トランプ氏、イラン攻撃は「明日かも」 原油は3週続伸、月曜の市場へ
トランプ米大統領は米国時間24日(土)、イランへの再攻撃について記者団に「考えている。明日かもしれない」と述べ、同時に合意の可能性も残した。米国は中東4か国の大使館の人員を減らし、情報機関はイランが米国人を狙う計画を進めていると警告した。発言は金曜の原油の清算値(ブレント116.72ドル、半年ぶり高値)より後に出ており、週明けの市場が最初の反応の場になる。
白石ひかり ・ 特集 08:00 ・ 2026年10月25日トルコのアナドル通信などによると、トランプ氏は24日、イランへの攻撃をどこまで検討しているかを問われ「考えている。明日かもしれない」と答えた。「やるかどうかを君たちに言うと思うか」とも述べた。一方で「彼らは合意したがっているが、問題はそれを守るかだ」「終わらせなければならないかもしれないし、合意するかもしれない。どちらにしても我々の勝ちだ」と話し、攻撃と交渉のどちらに進むかは決めていない。前日23日(金)のフロリダ州の集会では、2月に始めた対イラン軍事作戦の名前を挙げ「もう一度、小さな『エピック・フューリー』をやるかもしれないし、彼らが応じるかもしれない」と語っていた(AP・アルジャジーラ)。
攻撃への警戒は外交の現場にも出ている。APによると、米国務省はヨルダン、レバノン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の大使館の人員を減らす。大使館は閉めず、職員に退避の義務はない。サウジアラビアでは21日(水)に、緊急でない職員と家族に退避を命じていた(AP・CNBC)。クレイトン国家情報長官は23日、ルビオ国務長官あての文書で、イランが米国の要員を狙う動きを「大幅に強めている」と伝えた(AP、CNBC はニューヨーク・タイムズの報道として伝えた)。米当局者は、人員削減と新たな攻撃は関係がないと説明している。
イラン側は強硬な発言と対話の呼びかけの両方を出している。アルジャジーラによると、ペゼシュキアン大統領は、戦争を終わらせるための暫定合意が崩れたのは米国のせいだとしつつ、両国は合意に戻って仕上げるべきだと述べた。アブドラヒ軍参謀総長は24日、米軍がペルシャ湾に入ることは「いかなる状況でも」認めないと述べ、革命防衛隊は限定的な攻撃にも「何倍もの」反撃をすると警告した。CNBC は、駐パキスタンのイラン大使がAPに、米国が海上封鎖を解けばホルムズ海峡を再び開く用意があると語り、その後イランの国営メディアが否定したと伝えている。
相場はすでに中東の緊張を値段に映していた。CNBC によると、23日(金)の北海ブレント原油先物は3.1%高の1バレル116.72ドルで、4月29日以来の高い清算値だった。WTI原油先物(12月限)は3.8%高の103.27ドル(CNBC・MarketScreener)。ブレントは週間で6.2%上がり、3週続けて値上がりした。同じ日の米国株は、ダウ平均が652.82ドル(1.23%)安となり、燃料費が重くなる航空株が3〜4%下げ、シェブロンとエクソンモービルは最高値をつけた(ヨリビケの24日朝刊の記事、CNBC・株探・Yahoo Finance で照合)。
週明けは、米国の WTI 原油先物(CME)の取引が米東部時間25日(日)18時=日本時間26日(月)朝7時に再開し、そのあと9時に東京市場が開く。トランプ氏の言う「明日」は米国時間25日(日)にあたる。一般に、原油高は燃料を使う空運や原油を原料にする化学には逆風、石油元売りや資源の権益を持つ商社には追い風になりやすい。この先は27日(火)のイスラエルの選挙、29日(木)未明に結果が出るFOMC、30日(金)の日銀の決定会合、11月3日(火)の米中間選挙と、相場を左右しうる日程が続く。
数字で見る
| トランプ氏の発言(米国時間10/24) | 攻撃は「考えている。明日かもしれない」/合意の可能性も(アナドル通信・Arab Times) |
|---|---|
| 大使館の人員削減(AP) | ヨルダン・レバノン・カタール・UAE。サウジは10/21に緊急でない職員に退避命令 |
| 北海ブレント(10/23 清算値) | 116.72ドル(+3.1%、4/29以来の高値、週間+6.2%=3週続伸。CNBC) |
| WTI 12月限(10/23 清算値) | 103.27ドル(+3.8%、週間+2%。CNBC・MarketScreener) |
| 米国株(10/23 終値) | ダウ 52,215.16ドル(−1.23%)、航空大手 −3〜4%、シェブロン +2.88%(CNBC・Yahoo Finance) |
| この先の日程 | 10/27 イスラエル選挙、10/29 3:00 FOMCの結果、10/30 日銀会合、11/3 米中間選挙 |
次に見るポイント
- 10/26(月)7:00 WTI原油先物(CME)の取引再開:10/23 清算値 103.27ドルからの動き(ブレントは116.72ドル)
- 10/26(月)9:00 東京市場:空運・化学と、石油元売り・商社の値動きの差
- 10/27(火) イスラエルの選挙と、米国・イランの交渉再開の動き
- 10/29(木)3:00 FOMCの結果、10/30(金) 日銀の決定会合
- 11/3(火) 米中間選挙(米当局者の話として、攻撃は選挙の後との報道もある)
関連する動画
出典
- Anadolu Agency「Trump says US could strike Iran 'tomorrow' or reach 'big, beautiful' deal」(10/24)
- Arab Times「Trump Says US Could Strike Iran as Early as 'Tomorrow' or Reach Deal」(10/25)
- PBS NewsHour(AP)「U.S. is reducing staffing at 4 Middle East embassies over increased threats from Iran」(10/24)
- CNBC「American embassies tighten security as Iran threat warnings intensify」(10/24)
- Al Jazeera「Iran blames US for deal failure, urges new try amid fear of new attacks」(10/24)
- CNBC「Brent crude oil tops $116, a six-month high」(10/23)
- ヨリビケ「NYダウ652ドル安、8月20日以来の下げ幅」(10/24 朝刊の記事)
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



