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ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 為替・金利 | 2026年11月3日 12:48

豪州中銀、今年5回目の利上げで4.85% 3人が反対、AI投資も物価高の一因に

オーストラリアの中央銀行、豪州準備銀行(RBA)は11月3日(火)、政策金利を4.60%から4.85%に0.25ポイント引き上げた。今年に入って5回目の利上げで、豪ABCなどによると2008年以来の高さだ。9人の委員のうち3人は据え置きに票を入れ、9月の全会一致から票が割れた。声明は、中東の紛争による燃料高に加え、AI 関連の投資がハイテク製品の値段を押し上げていることを物価高の理由に挙げた。

動画:ABC News (Australia):利上げの前、豪州の政治の反応(11月3日) YouTube で見る

RBA は日本時間3日12時30分に声明を出した。政策金利(キャッシュレートの誘導目標)は4.85%。6人が0.25ポイントの引き上げに、3人が4.60%のままにすることに投票した(RBA の声明)。市場では利上げが大方の予想で、DZH フィナンシャルリサーチの速報も「予想通り」と伝えた。RBA の公表資料によると、今年の利上げは2月3日(3.60%→3.85%)、3月17日、5月5日(4.35%へ)、9月29日(4.60%へ)に続く5回目で、6月と8月は据え置いた。年初から合わせて1.25ポイント上げたことになる。2月と9月の利上げは全会一致だった。

背景にあるのは、下がらない物価だ。9月の消費者物価指数(月ごと)は前年比4.3%、RBA が重視する7〜9月期のトリム平均(値動きの大きい品目を除いた物価)は前年同期比3.7%で、目標の2〜3%を上回った(豪ABC が伝えた ANZ のエコノミストの説明、外為どっとコム)。声明は、物価は「広い範囲で」高く、職員の見通しを「大きく」上方修正したと説明した。物価は今後1年は3%を超えたままで、目標の上限の3%に届くのは2027年の終わりごろと、前の見通しより約3四半期遅れるという。理由として、解決していない中東の紛争で世界の原油の供給が乱れ、燃料や資源の値段が上がっていることを挙げた。

意外なのは、AI が物価の話に出てきたことだ。声明は、AI 関連の投資がハイテク関連の製品の値段を押し上げていると書き、データセンターへの投資が当面の企業の設備投資を支えるとも見ている。今週は米国や韓国で半導体株の売りが続いているが(11月3日のヨリビケの記事)、AI への投資の大きさは、中央銀行の物価の見方にも入り込んでいる。一方で声明は、景気の減速も認めている。失業率は8月の見通しより大きく上がる見込みで、住宅価格はかなり下がったという。利上げを続けながら景気が冷えていく難しい局面で、3人の反対はその迷いを映している。

読み解くと、今回の利上げは「上げたこと」より「割れたこと」に意味がある。米国の金融情報サイト investingLive は、予想どおりの利上げに3人の反対が加わり、さらなる利上げをはっきり示さなかったことで、豪ドルの大きな上昇にはつながりにくいとの見方を示した。声明の次の一手の書き方は「データに注意を払い、物価を目標に戻すために必要なことをする」にとどまる。豪ABC によると、利上げの前の朝、豪ドルは1豪ドル=0.70米ドル前後だった。声明が出たあとの豪ドルや豪州の株価指数 ASX200 の値動きは、ヨリビケでは時刻つきで確認できていない。

日本の個人にとって、豪ドルは高い金利が魅力とされてきた通貨だ。日銀の政策金利は1.25%(9月に引き上げ、10月30日は据え置き。時事通信)で、今回の利上げで日豪の政策金利の差は3.35ポイントから3.60ポイントに広がった(ヨリビケ計算)。時事通信によると、日銀は12月の利上げも視野に入れている。この先の焦点は、日本時間13時30分からのブロック総裁の記者会見で次の利上げにどこまで触れるか、そして日本時間4日(水)朝からの米中間選挙の開票と、休み明けの東京市場だ。外為どっとコムのテクニカルアナリスト、岩田仙吉氏は利上げ前の記事で、豪ドル円は「108円〜111円台での攻防」が続くかに注目していた。

数字で見る

RBA の政策金利(11/3 火)4.60% → 4.85%(+0.25ポイント)=RBA 声明
投票利上げ6人・据え置き3人(9月29日は全会一致)=RBA 声明
2026年の利上げ2/3(3.60→3.85%)、3/17、5/5(→4.35%)、9/29(→4.60%)、11/3(→4.85%)。6/16・8/11は据え置き=RBA
物価9月の消費者物価 前年比4.3%、7〜9月期のトリム平均 前年同期比3.7%=豪ABC(ANZ)、外為どっとコム
RBA の物価の見通し今後1年は3%超、目標の上限3%に届くのは2027年の終わりごろ(前の見通しより約3四半期遅れ)=RBA 声明
日銀の政策金利1.25%(10/30 据え置き)=時事通信、外為どっとコム
日豪の政策金利の差3.35ポイント → 3.60ポイント(ヨリビケ計算)
ヨリビケの見方RBA は年初の3.60%から10か月で合わせて1.25ポイント上げた(5回×0.25ポイント)。同じ期間に、全会一致だった利上げ(2月・9月)から、3人が反対する利上げ(11月)に変わった。日豪の政策金利の差は、利上げの前の3.35ポイントから3.60ポイントになった(ヨリビケ計算、RBA 4.85%・日銀 1.25%)。声明が物価高の理由に、中東の燃料高とあわせて AI 関連の投資を挙げた点は、AI への投資が半導体の株価だけでなく、各国の金利の判断にも関わっていることを示している。

次に見るポイント

  • 11月3日(火)13時30分(日本時間):ブロック総裁の記者会見。次の利上げへの言及
  • 11月3日(火)米国時間:米中間選挙の投票。開票は日本時間4日(水)朝から
  • 11月4日(水):休み明けの東京市場。豪ドル円と円相場
  • RBA の次の会合(日程は RBA の公式サイトで確認)と、豪州の雇用・物価の統計
  • 日銀の12月の金融政策決定会合(12月の利上げが視野と時事通信)

関連する動画

動画:9 News Australia:利上げで景気後退の心配も(11月3日) YouTube で見る
動画:CommSecTV:11月3日 RBA の決定の日の朝の市場 YouTube で見る

出典

白石ひかり ・ 特集 12:48 ・ 2026年11月3日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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