パランティア、売上96%増でも時間外で下落 契約総額の伸びは6%
AI のデータ分析ソフトの米パランティア・テクノロジーズ(PLTR)が11月2日(月)の取引終了後に出した7〜9月期の決算は、売上高が前年同期より96%多い23億1300万ドルで、市場予想を上回った。年間の売上高の見通しも上げた。ただ、その四半期に結んだ契約の総額は前年同期比6%増にとどまり、株価は時間外取引で一時上げたあと下げた。
会社が米SEC に出した決算の発表文によると、7〜9月期の売上高は23億1341万ドルで、四半期の売上高が20億ドルを超えたのは初めて。米国の民間企業向けの売上高は前年同期比148%増の9億8400万ドル、米国の政府向けは96%増の9億5300万ドルで、民間向けが政府向けを初めて上回った。最終利益は11億2800万ドル(1株0.44ドル)で、CNBC によると前年同期の約4億7600万ドル(同0.18ドル)から2倍超に増えた。CNBC が伝えた LSEG の市場予想は、売上高21億8000万ドル、調整後の1株利益0.41ドルで、どちらも上回った。売上高は、会社が8月に示していた7〜9月期の見通し(21億6000万〜21億6400万ドル)の上限も約1億5000万ドル上回った。
見通しも上げた。2026年12月期の売上高は85億3000万〜85億3400万ドル(2025年12月期より91%増)とし、8月時点の81億5000万〜81億5800万ドルから約3億8000万ドル上げた。米国の民間向けの売上高は「34億2400万ドル超」から「35億5900万ドル超」に、調整後の営業利益は48億8900万〜48億9700万ドルから52億4500万〜52億4900万ドルに上げた。調整後の営業利益率(株で払う報酬などを除いた本業のもうけの割合)は62%で、売上の伸び率と足して40%を超えれば優秀とされる「ルール・オブ・40」の値は158%だった。アレックス・カープCEO は発表文で、国や組織が自前の AI を持とうとする「ソブリンAI」の動きが、持てる者と持たざる者の差を、30年の経営の中でかつてないほど広げていると述べた。
一方で、先の売上につながる契約の数字は伸びが鈍った。TCV(契約総額=その四半期に新しく結んだ契約の金額の合計)は29億1800万ドルで前年同期比6%増、4〜6月期の33億7300万ドル(同49%増)より少なかった。米国の民間向けの TCV も14億6300万ドルで、4〜6月期の過去最高の21億3200万ドルから約3割減った。まだ売上になっていない米国の民間向けの契約の残り(RDV)は65億1700万ドルで、前の四半期より4%増にとどまった(いずれも会社発表)。株価は2日の通常取引で3.13%安の178.34ドルと、決算前の2日間で9.2%下げていた。発表後の時間外取引では、Yahoo Finance の5分足で米東部時間16時40分に181ドル台(終値比+1.6%)まで上げたあと、17時40分(日本時間3日7時40分)には171.89ドル(同−3.6%)に下げた。CNBC は時間外で約4%安と伝えた。
2日の米国市場では、オラクルが株と社債で200億ドルを集める計画を示して8.76%安となるなど、AI への巨額の投資を不安視する売りでナスダック総合指数が1.07%下げた(Yahoo Finance)。AI の半導体やデータセンターに「お金を払う側」の負担が意識されるなか、パランティアは、半導体やデータセンターにお金を払う側ではなく、AI のソフトを売って稼ぐ側の会社だ。時間外の下げの理由を会社や CNBC は説明していないが、売上が予想を上回る一方で契約の伸びが鈍ったことは、発表文の数字から読み取れる。日本では、パランティアと SOMPOホールディングス(8630)が2019年に50%ずつ出資して合弁会社を作っている(ロイター)。社名はパランティア・テクノロジーズ・ジャパン。東京市場は3日が文化の日で休みのため、日本の AI・データ分析関連の銘柄がこの決算を受けて取引されるのは4日(水)になる。
この先は、10〜12月期に契約の勢いが戻るかが焦点になる。会社は10〜12月期の売上高を26億4900万〜26億5300万ドルと見込み、これは7〜9月期より約15%多い。売上は契約を結んだあと時間をかけて計上されるため、TCV や RDV の伸びが鈍ったままなら、来年の売上の伸びの見方に響きやすい関係だ。逆に、次の決算で米国の民間向けの契約が4〜6月期の水準に戻れば、7〜9月期の鈍りは一時的だったと読める。
数字で見る
| 売上高(7〜9月期) | 23億1341万ドル・前年同期比+96%(会社発表、市場予想21.8億ドル=LSEG・CNBC) |
|---|---|
| 米国の民間向け/政府向け | 9億8400万ドル(+148%)/9億5300万ドル(+96%) |
| 1株利益 | 0.44ドル(調整後も0.44ドル、市場予想0.41ドル=LSEG・CNBC) |
| 契約総額(TCV) | 29億1800万ドル・+6%(4〜6月期は33億7300万ドル・+49%) |
| 米国の民間向けの TCV | 14億6300万ドル(4〜6月期は21億3200万ドル) |
| 年間の売上高の見通し | 85億3000万〜85億3400万ドル(8月は81億5000万〜81億5800万ドル) |
| 10〜12月期の売上高の見通し | 26億4900万〜26億5300万ドル |
| 株価 | 178.34ドル(11/2 終値、−3.13%)、時間外 171.89ドル(日本時間11/3 7:40、Yahoo Finance) |
次に見るポイント
- 11月3日(火)米国時間:通常取引でのパランティアの株価の反応(2日の決算説明会の発言を受けて)
- 11月4日(水):休み明けの東証。SOMPOホールディングスや、AI・データ分析関連の銘柄の値動き
- 11月3日(火)〜:米中間選挙の結果。パランティアは米国の政府向けが売上の約4割(7〜9月期、9億5300万ドル)を占める
- 2027年2月ごろ(例年の時期):10〜12月期の決算。TCV と米国の民間向けの契約が4〜6月期の水準に戻るか
関連する動画
出典
神崎玲子 ・ 特集 07:50 ・ 2026年11月3日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









