アドバンテスト、今期の営業利益予想を9670億円に上方修正 7月に続き2度目、従来から1210億円(14.3%)上積み 市場予想の8900億円程度も上回り、上限2800億円の自社株買い
半導体の検査装置(テスター)大手のアドバンテストは、10月28日(水)15時30分、2027年3月期の営業利益の予想を8460億円から9670億円に引き上げた。上方修正は7月に続き今期2度目で、株探ニュースが伝えた市場予想(8900億円程度)も上回る。あわせて、上限2800億円の自社株買いを決めた。
日向かなえ ・ 朝刊 05:27 ・ 2026年10月29日会社の決算短信と決算説明会資料によると、通期の予想は売上高が1兆7140億円から1兆8630億円(前期比65.1%増)、営業利益が8460億円から9670億円(同93.7%増)、純利益が6600億円から7415億円(同97.5%増)に上がった。営業利益率の予想は49.4%から51.9%になる。4〜9月期の実績は、売上高8452億円(60.5%増)、営業利益4568億円(96.5%増)で、売上・利益とも半期として過去最高だった。7〜9月期だけでみると営業利益は2668億円、営業利益率は55.9%に達した(決算説明会資料)。
上振れの理由について、会社は AI 向けの高性能な半導体の生産が増え、チップの作りが複雑になるほど検査の量が増えて、顧客がテスターへの投資を続けていると説明している。とくに、AI 向けの演算用チップ(SoC)を検査する装置の売上が7月の想定を上回る見込みで、メモリー向けの装置も伸びる。会社は2026年のテスター市場の規模の見通しを7月から据え置いたうえで、SoC 向けは予想の幅の上限近く、2027年も需要が供給を上回る状態が続くとの見方を示した(決算説明会資料)。
自社株買いは、上限1100万株(自己株式を除く発行済み株式の1.5%)または2800億円で、10月29日(木)から2027年3月24日(水)まで東証の市場で買う(会社のお知らせ)。会社は、3年間の中期経営計画で配当と自社株買いを合わせた総還元性向を50%以上にする方針を挙げている。中間配当は49円(前年同期は29円)とし、期末配当は未定のまま。株価は発表前の28日の東証で3万4930円(+3.16%)で終え、発表後の夜間取引(PTS)では午後4時過ぎに3万6900円(株探)と、5%を超えて上がった。
アドバンテストは日経平均の構成比率が大きく、1社の値動きが指数を大きく動かす。28日も、日経平均を押し上げた上位5社(アドバンテスト・東京エレクトロン・ソフトバンクグループ・キオクシア・イビデン)の寄与は合計で約828円と、日経平均の上げ幅685円を上回った(株探)。今回の上方修正の中身は、AI 向けの演算用チップとメモリーの両方で検査の需要が強いという内容で、製造装置の東京エレクトロン、メモリーのキオクシアなど、同じ AI 半導体の流れにいる会社の決算の読み方にも関わる。
この先は、30日(金)に東京エレクトロンとキオクシアホールディングスが決算を出す。会社は下期の為替を1ドル150円、1ユーロ170円と置いており、上期の実績(1ドル160円)より円高の前提になっている。下期の営業利益率は50.1%を見込み、部材のコストの上昇を織り込んだとしている(決算説明会資料)。
数字で見る
| 通期の営業利益予想(修正前 → 修正後) | 8460億円 → 9670億円(+1210億円、+14.3%)(決算短信・決算説明会資料・時事通信) |
|---|---|
| 通期の売上高/純利益の予想 | 1兆7140億円 → 1兆8630億円/6600億円 → 7415億円(決算短信・株探) |
| 市場予想(営業利益) | 8900億円程度(株探ニュース 10/28 18:32)。修正後はこれを約770億円上回る(ヨリビケ計算) |
| 4〜9月期 実績 | 売上高 8452億円(+60.5%)/営業利益 4568億円(+96.5%)(決算短信) |
| 7〜9月期 実績 | 営業利益 2668億円、営業利益率 55.9%(決算説明会資料・株探) |
| 自社株買い | 上限1100万株(1.5%)または2800億円、10/29(木)〜2027/3/24(水)、市場で買付(会社のお知らせ・株探) |
| 株価(10/28) | 東証の終値 3万4930円(+1070円、+3.16%。株探・Yahoo!ファイナンス)、発表後の PTS 3万6900円(午後4時過ぎ、株探) |
次に見るポイント
- 10/29(木)東証:上方修正と自社株買いを受けた最初の取引と、日経平均への寄与
- 10/30(金)東京エレクトロンの決算:製造装置の需要の見方がアドバンテストとそろうか
- 10/30(金)18:45 キオクシアの決算:メモリーの需要と、メモリー向けテスターの伸び
出典
- アドバンテスト「FY2026 Second Quarter (Semi-Annual) Consolidated Financial Results」(10/28、TDnet)
- アドバンテスト「2026年度第2四半期決算説明会資料」(10/28)
- アドバンテスト「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」(10/28)
- 時事通信「〔決算〕アドバンテスト、今期業績予想を上方修正」(10/28、dメニューニュース)
- 株探(MINKABU PRESS)「アドテストが27年3月期業績予想を上方修正、AI需要でテスター好調 自社株買いも」(10/28 16:02)
- 株探ニュース「株価指数先物【引け後】 アドバンテスト決算を評価したロング対応へ」(10/28 18:32)
- ヨリビケ「アドバンテスト、今期の純利益予想を7415億円に上方修正」(10/28 夕刊)
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









