のあり方を改めて検討するとしている。会見とは別に、18時31分には二つの開示があった。一つは、6月に決めた300億円の自社株買いが10月30日に終わったのを受け、手元の自己株式1712万2619株(発行済み株式の15.95%)を11月11日にすべて消却するというもの。もう一つは、セキュリティー会社のFFRIセキュリティ(3692)の株を8月17日から10月30日に市場で買い増し、議決権の9.61%を持つに至ったというもので、目的は純投資としている。

株価は会見の前に取引を終えていた。株探によると、2日の終値はGMOインターネットグループが31円安(0.95%安)の3217円、GMOインターネットが15円安(3.55%安)の407円。会見のあと、私設取引システム(PTS)では18時20分ごろに3180円、398.8円で売買されていた(株探、自己株式の消却の発表前)。東証は3日(火)が文化の日で休みのため、会見を受けた東証での最初の取引は4日(水)になる。この先は、11月6日(金)までの損失補償の案内、11月13日(金)に予定する決算発表で補償や見舞金の費用がどこまで示されるか、検証の結果と経営責任の見直しが焦点になる。

数字で見る

会見11月2日(月)15:30〜、発覚後初めて(NHK・日経)
侵入の始まり8月5日、気づいたのは10月20日(会社の説明、TBS)
対象の仮想サーバー最大2万6739台(会社の説明、TBS・弁護士ドットコム)
役員報酬の減額熊谷氏 月額30%×3か月、ほか3人 25〜20%(11/2 適時開示)
自己株式の消却1712万2619株=発行済みの15.95%、11月11日(11/2 適時開示)
FFRIセキュリティ株議決権の9.61%(10/30 時点、11/2 適時開示)
9449 の終値3217円(11/2、−0.95%、株探)
4784 の終値407円(11/2、−3.55%、株探)
ヨリビケの見方第1報が出た10月21日(水)の終値から11月2日(月)まで、GMOインターネットグループは4005円→3217円で19.7%、GMOインターネットは510円→407円で20.2%下げた。同じ間の日経平均は6万4621円→6万3081円で2.4%安にとどまる(株探・日経の終値からヨリビケ計算)。なお、自己株式の消却で発行済み株式数は約1億735万株から約9023万株に減るが、自己株式はもともと配当も議決権もない株なので、株主が持つ株の数や1株あたりの価値は変わらない。株価×発行済み株式数で出す時価総額の表示は、今日の終値なら約3453億円から約2903億円に下がって見えるが、会社の中身が減るわけではない(ヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 11月4日(水):休み明けの東証。会見と開示を受けた9449・4784の値動きと出来高
  • 11月6日(金)まで:FXの不正取引による損失補償の申請方法の案内
  • 11月11日(水):自己株式1712万株の消却
  • 11月13日(金)予定:決算発表。補償・見舞金の費用の扱い
  • 時期未定:社内の検証の結果と、経営責任のあり方の見直し

関連する動画

動画:日テレNEWS「GMOがサイバー攻撃後初会見 “2年前の指摘を運営に生かせず”謝罪」(11月2日) YouTube で見る
動画:FNNプライムオンライン「GMO熊谷社長が“初会見” 不正アクセス問題受け謝罪」(11月2日) YouTube で見る

出典

白石ひかり ・ 特集 18:50 ・ 2026年11月2日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

次に読む