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速報 | 商品・金 | 2026年11月1日 07:55

金、1年ぶり安値 金利が下がっても売られた理由

ニューヨークの金先物(COMEX、12月限)は30日(金)、1オンス3898.90ドルと前日より132.50ドル(3.3%)安く清算され、2025年10月以来1年ぶりの安値になった。ふだんは米国の金利が下がると金は買われやすいが、10月は米10年債の利回りが0.35ポイント下がる中で、金は2か月続けて値下がりした。東京市場でこの急落を受ける最初の取引は11月2日(月)になる。

動画:BNN Bloomberg「金がいま最も強く連動しているのは物価の統計」(クーパー氏) YouTube で見る

COMEXの金先物12月限は30日(金)、前日比132.50ドル(3.29%)安の3898.90ドルで清算された(日経の相場ページ、Investrade)。日経によると、ロンドンの現物価格は一時前日比4%近く下げて1オンス3869ドルをつけ、2025年10月以来の安値になった。米Kitcoも、現物が金曜の午後遅くに3870.25ドルまで下げ、1年あまりで最も弱い水準だと伝えた。銀も大きく下げ、Investrade によると5.93%安の1オンス49.28ドルと50ドルを下回った。10月の金は9月に続いて2か月連続の値下がりで、下落率は集計のしかたで6〜7%台と幅がある。

売られた理由として挙がっているのは3つだ。1つ目は米国の利上げへの警戒で、FRB(米連邦準備制度理事会)は28日(水)に政策金利を3.75〜4.00%に据え置いたが、2人がさらなる利上げを主張して反対票を投じた(Kitco)。30日には地区連銀の総裁3人も追加の利上げが必要との考えを示した(ヨリビケの10月31日の記事)。金は利息を生まないため、金利が高い状態が長く続くとの見方は重しになる。2つ目は原油高で、ホルムズ海峡でのタンカー攻撃をきっかけに原油が上がり、物価が再び上がるとの見方が広がった(日経・ロイター)。3つ目は現金づくりの売りで、フィスコは、AIへの過剰投資への懸念からハイテク株が下げ、現金を確保する売りが貴金属にも及んだと伝えた。Financefeeds によると、独コメルツ銀行は、借り入れで投資していた人が追加の担保(追い証)を求められ、金も売った可能性を指摘している。

日本への広がりはまず金に関わる株に出る。金の鉱山を持つ住友金属鉱山(5713)は30日(金)、8131円(393円安、4.61%安)で取引を終えた(株探・Yahoo!ファイナンス)。ただし東京市場が閉まった15時30分の時点では、ニューヨークの3%を超える下げはまだ起きていない。この日の値下がりは金曜の急落の前のもので、急落を受けた取引は11月2日(月)が最初になる。身近なところでは、金地金の店頭の値段がある。田中貴金属の金の店頭小売価格(税込)は30日(金)9時30分の公表で1グラム2万2552円(232円安)、店頭買取価格は2万2195円だった。これもニューヨークの急落より前に決まった値段だ。

読み解きで大事なのは、金利と金がいつもと違う動きをしたことだ。米財務省の公表値で、10年債の利回りは9月30日の5.29%から10月30日には4.94%へ0.35ポイント下がり、2年債も4.88%から4.56%へ0.32ポイント下がった。ふだんなら金が買われやすい形だが、金は逆に下げた。日経もこのずれを相場の変調のサインとして取り上げている。米国債が買われて金が売られたことは、いまの金の値段が長期金利よりも、FRBの次の利上げと、株安の中での現金づくりの売りに動かされていることを示している。見方は分かれていて、Kitco の調査では、ウォール街の専門家16人のうち10人(63%)が来週の値下がりを見込んだ一方、個人投資家の投票(184票)では53%が値上がりを見込んだ。ロイターによると、UBSのスタウノボ氏は、下げの理由として予想を上回った米国の7〜9月の成長率と、原油高がFRBにかける圧力を挙げている。

この先は、11月2日(月)の東京市場と田中貴金属の公表価格が、金曜の急落を国内で受ける最初の場になる(3日(火)は文化の日で休場)。3日(火)は米中間選挙で、日経は選挙後の原油高が物価と利上げの圧力を強める筋書きに注意を促している。6日(金)の米10月の雇用統計(日本時間22時30分)、12月8〜9日のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、利上げの見方を通じて金に効く。住友金属鉱山は11月10日(火)に決算を発表する予定だ(Yahoo!ファイナンス)。

数字で見る

COMEX金先物 12月限(10/30 清算値)3898.90ドル(−132.50ドル、−3.29%)=52週の安値(日経・Investrade)
ロンドン現物(10/30)一時3869ドル、2025年10月以来の安値(日経)。Kitco は3870.25ドル
銀(10/30)12月限49.28ドル(−3.10ドル、−5.93%)(Investrade)
米10年債の利回り(9/30 → 10/30)5.29% → 4.94%(−0.35ポイント)。2年債は4.88% → 4.56%(米財務省)
FOMC(10/28)3.75〜4.00%で据え置き。10対2、反対の2人は利上げを主張(Kitco・Financefeeds)
住友金属鉱山(5713)(10/30 終値)8131円(−393円、−4.61%)=ニューヨークの急落の前(株探・Yahoo!ファイナンス)
田中貴金属 金の店頭小売価格(10/30 9:30公表)1グラム2万2552円(−232円)、買取2万2195円(田中貴金属)
ヨリビケの見方田中貴金属の公表値で、金の店頭小売価格は10月1日(木)の2万3328円から30日(金)の2万2552円へ、10月の1か月で776円(3.3%)下がった。今年3月3日の2万9969円と比べると約25%低い。ただし30日の値段は朝9時30分に決まったもので、その日の夜のニューヨークの3.3%安はまだ入っていない。また、米10年債の利回りが10月に0.35ポイント下がったのに金が下げたことは、「金利が下がれば金が上がる」というふだんの関係が、この1か月は働かなかったことを数字で示している。

次に見るポイント

  • 11月2日(月)9時30分:田中貴金属の金の公表価格(金曜のニューヨークの急落を受けた最初の国内の値段)
  • 11月2日(月):東京市場で住友金属鉱山など金に関わる株の値動き(3日(火)は文化の日で休場)
  • 11月3日(火):米中間選挙(選挙後の原油と物価の見方)
  • 11月6日(金)22時30分:米10月の雇用統計(12月の利上げの見方)
  • 12月8〜9日:FOMC(利上げをするか)

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動画:Yahoo Finance「ナスダックとS&P500、6月以来の大きな下げ 半導体株が10%安」(金も売られた30日の株安) YouTube で見る

出典

神崎玲子 ・ 特集 07:55 ・ 2026年11月1日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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