原油、イランの「2日で再開」案で下落 OPEC+は12月据え置き
週明け2日(月)のアジア時間、北海ブレント原油先物(1月限)は1バレル111ドル台と、前週末より2ドルあまり下げた。イランがカタールの仲介で、ホルムズ海峡を「2日で」再び開く案を示し、協議を続けていることが伝わった。1日(日)には産油国グループ「OPEC+」の主要7か国が、12月の生産目標の据え置きを決めている。
ブレント原油先物の1月限は、日本時間2日10時33分に111.05ドルと、前週末の清算値113.43ドルより2.38ドル(2.1%)安い。米国のWTI原油先物も101.67ドルと2.45ドル(2.4%)安い(いずれも Yahoo Finance の気配値)。英字ニュースサイトの investingLive も、アジアの取引の始まりでブレントが約2ドル下げたと伝えた。10月30日(金)は、ホルムズ海峡でのタンカー攻撃を受けてブレントが6か月ぶりの高値を付けたばかりで、その上げの一部を戻した形だ。
きっかけはイランとカタールの協議だ。イランのアラグチ外相は、カタールの仲介役との話し合いで、もともと7日としていた手順を2日に縮めた案ができたと説明した。1日目に米国が制裁の解除などの措置を取り、2日目にホルムズ海峡の通航を元に戻すという内容だ(investingLive・Gulf News)。イラン側は、イラン産の原油への制裁の解除、凍結された資産の返還、地域全体での戦闘の終結などを求めている。ただし、豪州のAAP通信は協議が「まだ続いており、結論は出ていない」と伝えており、米国は案を受け入れると公には言っていない。ルビオ国務長官は、トランプ大統領は新たな攻撃をまだ決めておらず、外交で解決したい考えだと述べた(AAP)。
供給の側では、OPEC+の主要7か国(サウジアラビア、ロシア、イラク、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)が1日(日)のオンライン会合で、12月も9月と同じ生産目標を続けると決めた(OPEC の発表)。据え置きは10月・11月に続いて3か月目。ロイターによると、2023年に始めた日量165万バレルの自主的な減産は9月に戻し終えており、約200万バレル分の減産は2026年末まで残る。湾岸の産油国は戦争で輸出が乱れ、多くの国が目標を大きく下回る量しか生産できていない。中東の英字紙ザ・ナショナルは、7か国の12月の目標を合わせて日量約3100万バレルとしている。
東京市場は、金曜のニューヨークの原油高を受ける最初の取引が、ちょうど原油の下げと重なった。10時30分ごろの株価は、石油・ガスの開発を手がけるINPEX(1605)が4097〜4099円と前週末より約0.8%高く、ENEOSホールディングス(5020)はほぼ横ばい、燃料を多く使う空運では日本航空(9201)がほぼ横ばい、ANAホールディングス(9202)が約0.6%高だった(株探・Yahoo Finance)。原油は金曜の高値からは下げたものの、なお1バレル100ドルを大きく上回っている。電力会社の燃料費や、日銀が30日の展望リポートで挙げた物価の押し上げにも関わる値段だ。
協議の行方には、米国の日程が重なる。トランプ大統領は、3日(火)の中間選挙の投票の前には新たな攻撃をしないとし、選挙の後の軍事行動は否定していない(AAP)。東京市場は3日が文化の日で休みのため、選挙の結果や協議の進み方は4日(水)の取引で受けることになる。OPEC+は11月29日(日)に、21か国全体で2027年の生産の枠組みを話し合う予定で、ロイターによると、その前提になる各国の生産能力の見直しは11月中旬に終わる見通しだ。
数字で見る
| ブレント1月限(11/2 10:33) | 111.05ドル(前週末比 −2.38ドル、−2.1%)(Yahoo Finance。investingLive も約2ドル安と報道) |
|---|---|
| WTI(11/2 10:34) | 101.67ドル(前週末比 −2.45ドル、−2.4%)(Yahoo Finance) |
| ブレント12月限(10/30 最終取引日) | 117.64ドル。6か月ぶりの高値(ロイター・ザ・ナショナル) |
| OPEC+の決定(11/1) | 主要7か国、12月も9月と同じ生産目標。据え置きは3か月目(OPEC 発表・ロイター) |
| 残っている減産 | 約200万バレル/日、2026年末まで(ロイター・ザ・ナショナル) |
| イランの案(協議中) | 1日目に米国が制裁解除などの措置、2日目にホルムズ海峡の通航を戻す。もとは7日の案(investingLive・Gulf News・AAP) |
| INPEX(11/2 10:30ごろ) | 4097〜4099円(前週末比 約+0.8%)(株探・Yahoo Finance) |
次に見るポイント
- 11月3日(火):米中間選挙。トランプ大統領は投票前には新たな攻撃をしないとしている(東京市場は文化の日で休場)
- イランとカタールの協議:米国が「2日」の案に答えるか
- 11月4日(水):休み明けの東京市場。INPEX・ENEOS・空運の値動き
- 11月中旬:OPEC+の各国の生産能力の見直し(ロイター)
- 11月29日(日):OPEC+の21か国の会合(2027年の生産の枠組み)
関連する動画
出典
- OPEC:Press release(2026年11月1日、主要7か国の会合)
- GV Wire(ロイター配信):OPEC+ keeps December oil output targets steady ahead of tougher call for 2027(2026年11月1日)
- The National:Opec+ holds December oil output targets steady as Iran war disrupts supply(2026年11月1日)
- Newcastle Herald(AAP):Iran, Qatari mediators hold third day of talks over war(2026年11月2日)
- investingLive:Oil slips as Iran says Qatar-brokered plan could reopen Hormuz in two days(2026年11月2日)
- Gulf News:Iran proposes '2-day plan' to reopen Strait of Hormuz amid US talks(2026年11月2日)
- 株探:INPEX(1605)の株価
桐生レオン ・ 特集 10:48 ・ 2026年11月2日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









